今注目の国内アート系スタートアップ11選
最近、美術館や芸術祭、パブリックアートなどでアートに触れる人、アートをコレクションする人が増えているように感じる。
実際に数値としても表れており、2021年4月に開催された国内最大級のアートオークションであるSBIアートオークションでは、総取引金額が10.8億円を記録し過去最高の取引金額となった。また、2022年3月に開催された国内最大級のアートフェアであるアートフェア東京では、総売上高が30.8億円を記録し過去最高の売上高となるなど、近年業界が盛り上がりを見せている。
そんなアート業界に近年、スタートアップとして数々の企業が参入しており、これからのアート業界の盛り上がりを推進するであろう企業も誕生している。
そこで、本記事にて個人的に注目しているアート関連の事業を展開してるスタートアップをピックアップして紹介します。
1. Art Technologies(アートテクノロジーズ)
Art Technologies(アートテクノロジーズ)は、アートのレンタルを⾏い2年後に返却か買取かを選択することができる購⼊選択権付きアートレンタルサービス「アートオプション」を提供しています。また、その他にも、ギャラリー運営やオフィスコーディネート事業、アート活⽤コンサルティング事業などを行っています。
Art Technologiesは、アートとアーティストに関わる新しいサービスを通して、アートが活用される場所を増やし、その資産価値を安定させることで、経済と芸術文化に接点をもたらすことを目的としています。
2. ANDART(アンドアート)
ANDART(アンドアート)では、バンクシーやアンディー・ウォーホルなどの世界的に有名な作家の作品を一口一万円から購入してオーナーになれるという、アートの小口投資プラットフォーム『ANDART』や、世界中からプロがセレクトしたアート作品を数万円から購入できるオンラインサイト『YOUANDART』などを運営しています。
その他にも、オーナー権を所有する作品などを展示・売買できるオンラインスペース「ANDART Showcase」の提供も行っており、今後はNFT技術を活用し、さまざまなアート体験・優待を予定しているとのことです。
アートの小口投資プラットフォーム『ANDART』では、初回販売価格の3%をアーティストに還元するロイヤリティ制度があったり、オーナー限定の特典があったりと、アーティストにもオーナーにもプラスとなるようにサービス設計がされています。また、このオーナー権は売買することも可能となっており、オーナー権を100%保有した場合は実物のアート作品を保有することができます。さらに、2022年12月にはサービス累計取引金額が11億円を突破しました。
3. between the arts
between the artsは、アート管理サブスクリプションサービス「美術倉庫」やアートコレクション共有プラットフォーム「COLLET(コレット)」、between the arts gallery の運営などを行っています。
アート管理サブスクリプションサービス「美術倉庫」は、アートコレクター向けに、自宅で保管できないアートコレクションを、万全のセキュリティと温度湿度が徹底された環境にて、月額で預けることができるサービスです。
アートコレクション共有プラットフォーム「COLLET(コレット)」は、アートコレクションにを共有できるプラットフォームです。アートコレクターの様々な最新コレクションを閲覧できるほか、気になる作品に対しては、任意の金額にて購入オファーを出すことができます。
また、2021年12月には、最近話題のNFT事業にも参入しており、当社サービスの利用者(特定の条件あり)に対して、無償で作品証明書をNFT化し、その来歴をブロックチェーン技術によって管理し、管理する情報を「COLLET」上で、誰もが閲覧できるようにしています。
4. Casie(カシエ)
Casie(カシエ)は、月額制で一点ものの絵画を13,000作品の中から選び、レンタルすることができる、定額制絵画レンタル『Casie』を運営しています。また、毎月アートコンシェルジュが厳選したアート作品が届く「Casie for you」というプランも提供しています。
その他にも、カフェやホテル、アパレルショップなどの店舗にて絵画の展示なども行っており、様々なシーンで気軽にアートに触れられる機会を創造しています。
Casieでは、アーティストにとって自分の作品を多くの人に知ってもらう機会となり、レンタル売上の35%がアーティストに還元される仕組みとなっています。また、消費者にとっても、アート作品は高価で購入できないという場合でも月額制のため、気軽に絵画を借りて楽しむことができます。
5. ヘラルボニー
ヘラルボニーは、異彩を、放て。をミッションに掲げる福祉実験ユニットです。知的障害のあるアーティストが描く作品をファッションやインテリアなどのプロダクトに落とし込む、アートライフスタイルブランド「HERALBONY」や、建設現場の仮囲いに作品を転用する「全日本仮囲いアートミュージアム」、アート作品の展示や販売を行うGalleryの運営などを行っています。
社名である「ヘラルボニー」は、知的障害のある両代表の兄・松⽥翔太が7歳の頃⾃由帳に記した謎の⾔葉であり、「⼀⾒意味がないと思われるものを世の中に新しい価値として創出したい」という意味が込められています。
ヘラルボニーは、経済産業省が主催する「日本スタートアップ大賞 2022」にて「 審査委員会特別賞」を受賞していたり、世界の次世代を担う30歳未満のイノベーターを毎年選出する「Forbes 30 UNDER 30 JAPAN」に選出されるなど、数々の賞を受賞しています。
6. OVER ALLs(オーバー オールズ)
OVER ALLs(オーバー オールズ)は、「楽しんだって、いい」を企業理念とし、正解を追求する”HOW”ではなく、心の感動に従う”WOW!”を追求し、「楽しい国、日本」の実現を目指すアートカンパニーとして活動しており、オフィスアートを中心に、オーダーアートの企画制作、ライブペイント、アートのセレクトショップ「OVER ALLs STORE」の運営などを行っています。
