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Werewolf Cop ~人狼の雄叫び~  第10話

↓前話はこちらです。

↓初見の方は第1話よりどうぞ。





○ 20 

 佐野と話をした後、池上は大森に連絡し、情報の裏をとるよう調整を依頼した。おそらく真実だろう。だが、ことが大きすぎる。進め方には気をつけなければならない。

 そして、しばらく休憩がてら時間を潰し、夜になってから南足柄市内の総合病院に向かう。

 そこには、先日の殺人事件で唯一生き残り、人狼を目撃したと思われる少女が入院していた。可能なら、本人から話を聞きたい。

 情報によると、今日の朝からこちらの病院に移されたらしい。それまでは警察の保護が厚い警察病院に入れらていた。症状が多少は良くなったのかも知れない。

 ただ、危険性も感じられた。ここは沢の北峠から近い。池上がこれまでの事態を見直したところで気になることがある。人狼のような怪物が関わった事件のうち、一般市民で日の出製薬に関係がないと思われる者が殺害された事件は、三件。どれもこの沢の北峠近辺で起きている。

 何かの法則があるのかわからないが、無差別と思える殺害はこの近辺で起こっているのだ。それが単なる憶測でないとしたら、今朝からこの地に戻ってきた目撃者の少女は、殺し損ねた相手として襲われる可能性があるのではないか?

 想像に過ぎないが、池上にとって無視できない懸念になっている。なので、早いうちに目撃者の少女に会い、話を聞いておくとともに襲撃から守りたい。

 警護の警官もいるだろうが、これまでより手薄なのは想像に難くない。

 相手は怪物であり、池上がいたところで何ができるかわからない。しかし、最初の襲撃を躱せば、もっと堅牢な警備体制が敷かれる筈だ。それを目指すしかない。

 病院の駐車場に車を停めたときには、既に夜の帳が降りていた。

 辺りを山々に囲まれた場所にある総合病院だ。比較的新しく建てられたらしく、洒落た造りになっていた。エントランスからロビーまで外から見通せるガラス張りで、そこは吹き抜けにもなっている。昼間は陽差しが入り込み明るいのだろう。夜である今も、月明かりと星々の瞬きが美しく見える。




 池上は足を踏み入れるとロビーに立ち止まり、いったん空を見上げた。

 面会時間締めきり間際になっていた。ロビーに人はほとんどいない。医療関係者もチラホラ行き来するのみで、広いが故に寂しさを感じさせる。照明もだいぶ落とし気味にしてあった。

 さて、どうやって少女に会うか……?

 見張りの警官はついているだろうが、池上が身分を明かせば従うはずだ。だがそれだと、彼らから報告が上に行く。何のために公安が? と訝しく思われるだろう。

 日の出製薬の不正を隠蔽して企業を守ろうとする勢力が、人狼のことに気づいて少女の事件との関連性も疑うようになっているかもしれない。そこに、池上が面会などに行った場合、どう考えるか?

 まあいい、誤魔化し方はいろいろあるさ……。

 意を決して病室へ向かおうと思ったところで、1人の女性看護師が前を横切っていった。

 ん……?

 ふと、妙な感覚がよぎる。

 あの女は、どこかで会ったことがある……。

 まさか?!

 思い当たるのは、エリカと名乗ったという暗殺者だ。

 かなり雰囲気を変えているし、髪型も、あるいは姿勢まで多少猫背気味にして別人になりきっているが、公安捜査官として人を見る訓練をしてきた池上にはわかった。

 なにをしている? まさか、アイツも目撃者の少女に?

 特に何も手にしていないが、肩からポーチをかけていた。白く、医療用の器具や何かデータを保存した機器を持ち運んでいるように見えるが、銃も充分しまうことができる。

 また立ち止まり、思案する池上。ここで事を荒立てるのは得策ではない。

 どうするか……?

 考えを巡らせながら、視線を外へ向ける。

 息を呑んだ。

 ちょ、ちょっと待てよ……!

