Shopifyアプリ: Yotpoを約2年使ったレビュー
本日は、Yotpo(以下、ヨットポ)について書く。
ヨットポは、レビュー収集アプリの中ではたぶん、知名度No.1だろう。十数万サイトで導入されているほどだ。
しかしそもそも、レビュー機能なんて、ショッピファイ自身が無料アプリで提供している。
にもかかわらず、有料で、ここまで導入されている。しかも、有料といっても並ではない。ヨットポは毎月、二桁万円の費用がかかる。ショッピファイアプリの中でも、トップレベルに高額だ。
こういった背景から、ヨットポが実際のところどうなのか、気になっている人も多いのではないだろうか。
ということで本日は、ヨットポを利用をしてもうすぐ2年になる私が、ずばりおすすめ出来るかどうかから、無料のものと何が異なるのかなどをレビューしていく。
(私が使っているその他アプリは『Shopify使用6ヶ月の所感と検討中の人へのアドバイス』を参考にしてください。)
結論:ヨットポはかなりおすすめ
結論からいうと、ヨットポはかなりおすすめだ。
とはいえ、誰にでもおすすめというわけではない。もちろん、扱う商品によって向き不向きがある。
例えば、下記のような商品を扱っている企業にはかなりおすすめだ。
・寿命の長い商品
・他者の意見が参考になる商品
・使用感が写真で見せられる商品
それぞれの理由を解説しながら、ヨットポ独自の強みについて触れていく。
寿命の長い商品にとってレビューは武器になる
まず第一に、同一商品を長く販売するような会社にとって、ヨットポは頼もしい武器になる。
レビューが蓄積していくことで、セールス力が高まるからだ。
(ヨットポの資料より拝借)
商品が良いものであれば、レビューがどんどん増えていき、売上は加速していく。
それによりさらに商品の息も長くなる。これは願ったり叶ったりだろう。
ちなみに、弊社のケースだと、レビュー投稿率が17.87%もある。
同じ商品でも、楽天ではレビュー投稿率は2~3%ほどだ。
ショッピファイの無料のレビューアプリの数値が気になるが、公開されていないのが残念だ。とはいえ、ここまで高くはないだろう(知ってる人がいたら教えてほしい)。
なお、ヨットポだとなぜこんなにレビュー収集率が高いのかというと、
・レビュー投稿がめちゃくちゃ簡単
・レビュー依頼メールを何度も送れる(弊社は3回送っている)
・レビューにインセンティブを付けられる(後述する)
からなのだが、とりわけ、レビューを投稿するのが本当にすごい簡単なのがミソだと思っている。
これについては提供元のギャプライズ社が運営しているページでgif動画が見られるので、是非見てほしい。すごい簡単だ。レビューを書いたことのない人でも、これなら書いてやるか、と思えるようなハードルの低さだ。
と、ヨットポを絶賛しておいてだが、不向きな企業もある。
流行り廃りの激しい商材、継続販売しない商材などを扱うケースだ。
例えば、流行りの過ぎたデザインのものは、いかに大勢の人が絶賛していても要らない。他にも、在庫数50個売り切ったら終わりのようなビジネスだと、レビューが付きだすころには在庫が無くなっていたりして、レビューが価値を生まない。
厳密にいうと、ヨットポに向かないというより、レビュー収集に大金をつぎ込む必要がないというのが正解だろう。こういった類のビジネスを行っている会社は、無料のプロダクトレビューで十分だろう。
他者の意見が参考になる商品
これについては言うまでもないだろう。
商品説明通りの商品なのか、使用感に問題がないか、サービスは良かったかなど、事前にわかっていると安心して購入できる。
そして、ここでまたヨットポの独自の強みがある。
それがカスタムレビューだ。
つまり、レビューしてもらいたい内容を自社独自にカスタムできるのだ(硬さ、身長、体重の部分)。
カスタムレビューの本質は、レビューの数より、質を高めることにある。
例えばだが、「このマットレスの寝心地は私には硬すぎるように感じました」というレビューがあったとして、あなたはどこまで参考にできるだろうか。
そのレビューを書いた人の体格が分からなければ、あまり参考にならないのではないだろうか。
ということで、弊社では、マットレスのレビューを書いてもらう際に、「硬さ」「身長」「体重」を記載してもらうようカスタムした。
