2024年9月29日の政治・時事ニュース 石破新総裁のもとでぐちゃぐちゃになりそうな日本の防衛構想
本日は石破新総裁について、防衛、保守の離反、長老の復活と強化という3つの視点で記事を書きました。本来ならばイスラエルとウクライナについても書きたかったんですが日本人には興味のない話題で「人事のゴタゴタ」のほうが好まれる傾向があります。
石破氏の提唱するアジア版NATOですが、石破氏は防衛には強いが外交には強くないという指摘と、集団安全保障(国連)と集団防衛(個別同盟)の区別がついていないという指摘があります。
これについては「親米派のブレーンが付いているから大丈夫」という指摘もあり「まあそれはそのとおりなのかなあ」とも思うのですが、やはり気がかりな点もあります。
現在の主権国家体制は集団安全保障が前提になっていて、それだけでは足りないから集団防衛で補うという構成になっています。しかしこの国連体制がかなり揺らいでいるのが現状なので集団安全保障を基盤とした集団防衛が成り立つのかという課題があります。
ところが専門家のやり取りを見ているとクロウトを自認する人たちが「集団安全保障と集団防衛について理解していないやつはすっこんでいろ!」と議論を独占してしまう傾向が見て取れます。
議論の前提が崩れている(つまり基礎工事が揺らいでいる)上に高層ビルを建てるという議論は憲法でもよく見られる構図なんですが「自分たちはモノを知っていてお前らに教えてやるんだ!」ということになりがちなんですよね。ガリバー旅行記でジョナサン・スウィフトが書いている「ラピュタ国」みたいな状況の議論です。
すでに高市早苗氏に代表される日本の安全保障に熱心な人達が心理的に疎外されているという事情が入りますし「とにかく負担を避けたい」という無関心層が議論の主体です。本来真っ先に説得すべきなのはこの人たちなんだと思うのですが、おそらくラピュタの住人たちは気にしないでしょう。
憲法改正議論はラピュタの人たちに独占されふわふわと彷徨っていますが、安全保障の議論も同じ様な末路をたどるのかなあという気がします。