 まさか、こんなに早くこの局面を迎えようとは思わなかった。

 山々に囲まれその上に月が輝く光景がきれいに見える、ガラス壁の向こう。ガッチリとした体格の制服警察官が、まるで兵隊かロボットのような規則正しい歩き方でこちらに向かってきていた。



○ 21

 エリカの目指す病室の前には、2人の警察官が立っていた。 

 「就寝前の体調チェックです」

 軽く頭を下げそう告げると、警官達は特に疑いもせず頷く。

 扉を開け中に入る。少女はベットに横たわっていた。確か名前は「瀬山利里亜りりあ」だそうだ。眠ってはいないようだが、気力が何も感じられない状態で、ピクリとも動かない。

 エリカはサッと室内を確認した。奥に嵌め殺しの窓。だが、簡単に割ることはできそうだ。万が一の場合、そこから逃げることは可能だ。2階だが、このくらいの高さならエリカであれば難なく飛び降りられた。

 先ほど、あの公安捜査官らしき男を見かけた。たぶんこちらにも気づいている筈だ。ただ、病院で荒っぽいことはしないだろう。

 いずれにしろ、長居をするつもりはない。

 「ごめんね、利里亜ちゃん。ちょっと話をしたいんだ。恐いことはないわ。何かあったら、私が守ってあげるから」

 そう言いながら、エリカはポーチから銃を取り出して見せた。

 利里亜の目が大きく見開かれた。力ない動きだが、身体を起こす。

 「あなたは……?」

 かすれたような声で利里亜が訊いてくる。

 「わかりやすく言えば、殺し屋よ」

 「え?」と息を呑む利里亜。

 「あなたは殺さない。あなたの仲間――って言ってもあんまりいい仲間じゃないみたいだけどね。それを殺したヤツについて話が聞きたいの。それはもしかしたら、私の敵になるかもしれないから」

 「敵……?」

 虚ろな表情だ。薬物ドラッグをやっていたらしいので、まだその後遺症があるのかも知れない。

 「そう。簡単に訊くけど、そいつは、人間じゃなかったんでしょう?」

 銃をしまいながらエリカがそう言うと、利里亜の表情がみるみる強ばっていく。身体は震えだした。




 エリカは彼女の肩をそっと抱く。

 「私もちょっとだけ見たことがあるの。毛むくじゃらで、赤い目をして、鋭い爪と牙を持っていた」

 「人狼……」

 震える声で囁くように、利里亜が言った。

 「人狼……。なるほど。思い出してみると、あのカードゲームの絵柄に似ているかもね。じゃあ、これから人狼、って呼びましょう。その人狼は、なんであなた達を狙ったの?」

 「悪いことをしていたから……」

 利里亜は顔面蒼白となっていた。震えは止まらない。

 「悪いこと?」

 「そう。お巡りさんの人狼だから、悪いことをする人を、殺すんだと思う。だから私のこともまた殺しに来る。お姉さんも、殺し屋なら、狙われるよ」

 幼い口調になっていた。元々発達に障害があるのだろうか。あるいは、常軌を逸した経験をして一時的に退行しているのか? 

 「利里亜ちゃん、あなたは確かに悪いことをした。でも、殺されるほどじゃないわ。だから別のお巡りさんが守っているでしょう? 悪いことをしたという以外に、あなたたちが狙われたのに何か心当たりはない?」

 「わからない」何度も首を振る利里亜。「だって、悪いことしたんだもん。悪いから、殺されるんだ、って思ってた。きっとそうだよ……」

 ふう、と溜息をつくエリカ。やはり、たいしたことはわからない。とりあえず、利里亜が目の当たりにした殺戮が、あの怪物――人狼の仕業だったことが確認できた。それで今日のところは良しとするか……?