具体的な活動として、東日本大震災による原発事故で住民がゼロとなった福島県双葉町でのアートプロジェクトや、JR東日本との企画『ART LOOT TOKYO 2020』、日本酒缶「HITOMAKU」ラベル用アート制作など、アートを使った様々な取り組みを行っています。
また、TBS系列「情熱大陸」や、日本テレビ系列「news zero」など多数メディアに出演しています。
7. Startbahn(スタートバーン)
Startbahn(スタートバーン)は、ブロックチェーン技術を活用し、アート作品の来歴(売買・贈与・展示・保管・修復)を記録、管理することができるアート流通・評価のインフラ「Startrail」や「Startrail」に連動した「Startbahn Cert.」、NFTのオフライン体験を実現するWebアプリ「FUN FAN NFT」を提供しています。
「Startrail」は、作品と共にStartrail登録証を流通させることで、営利・非営利問わず世界中のアート関連サービスを繋げ、すべての作品の来歴(売買・贈与・展示・保管・修復)を自動記録することができます。
また、「Startbahn Cert.」では、「Startrail」で蓄積した作品情報を手軽に管理できるよう、ICタグ付きブロックチェーン証明書「Cert.」を発行しており、ICタグをスマートフォン等で読み込むことにより証明書の情報を閲覧することができます。
これらのように、スタートバーンは世界中のアーティスト、そしてアートに関わる全ての人が必要とする技術を提供し、より豊かな社会の実現を目指す会社です。
8. STRAYM ART AND CULTURE(ストレイム アート アンド カルチャー)
STRAYM ART AND CULTURE(ストレイム アート アンド カルチャー)は、JULIAN OPIE(ジュリアン・オピー)やKAWS、KYNEなど、国内外で人気な現代アーティストの作品や、NFT作品を一口100円から購入でき、オーナーになれるという、アート・NFT分散型プラットフォーム「STRAYM(ストレイム)」を運営しています。
また、2022年10月には、アート作品の分散型保有権のNFT化や、暗号通貨のイーサリアム(ETH)による決済機能を導入するなど、機能の大幅なアップデートが行われています。
9. The Chain Museum
The Chain Museumは、鑑賞者がアート作品の感想を表明・シェアしたり、アーティストと直接つながり、支援できるプラットフォーム「ArtSticker(アートスティッカー)」を運営しています。
その他にも、アーティストに制作活動の場を提供する「アーティスト・イン・レジデンス プログラム」や、ホテルやオフィス、商業施設などへのアーティスト・アート作品のキュレーション、空間コーディネートなども行っています。
ArtStickerは、展示会情報を一覧でみることや、展示会のチケットを購入すること、アート作品を購入すること、アーティストを支援すること、感想をシェアすることなど、様々な場面で活用することができるプラットフォームです。これまで、多くの芸術祭や美術館などのチケット販売や作品販売などに活用されています。
10. TRiCERA(トライセラ)
TRiCERA(トライセラ)は、アートとアーティストの前にそびえる壁を壊すことを目的に、言葉や距離の壁を取り払い、世界各地で創造される作品を全世界へと届ける仕組みをつくり上げ、世界のアートをひとつにする。「創造力に国境はない。」をミッションに、世界のアーティストのアート作品を販売する、グローバルアートマーケットプレイス「TRiCERA ART(トライセラアート)」を運営しています。
TRiCERA ARTでは世界126カ国以上の 絵画・写真・彫刻などのアート作品約77,000点を取り扱っており、 全世界の若手アーティストの新作が続々と登場しています。
また、TRiCERAの活動は、内閣府が事務局を務める「クールジャパン・マッチングアワード2021」において奨励賞を受賞するなど、日本のアート業界を支える必要不可欠なサービスとなっています。
11. WALL SHARE(ウォール シェア)
WALL SHARE(ウォール シェア)は、企業広告やまちづくりなどの観点から空き壁を有効活用し、100人以上の若手から国内外で活躍する世界的アーティストと連携してウォールアートの制作、プロディースを行っています。
具体的な事例として、淀川区役所のサポートのもと『淀川ウォールアートプロジェクト』を企画し"医療従事者への敬意"をテーマにナイチンゲールの肖像画を手がけたり、淀川区に壁画を増やしていくプロジェクト"淀壁"を発足したりしています。
2023年2月には、これまで製作してきたウォールアートが100を突破したそうです。
以上、最近個人的に注目している国内のアート関連の事業を行っているスタートアップ企業11社でした。
最近は、Instagramでは現代アートについて、Twitterでは現代アーティストにおけるNFTをからめた取り組みなどの情報を発信しています。
どちらともすごく自己で動かしているので無理なく楽しみながら運用しているのですが、何か発展させられないかなーと最近考えているのですが特に良いアイデアが思い付いていないので、何か面白そうな発展方法や役に立てそうなことなどあれば教えてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
Twitter:https://twitter.com/hideya_1
Instagram:https://www.instagram.com/hideya_art/
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?