【お悩み相談】ヒマすぎて仕方ないんです。

Q 学生です。毎日とにかくヒマでヒマで仕方ありません。ヒマだから何かをしたいのですが、何からしていいか分かりません。毎日ダラダラとおもしろ動画を見たり、ネットニュースを読んだりして終わっています。本を読んでみたいけど、おもしろい本がどれかも分からないです。だからヒマです。

A まず、本がおもしろいという期待を持つのはやめた方がいいです。期待するから腹が立つわけで、本は人生というゲームのマニュアルであり攻略本だと考えてみてください。攻略本があった方がダンジョンとかも早く抜けれるわけです。本の中でおもしろいのは小説だけです。それ以外の本はほとんどつまんないです。ゲームのマニュアルであり攻略本って、おもしろくないよね。だけど、ダンジョンとかも早く抜けるためには必要な知識が詰まっています。

おもしろ動画やネットニュースを見てても情報を吸収していることになるかもだけど、「薄い」のと「遠い」情報って深く体に染み込んでこないんだよね。浅いお風呂に入ってても冷えるばかりなのと同じで、どっぷり浸からないと分からないことはたくさんあります。だから、おもしろ動画を見るなら6秒の動画がまとめられたようなヤツじゃなくて、120分のコメディ映画を見てみる。ネットニュースを読むなら芸能人の話とか遠すぎる外国の話じゃなくて、自宅の近くとか自分の大学に関係がある人のものに絞ってみる。遠くのことを考えるなとは言わないけど、遠すぎる話題に喜怒哀楽を使っていても、仕方ないんだよね。森を木々の集合として認識できるのは、木のことを知っているからです。いきなり森だけ見ても、なんかぼんやりした緑色としか分からないよね。

俺が本を読むことをオススメする理由は、他人の人生をコンパクトに疑似体験できるからです。自分の人生だといまの一瞬しかないけれど、本を読めばたくさんの人の人生を、それこそ生きているところから死ぬところまで、ぜんぶ疑似体験できます。もし活字を読むのがどうにもイヤだったら「マンガでわかる」みたいなのもあるじゃないですか。日本のマンガで読めるシリーズの充実度はすごいですよ。

お金がないなら古本屋や図書館があるし、電子書籍でもなんでもいいです。とにかく本を読んでみましょう。伝記とかビジネス書みたいなのがオススメで、とくに失敗談がよいです。成功談だとどこか縁遠く感じてしまうかもだけど、失敗談は読みやすいし、自分が同じような局面に面した時にとても約に立ちます。ネットの本屋だと情報にアプローチするまでにムダな時間がかかる場合が多いんで、本屋さんへ足を運んで、目に付く本の表紙・目次・はじめに、のところを読んでみましょう。そこで興味が沸かない本は、たぶん最後まで読んでも入ってこないです。

ひとつの本を読んだら、その本に載っている主張とは反対の本を読んでみることをオススメします。たとえば「○○反対!」という本を読んだら、次は「○○賛成!」の本を読んでみて、さらにインターネットなどでそれぞれの情報の真偽を確認してみるとよいです。本を読まずに、最初からインターネットの情報だけに頼るのは、みんながやっているので差別化できず、薄い知識になりがちです。

そしてこれが大事なんだけど、なにか本を読んだら、その「現場」にいって「人」と会うことです。「現場」には「空気」と「人」があります。相反する意見の「本」を読み、「インターネット」で裏取り&下調べをして、「現場」に行って「空気」を感じて「人」に会い、「話す」。これをすることで、ヒマな時間がなくなるほどおもしろく生きる「仲間」ができてきます。


※これは2016年に書いた「人生に主導権を取り戻す90分の授業」(三才ブックス)を2020年版にリミックスしたものです。

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