 その時、ドアの向こうが騒がしくなった。

 「なんですか?」とさっきの警官の声がする。

 「神奈川県警の田中だ。偽の警官がこっちに向かってる。絶対に通すな!」

 あの公安捜査官らしい男の声がした。

 偽の警官? まさか……!

 エリカは臨戦態勢をとった。



○ 22

 警察手帳は提示したが、偽名を使った。慌ただしく行ったため、警官2人は疑っていない。

 池上は後方を指さし、警官達に「ここは俺が見ている。行けっ!」と声をかけた。

 池上の勢いに呑まれ、彼らは慌てて駆けていく。

 ドアを開くと、奥のベットから少女が立ち上がり、靴を履いているところだった。隣に立つのは、あの女暗殺者――エリカと名乗ったという女だ。ナース姿だが、間違いない。今はしっかりとした姿勢で立っている。隙がなく、どのような行動にも移ることができる完璧な自然体だ。

 目が合うと不敵にもウインクしてきた。

 「また会いましたね、名無しの公安捜査官さん」

 「おまえが、エリカと呼ばれる暗殺者か?」

 彼女は肩を竦めると「さあ、どうかしら?」と笑う。だが、すぐに真剣な表情になり池上の後方に視線を向けた。

 池上も振り返る。

 何か叫び声が聞こえてきたかと思うと、銃声も何度も響いた。見張りの警察官達と、人狼警察官とが争っているようだ。

 悲鳴もあった。異変に気づいた病院関係者や入院患者達だろう。

 「今は緊急事態だ。一緒に来い」

 池上が顎で外へ出るよう促すと、エリカは頷いた。そして、利里亜を引っ張るようにしてドアに向かう。

 フロアに出て、騒然となっている談話室とは逆方向に走った。先頭にエリカ。彼女に手を引かれて利里亜、そして後方で守るように池上。

 とはいえ、池上は銃を携帯していない。何か武器の代わりになる物はないか、と辺りを探りながら走るが、見当たらない。

 「何事ですか?!」

 後ろから咎める声が聞こえてきた。本物のナースだ。

 池上はそちらに向けて怒鳴り声を返す。

 「銃を持った危険人物が乗り込んできた。そいつは警官の姿をしている。すぐに警察を呼べ。急いで来させるんだ!」

 ナースは血相を変えてステーションへ駆け込んでいった。




 この2階は吹き抜けにそってフロアが丸くなり、中央から一階ロビーを見下ろすようになっていた。階段へはもう少し走らなければならない。

 後ろを振り返る池上。

 あの人狼警察官がさっきの病室に入り込み、誰もいないことを確認したらしくすぐに出てくる。

 顔の部分は例によって黒い霞がかかったようだった。目のあたりが赤く輝く。それが今、こちらを向いた。

 人狼警察官が走り出した。人間を遙かに凌駕する早さだ。

 エリカが止まった。そして先に行くよう利里亜を押し出し、池上には、進んでと顎で示す。

 何をするのか見ていると、ポーチから銃を取り出した。

 S&W M29――44マグナム弾を装填する大型の銃だ。人を撃つには強力すぎると言われ、大型の獣が相手でも有効だ。

 こいつ、そんな銃を……。

 スリムな女性だが、引き締まった身体で見事な射撃姿勢をとっている。両手で構え、人狼警察官に銃口を向けた。

 「早く行って」

 エリカが鋭い口調で言う。

 池上は言われるまま、利里亜を引っ張って先に進んだ。彼女は顔面蒼白となっている。感情がどこかに飛んでしまっているようだが、泣き叫んで動かなくなるより、今はましだ。

 後方で大きな銃声――エリカが発砲した。

 池上は素早く後ろを確認する。

 人狼警察官の身体が後方に吹っ飛んだ。さすがマグナム。威力は絶大だ。

 「やったのか?」

 池上が訊く。

 「油断はできないわ」

 鋭く応えるエリカ。




 固唾を呑みながら見ていると、ゆっくりと人狼警察官が立ち上がる。ダメージはあるようだが、致命傷にはなっていない。少しヨロヨロとしていたが、回復したのかまた走り出す。

 「やっぱりダメか……」エリカが溜息をつく。「でも、多少は動きを止められそうね」

 そう言いながら、エリカはまた銃を構える。そして、躊躇うことなく発砲した。今度は2発。

 人狼警察官の右肩、そして胸に命中し、その身体を再度後方に飛ばす。見事な射撃の腕だ。とても若い女性とは思えない。

 今度こそやったか……?

