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醜い私
2020年12月9日 14:01
前回までの分で、哲学のおかげで人生明るくなったよという話にまとまった。でも実際は、元々考え込みやすい性格なので、今もささいな一つ一つに悩んで考え込んで落ち込んだり、友達や結婚相手を得ても「自分のことは誰も理解できない。自分は孤独だ」と思うことが少なくない。それでもやはり、そうした時に他の思想家の思想を色々思い返して、自分の悩みに寄り添ってもらったり、もう一度考え直してみようと思えたりするこ
2020年12月9日 14:00
自分のことを、記録すべきレベルで醜い、貴重で珍しいモンスターだとウルトラポジティブに本気で解釈できた後、しっかりと骨のある自分の思想を作ろうとドイツの大学に1年の留学をした。ドイツは哲学の本場だ。カント、ヘーゲル、ニーチェ、ハイデッガーなど、「お、これは読みごたえがあるぞ!」という著作や、「お、これは知る価値のあるすごい知識だな!」と圧倒される思想が沢山生み出されている聖地だ。毎日最終
哲学は私に何を与えてくれたかというと、まずほしかったブス哲学者の肩書はまったく得られていない。自分の思想発信はゼロに等しい。したがって、意図して得たものはない。だけど、自分が醜すぎて死にたいと本気で毎日思っていた頃に、そんなことよりこっちについて深く考えてみようよと視点を逸らしてきたり、「考え事してたら3日間他人の家の軒先に立ちっぱなしだったわ。まあそれはよくあることでした」みたい
2020年12月9日 13:59
ブス哲学の確立を目指して大学で学び始めたが、それは自分の思想を作る時間というより、哲学史を辿って膨大な思想を正確に理解するための時間だった。無名の私がどう思うかはそこでは全く求められておらず、求められているものは、分析対象の思想家がどう考えたかを正確に解釈することだった。そうしてあっという間に、「自分のやりたい仕事はそのうちね」と思いながら哲学史研究だけの時間が過ぎた。哲学史研究という
2020年12月9日 13:58
私は大学で哲学を学んだ。哲学を学んだ目的はいろんな人の思想を知ることが好きで、私も自分独自のブス哲学を築き上げたかったからだった。私が学んだ哲学は主にヨーロッパの思想家による思想で、私にはどの思想家も美男美女に見えた。美男美女の思想……私は自分がブスなことを小6か中1くらいで自覚してからずっとブスとして縮こまって生きてきていた。同級生からしつこくブスと言われたり冷たくされたりし