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まとめるほどでもないもの
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記事一覧

君と最後に会った日

 いつがそれになるかわからないけれど、きっとその日が遠くないことはわかるし、ひょっとした…

蜩ひかり
2週間前
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繊細な花

 あれはすばらしい花だと言われ、咲きそうな蕾を誰かがたいせつに育てている時、その花を見る…

蜩ひかり
2週間前
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あなたがいたから

 運命の輪の軸に選ばれる人間というのはたぶんあらかじめ神様が決めたもので、あなたは最初か…

蜩ひかり
3週間前

あいまいな空

朝起きて、わたしの頭上に覆い被さるどんよりとした曇り空からふと光がさすのを見あげて、今日…

蜩ひかり
3週間前
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梅雨

 紫陽花が似合うあなたはいつでも冷たい雨に打たれている。濡れそぼった髪が額にはりつくのを…

蜩ひかり
1か月前

天国と地獄

 死後の世界には三途の川があると聞いていたけれど、あの話は嘘だったのだと今しがた思い知っ…

蜩ひかり
1か月前
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月に願いを

 流れ星が願いを叶えてくれそうな気がするのは、きっとあのちいさな炎が燃え尽きて、もう消えてしまう寸前だからだろう。何億光年か先でわたしたちのために光るいのち。その上にほんとうは誰が立っているのかを知れるとき、わたしも跡形もなく消えている。  月はきれいだけれどなにも叶えてくれない気がするな。あそこは竹から生まれたわがままなお姫様が治めていて、兎が住んでいる不思議の国、昔からそういうことになっている。  勝手に満ちたり欠けたりするし、太陽を食べたりするし、月はいつだってわがま

告白雨雲(毎週ショートショートnote参加作品)

 二人きりが定員の世界の内側で、天気予報が外れた事に密かに感謝していた。きみのこえが反響…

蜩ひかり
1年前
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降り止まない雨

 わたしは雨である。  雨というものは表現手法においてまったく便利な代物で、いついかなる…

蜩ひかり
1か月前
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また明日

 別れの挨拶は祈りなのだ、と唱えたひとがいる。  もう二度と会わないことを願ってさような…

蜩ひかり
1か月前
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透明

 都会を歩くひとたちはみんな透明だ。情報の洪水でわたしたちの色温度は希釈され、水びたしの…

蜩ひかり
1か月前
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理想のあなた

 あなたがあなたの思いどおりのあなたじゃなくても私はあなたが好きなことに変わりはないし、…

蜩ひかり
1か月前

失われた時間

 遡ることができるなら変えたいのは私の未来なんかじゃなくて、ただ貴方に会いに行きたいな。…

蜩ひかり
1か月前

一年後

 未来のことなんて誰にもわからないけれど白か黒かなら白がいい。なんて、あたりまえのことを言うひとには誰かを刺す気なんてないのだろうし、だからきっと息をするように人を刺している。  刺された傷口がひらくのは明日かもしれないし、一年後かもしれないし、ずっと気づかずに、或いは気づかないようにして、ただほほ笑みながら白い未来を歩いているひともいる。真っ赤な足跡がみえるのは後から来た私達だけだ、来た道をふり返らない人の脚はいつも傷だらけだ。  太陽がまぶしくて背を向ければいつも黒し