未知なる可能性を引き出す力

名言からLeadershipについて考えるシリーズ - 5 -

A conductor does not make a sound. He depends for his power on his ability to make other people powerful. As a leader your job is to awaken possibility in other people.

Ben Zander

指揮者は音を出さない。他の人をパワフルにする能力こそが指揮者の力である。リーダーとしてのあなたの仕事は、他の人の可能性を引き出すことだ。

ベン・ザンダー

私の解釈と考えたこと

教育心理学で扱われる心理行動のひとつに「ピグマリオン効果」と呼ばれるものがあります。これは、教育心理学者のR.ローゼンタールが行った実験で確かめられた効果です。

研究はサンフランシスコの小学校で行われました。ローゼンタールは学級担任に「今後数ヶ月の間に成績が伸びる生徒を割り出すための検査」と説明した上で、普通の知能テストを行いました。実験者は、学級担任に対して知能テストの結果とは全く無関係に生徒をピックアップして「これが今後数ヶ月で成績が伸びる生徒だ」と説明しました。すると、数ヶ月後には本当にピックアップされた生徒の成績が伸びたというのです。成績に関係なく無作為に生徒をピックアップしたというのにです。

これは、教師の期待によって「不思議な効果」が発生しているわけではなく、教師が生徒の事を重要であると信じ、すぐに結果につながらなくても諦めず丁寧に指導したことにより、成績が伸びたと考えられています。もちろん教師は将来性があると言われた生徒をえこひいきする気持ちもなかったでしょうし、普段からどの生徒にでも丁寧な指導を志していたと思います。

ピグマリオン効果が起こる仕組みは心からの信頼と期待だと考えられているというわけです。私がこの実験から言えると考えることは、心から信じ期待を持つことができれば「丁寧な指導を心がける」といったような心構えを持つことよりも、ずっと役に立つということです。

また、ピグマリオン効果とは逆に、教師が生徒を無能だと考えると実際に成績が下がるという「ゴーレム効果」というものも知られています。リーダーがメンバーに不信感を持ち、無能だと信じているのならば、リーダー自体がメンバーのパフォーマンスを下げているということです。リーダーがマイナスの仕事をしてはいけませんよね。

人の強みよりも弱みに目の行く者をマネジメントの地位に就けてはならない

ドラッカー『マネジメント』より

チームの可能性を引き出すリーダーになるためには?

  • チームが優秀である、無尽蔵の可能性を持っていることをを心から信じる

  • チームに素晴らしい仕事を期待する

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