 池上は息を呑み様子を見る。人狼警察官は倒れたまま動かない。

 「今のうちに行きましょう」

 エリカは銃をしまい、走り出した。池上も利里亜を促し先へ急ぐ。

 ようやく階段まで来ると、そこには見張りの制服警官2人が蹲っていた。足と肩を撃たれている。申し訳ないが、手当てをしてやる余裕はない。

 1階のロビーでは、病院関係者が数名出てきて様子を窺っていた。

 院内放送で、入院患者は室外へ出ないようにと指示を流している。警察に通報済みなので、慌てて動かないように、とも言っていた。アナウンスしている者も緊張しているらしく、時折言葉を詰まらせたりしている。

 マグナムで仕留められたのかもしれないが、確認してはいない。これまでのことを考えると不安が残る。

 「来るよ。まだ来るよ。殺される……。殺されるんだ……」

 利里亜が震える声で言いながら、その場に蹲った。

 「しっかりしろ。大丈夫だ。もうすぐたくさんの警察官が来る」

 池上が引っ張って立たせた。力なくもたれかかってくる利里亜。



 どこへ向かえばいい? 

 視線を巡らせながら思案する。

 エリカも同じようにしていたが、急にハッとなり2階を見上げた。

 つられて顔を上げる池上。

 「な、なんだと?!」

 思わず叫んでいた。

 人狼警察官が、2階から飛び降りてくる。

 ズンッと鈍い音を響かせて、一階ロビーに降り立つ人狼警察官。建物が揺れたように感じたのは気のせいか?

 そして素早く右腕を掲げる。その先が鋭く光る。爪だ。顔のまわりからは黒い霞のようなものはなくなった。なのではっきりと見える。銀色の毛に被われ異様に突き出た口、そこからのぞく牙……。

 グルルルゥ……。

 低く響く、まさに獣の唸り声。

 くっ! と呻いてポーチに手をやるエリカ。銃を取り出すつもりだ。

 だがそれより早く、人狼の右腕が振りまわされた。

 咄嗟に避けようとするエリカだが、ポーチが強い力で払われ、その勢いで彼女も蹌踉ける。何とか前に回転してサッと立ち上がった。

 人狼はその鋭い爪を燦めかせ彼女を追撃する。

 少し掠っただけでも、人間の皮膚など簡単に切り裂かれてしまうだろう。

 次々繰り出される爪の攻撃を、エリカは身を翻して避け続けた。そしてあろう事か、隙をついて飛び上がり、後ろ回し蹴りを人狼の胸にたたき込む。

 なんて女だ!

 それはプロの格闘家を凌駕するほどの動きだった。見事な蹴り。おそらく人であればそれだけでかなりのダメージを与える。腹部や顔面にヒットしていたら、ヘビー級の男でも一発でKO可能だ。

 しかし、人狼はビクともしなかった。

 マグナムでも死なないくらいなので当然だろう。

 とはいえエリカもそれは想定内のようだ。飛び後ろ回し蹴りは人狼を倒すためではなく、ヤツの身体を蹴ることで自ら跳ね上がり、距離をとるのが目的だったらしい。

 蹴りの反動で前へ大きく飛んだエリカは、前方回転しながらフロアを転がり、人狼の攻撃が届かない場所まで離れてから立った。

 ものすごい身体能力だ。裏の噂通り、格闘術もそうとうのものだろう。




 人狼はエリカから利里亜に視線を移した。池上は咄嗟に彼女の前に立ち、人狼を睨み据える。視線がその紅く輝く目と一瞬ぶつかった。

 そこでふと、人狼が妙な動きをした。

 戸惑っている?

