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「エッセイ(雑記?)」路線バスでの葛藤

こ、こんな時はどうすればいい……?
思いも寄らぬところで、大いに葛藤させられました。

☆ ☆ ☆ ☆

私の職場は、最寄りの駅から路線バスで10分~15分程度のところにあります。
歩けば30分程度……。
往復するわけで、30分×2回はいい運動になる……。
ということで、好きな音楽を聴きながらウオーキングしています。

しかし、雨の日はそうもいかず、しかたなくバスを利用します。

一日雨模様だった先日の出来事……。

仕事が終わり、やれやれ、とバスに乗り込むと、意外と空いていました。
電車であれば15分やそこらの間は立っているんです。
でも、バスは揺れが大きいし、いつどこでとまったり動いたりするか予測もつきにくい。
なので、その日は座ることにしました。

バスは少し混雑する道路を進み、四つ目の停留所で、お客さんが多めに乗り込んできました。
席は埋まり、けっこう立つ人が出始めます。
その中に、高齢の男性が……。

席を譲ろう、と腰を浮かしかけましたが、次に目に入ってきた光景に、思わず動きを止めざるを得ませんでした。
おそらくその男性と同じくらいの年齢の女性が、後ろから乗り込んできたではありませんか!!

ど、どうしよう……?

ほんの数秒のうちに、頭の中を様々な考えが浮かんでは消えていきます。

――「どちらかの方、どうぞ」と2人に向かって声をかけるか?

――誰か座っている人に、一緒に譲りませんか、と声をかけるか?

――黙って席を立ち、あとは流れに任せるか?

――寝たふりをしてやりすごすか?

そもそも、まわりの乗客達は、この状況に気づいていないのだろうか? 
そう思い、それとなく見まわしてみますが、みな表情を変えることもない……。

結局、2人に話し合いを求めるのも、誰かに声をかけるのも、寝たふりをするのも、それぞれ気がひけてしまってできず、黙って席を立ちました。
目的の停留所まではあと5~6分程度……不自然にならないように場所を移動し、極力振り向かないようにしながら。

降りる際にチラリと見たのですが、どうやら男性の方が席に座っていたようです。

ホッと一息つくと、あれで良かったんだ、と自分を納得させ帰路につきました。

……皆さんなら、こんな時どうしますか?


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