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【コラム】長所は「イヤな奴じゃない」ところ。

ここ数年くらいでしょうか。
長所は?と聞かれると必ず「イヤな奴じゃないところ」と答えています。
「良い奴」ではありません。「イヤな奴じゃない」です。

どこが違うのか、と言われると難しいのですが、自分が「良い奴ではない」事は日々過ごしていて、自覚があるのです。

口が悪い時もありますし、嫌な事をされたら罵詈雑言が頭から離れてくれないですし、妬み嫉みがつきまとってくる事もあります。
困っている人を率先して助けた事はありませんし、助けようと周りに呼びかけた事もありません。
自分主義な考え方で周りへの気配りを意識せずに出来ません。

ただ「イヤな奴じゃない」のです。
口は悪い時もありますが、怒りに任せて相手にぶちまける事はないですし、罵詈雑言を口に出す事はしません。妬み嫉みをぶつけず、嫉妬してしまった事を自覚し落ち込みます。
困っている人を率先して助けませんが、誰もいなければ助ける事は厭わないですし、周りに呼びかけた事はないけれど呼びかけられたら手を貸します。
気配りを無意識には出来ないけれど、出来ないなりに周りを見よう、とはしています。

僕には絶対に許せない人が3人います。彼らは仕事で出会った3人で二度と会いたくもなく、話したくもなく、仕事なんて絶対に一緒にやりたくない。だけど彼らが不幸になってほしい、とは全く思わないんです。
ただ自分の視界には入ってこないでほしい。視界に入らないところで幸せに暮らしていてほしい。そんな感覚です。

そしてこの絶対に許せない3人以外、嫌いな人もいないのです。
ひどい振られ方をしたあの子も、構成作家になる事を無理だ、と馬鹿にしてきたあいつも、スーパーでバイトしていた時、嘘のクレーム書き殴ってきた謎の客も嫌いではないのです。ムカついたけど。幸せに暮らしていてほしいと思います。

でも「イヤな奴じゃない」は武器にはならない。「イヤな奴じゃない」のでわかりやすく嫌われてるな、煙たがられてるな、と感じる事はないのですが、人間的な魅力には繋がらない。
だから人望はそれほどないし、カリスマ性もないのです。でも友達がいなかったり、職場で打ち解けられない事もない。不思議と広く浅い付き合いも多い。
これが「イヤな奴じゃない奴」です。

感じ始めたのは10年くらい前。
自惚れに近いとは思いますが、わかりやすく嫌われた経験が自分にはない気がするのです。
「アイツに無視された」「アイツは俺を馬鹿にしてる」といった嫌われエピソードが自分に思い当たらないのです。

まあ…思い当たるエピソードがない、のではなく、超鈍感である可能性は捨て切れません。嫌いな奴からのオーラを感じ取れなかっただけかも。
この文章をそんな奴に見られたら「めちゃくちゃイヤな奴だよ」と言われてしまいそうです。その時は全力で謝罪します。

何かあったらすぐ謝罪出来るところも「イヤな奴じゃないところ」。
なんかそんな気がしています。

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