プライバシーに踏み込んだ質問であることは分かっている。ただ、こういった情報があることで、他のユーザーにとってより価値のあるレビューになるはずだ。より信頼できる判断の軸になる。
たとえ、レビュー収集率が多少減ったとしても、内容の質を高めることでコンバージョン率の向上、満足度の向上につなげられるのではと考えている。
考えている、つまり、まだ結果が出ていない。実はこれ、最近行った変更なのである。
数値については、反響があれば、追って報告していく。
もちろん、単にレビューというだけでなく、製品のアップデートにつなげるためのフィードバックとしてもより質が高まる。
こういった考えをもとにカスタムを練れば、費用対効果をより高めることが出来るはずだ。現に弊社では、製品開発のためにかなり役立てている。
使用感が写真で見せられる商品
ヨットポのレビューには画像や動画が付けられる。
さらには、レビューとして投稿された画像やインスタグラムに投稿された画像をEC上に載せることも可能だ。
弊社の扱う商材(寝具)との親和性はそこまで高くないが、「魅せるため」の商品を扱う企業にとっては使い方次第で強力な機能になる。
最近聞いてびっくりしたが、ECサイト上にメーカーが載せている画像は、加工がされていて真実からかけ離れていると考える人がいるらしい。
そういった人は、ユーザーが投稿した画像などのコンテンツ(いわゆるUGC: User generated contents)をじっくり見るとのことだ。
リアルな様子が見られて、慎重な人にも信頼してもらいやすくなるはずだ。
口紅だったり、アクセサリーだったり、身に着けるものだと尚更だろう。
ちなみに、投稿してもらった画像からよりすぐりのものを、ECサイト上に表示させることも出来る。
こういったレビューがあると、かなり納得感が強まらないだろうか。
もちろん、写真付きのレビューを集めるのは大変だ。
それについては別途、いろいろ施策をやっていく必要がある。
手間ではあるが、UGCが充実していると、サイトに花が咲いたような賑わいが生まれる。
事例では、CVRが6.56%から8.11%にまで改善したケースがあるらしい。
弊社は写真を集めるのが苦手で時間がかかってしまったので、計測はこれからという段階だ。
これについても、反響があれば追って報告していく。
その他、ショッピファイ提供のレビュー機能との違い
その他、素晴らしい機能を2つ書いておく。
1つは、上でチラッと述べたが、レビュー依頼メールを自動で何度も送れることだ。
さらには、それぞれのメールを送る期間を好きに設定することが出来る。
例えば、弊社では、一通目を購入から10日後、二通目を同21日後、三通目を同31日後に送るようにしている。
もちろん、四通目、五通目、、、と送ることも可能だが、鬱陶しく感じられそうなので、三通目を上限としている。
一応データを見ると、三通目でレビューを書いてくれている人が、17.87%のうちの5.4%なので、四通目、五通目と出せば、レビュー収集率がゆうに20%を超える見込みではある。
ちなみに、自動でレビュー依頼メールを送付するとなると、メールを届ける時間帯が選択できない。指定した日の午前10時と決まっている。これは唯一、私がヨットポに不満を感じるところだ。
例えば、メルマガ配信アプリのKlaviyoなら、(メール受信者のいるタイムゾーンを検知した上での)午後○○時というふうに指定できる。
これは今後、改善を期待したいところである。
そして2つ目が、レビューのシェアを促すインセンティブ設計ができることだ。
例えば、レビューをシェアしたら10%offクーポンを送るということが出来る。リピートと口コミが同時に促せる素晴らしい設計である。
とはいえ、「レビューにより商品を認知してからの購入」というのがまだ計測できていないため、大事なところを数字で語れず申し訳ない。ただ、一定の効果はあるはずなので、ヨットポのメリットとして覚えておいてほしい。
という感じだ。
他にも、いろいろ話そうと思えば話せることはある。
例えば、その他アプリと連携して、レビューを書いたらポイントを付与とか、レビューを自社SNSでシェアできるとか、、、ただ、これ以上書くと話が長くなりすぎるので、こういった内容についてはまたいつか書こうと思う。
ヨットポは高いけどその分の価値はある、ということが伝わっていれば幸いである。