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自伝小説 ままごとかあさん7 家族(3)

18歳、高校卒業後に就職した会社で

父と母は知り合ったらしい。


母は仕事をしながら

自動車学校に通い

3回以上も試験に落ちてやっと合格。

ゲットした車で会社へ通い

しょっちゅう駐禁で捕まっていたらしい。

一般的な母親なら絶対に隠しておくような

そんな事を幼いワタシに話した。

「なんで電車でいかなかったの?」

とワタシが聞くと

「遅刻しそうだったから」

と答えた。

母は時間に合わせて行動することが出来なかった。

…いや、今でも遅刻がフツーだ。


「なんでお父さんとケッコンしたの?」

と聞くと

「私はけっこうモテたのよ」

と答えにならない。

祖母や祖父にも話しを聞き

子どもが出来たから結婚したのだとわかった。

「その赤ちゃんはどうなったの?」

と聞くと

「みずこだから」

と言う。

幼いワタシは意味がわからず

「なに?」

と聞くと

祖母が毎日手を合わせている仏壇にあった

小さい位牌を見せてくれた。

どうやら亡くなったのだな

という事だけわかった。


ワタシにも兄か姉がいたのだ。

幼いワタシは

‘’流産せずに生まれてくればよかったのに‘’

と思った。

生きていればワタシのイチバンの

味方になってくれた気がした。


でもたぶん…

と大人になったワタシは思う。

生まれて来なかったキョウダイは

おなかの中でこの家の人々の異常に気がつき

空へ帰ることにしたのではないか。


そんな気がする。


つづく

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