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自伝小説 ままごとかあさん8 家族(4)

幼稚園の何かの宿題で

‘’名前の由来を調べましょう‘’と言われ

母に質問をした。

「お父さんの亡くなったいとこの名前を

付けたんだよ」

と言われた。

父の実家は県内の中心部にある

真宗のお寺だった。

そのお寺であった法要の写真を思い出す。

セーラー服を着て髪を三つ編みにした

きれいなお姉さんの遺影が飾られていた。

ワタシの名前は漢字で‘’理香‘’と書く。

ぽっちゃりで太り気味のワタシよりも

亡くなったお姉さんにぴったりな名前だ。

父に亡くなったりかさんのことを

聞いたことはない。

父はどんな思いでりかさんを見送ったのだろう。

どうして生まれた子どもに

同じ名前をつけようと思ったのだろうか。

子どもの頃は父が怖くて話しも出来なかった。

でも、たとえ聞けたとしても

答えをはぐらかされただろう。


流産した赤ちゃんが女の子だったら

‘’りか‘’と名付けられていたはず。

ワタシだけが今‘’りか‘’として生きている。

そう思うと不思議だった。

そして、

天国の2人が羨ましく思えた。


つづく


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