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分子模型を自作する。


完成品

さっそく本題に入っていきます。下記の図1と図2が実際に作ったものになります。

図1 CH₄メタン
図2 C₂H₄ エチレン

ちょっと不格好なのは目をつむってほしいですが、こんな感じの分子模型を作ることができます。さて、さっそく実際の作り方を説明していきます。

作り方

用意するもの

材料

  • 白色の紙粘土(図3参考)

  • 白色の軽量樹脂粘土(図4参考)

  • 水彩絵の具(黒・赤・青・緑)

  • アルミワイヤ―

図3 紙粘土
図4 軽量樹脂粘土

道具

  • ニッパー

  • 木工用ボンド

  • 粘土で汚れないための下敷き

  • 密閉保存袋(粘土保管用)

  • ラップ

  • 霧吹き

原子球の作り方

1.紙粘土と軽量樹脂粘土を用意します。

2.紙粘土と軽量樹脂粘土の体積比が、1:2となるように袋から取り出します。(図5参考)
軽量樹脂粘土を商品の半分ほど取り出した後、紙粘土を取り出した計量粘土の半分ほど取り出すと作りやすいです。
*粘土は乾燥しやすいので、使わない分はすぐに密閉できる袋に入れましょう。

図5 左:軽量樹脂粘土 右:紙粘土


3.取り出した紙粘土と軽量樹脂粘土をよく混ぜ合わせます。
*この時薄く延ばして、折りたたむを繰り返すと混ざりやすいです。

4.作りたい元素の数と各元素の原子球の個数に応じて、混ぜ合わせた粘土を分けます。
*約2㎝の球を作るので、一度球を簡単に作ってから分けるとやりやすいです。図5の量で約12個できます。(図6参照)

図6 仮で分けた状態


5.元素ごとの色を用意します。色はCPKモデルに倣い、次のようにします。
H:白色 C:黒色 O:赤 N:青 S:黄色 Cl:緑
*白色は粘土の色をそのまま使用するので、用意しなくて大丈夫です。

6.ここから先の手順は色ごとに行います。すぐに着色しない分は、一端ラップにくるみましょう。また、絵具により手が汚れるので、不用意に周りを触ったりしないよう気をつけましょう。

7.手順4で粘土を球状に分けたままの場合は、これから着色する分を合わせてしまいます。合わせた状態にしたら、着色する色の水彩絵の具を粘土に適量加えます。
*絵具の量は多めの方がいいですが、好みの濃さになるように少しづつ混ぜ合わせていくといいです。

8.絵具を加えたら、手順3と同じように混ぜ合わせます。

9.十分に混ざったら、今度は球にしていきます。手順4と同じように仮に分けたら、両手のひらで軽く押し付けながら丸めます。

10.丸めた球に霧吹きで水をかけます。球表面のひび割れなどを、指で伸ばしながら整えます。

11.丸め終えたら、今度は穴をあけていきます。
穴の位置は結合の手が4本の炭素を参考にしてあけます。3本以下の場合も、炭素を参考にして必要な穴の数を開けます。(図7参考)

図7 炭素のモデル
降中セイミ様運営のDAVYよりエタンの3Dモデルをお借りし、加工しました。
https://davy-chem.tokyo/

12.そのまま乾燥させます。ある程度乾燥するまでは、こまめに転がしてあげると、球の接地面が平らにならずに済みます。
他に着色する分がある場合は、待ち時間に手順6に戻って繰り返します。

補足
紙粘土を混ぜずに軽量樹脂粘土だけ使うのであれば、着色済みの粘土が売られているので、絵具を使わずに作ることができます。
今回紙粘土を混ぜたのは、軽量樹脂粘土だけだと軽すぎるうえに少し強度が心配という思いがあったためです。人によっては気にならないと思いますので、ここはご自由にお願いします。

原子の結合の作り方

1.アルミワイヤーを用意します。

2.単結合用に約4㎝、二重・三重結合用に約6㎝ほどの長さ分を、必要数切ります。

3.二重・三重結合用は図8のような形にするとつなげやすいです。

図8 二重・三重結合用の形

使い方

使い方は簡単です。作りたい分子構造をもとに組み立ててみてください。
いくつか注意点があるので下記に記載します。
*結合の手を押し込みすぎると貫通します。
*繰り返し使っていると、穴がスカスカになります。この場合は木工用ボンドを少量穴に流し込むとよくなります。ただ、そのまま放置していると抜けなくなるので注意。

最後に

市販の分子模型は高くて手が出せないし、どうせなら自分で作ってみたいという思いで作ってみたものになります。身近なもので誰でも作れるというコンセプトで試行錯誤し完成させました。
なにか、不明点がありましたら聞いてくださると助かります。
また、感想やアレンジなどがあれば教えていただけると、うれしいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

連絡先:Twitter(現X)@hie0707

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