 人狼は池上から距離をとるように後退る。微かに首を傾げているようにも思えた。

 なんだ? 何を考えている?

 怪訝に感じたが、この隙を利用すべきと判断し、池上は利里亜を引っ張って人狼から離れていく。

 向こう側では、エリカが銃を構えて人狼に向けた。

 パトカーのサイレンが近づいてくるのがわかった。そして突然、病院の非常警報が鳴り響く。これは消防署へも直通のはずだ。

 人狼は一旦院内に視線を巡らせると、サッと走り出した。正面玄関から外へ向かう。

 エリカの銃口がずっとその後を追いかけていたが、発砲はしなかった。

 池上も視線を向け続ける。

 外へ出た人狼は、途中で四足走行に変えた。警官の制服がはち切れそうなほどに筋肉が膨らんでいる。その走る姿は、まさに狼そのものだ。そして、闇の中へとものすごい速さで消えていった。

 ふうっ、と息をつく池上。

 エリカが近づいてきた。銃はもうしまってある。彼女は利里亜の肩をそっと叩く。

 「これで、あなたの護衛は強化される。しばらくどこにも行けなくて退屈でしょうけど、その間に薬を身体から出し切ることね。悪いことをしたら殺されるんでしょ? だったら良い子になってね」

 そう言い残し、離れていく。エントランスではなく、裏手に向かっていた。関係者の通用口でがある。そちらから出ていくつもりだ。

 「待て」

 池上は利里亜を引っ張りながら後を追う。そして、病院関係者が通りかかったので彼女を委ね、エリカに続いて通用口を進んだ。外へ出たところで彼女の前にまわり込む。

 「なぜここに現れた?」

質問をぶつける。池上が立ち止まるとエリカも足を止めた。




 「あの子に話を聞きに来たの。たいしたことは話せなかったけど」

 「なぜ、瀬山利里亜が人狼事件の目撃者だと知った?」

 「私には私の情報網があるわ。公安の方々にも負けないかもよ? 裏の情報網」

 クソッと舌打ちする。裏社会には確かに警察以上のネットワークがある。エリカほどの暗殺者なら、池上が掴んでいることくらいたどり着くかもしれない。

 表玄関側にパトカーが何台も乗り込んできたのが、音でわかった。

 「悪いけど今はお喋りしているヒマはないわ。あなたもそうでしょ? 公安捜査官が刑事に事情聴取を受けるなんて、お笑いじゃない?」

 「俺は公安だとは言ってないぞ」

 「違うの?」

 小首を傾げてのぞき込んでくるエリカ。月の光を受けて微笑むその横顔は、息を呑むほどに美しい。だが、瞳の奥にある冷徹さも充分感じられた。

 肩を竦めると、池上は溜息をつく。

 「どうとでも思えばいい。それよりも、話がしたい。あの人狼や、日の出製薬についてじっくりと」

 「たぶん、またどこかで鉢合わせするでしょう?」

 再び歩き出すエリカ。池上の横をすり抜け、病院裏の職員用駐車場に向かう。バイクだろう。

 「なあ、おまえはエリカという名の暗殺者なんだろう?」

 彼女は応えない。背中を向けながら、右手を振った。

 「歴史上でも初めてだろう。狼男に飛び後ろ回し蹴りローリングソバットを食らわせた女は。快挙だ。ますます裏で名が売れるな」

 チラッとだけ振り返るエリカ。

 「つまらないこと言ってると、今度はあなたにお見舞いするわよ」

 エリカの姿が見えなくなってすぐ、バイクのエンジン音が闇夜に響き渡った。

 俺もさっさと消えないとな……。

 池上も足早に表の駐車場に向かった。


○ 第11話に↓続く。


 


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