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即興2人芝居WS 初級コース 20230513


◆内容◆
60分間の即興2人芝居を行なうためのワークショップ
初級コース

◆参加者◆
男性2
女性1
合計3名

◆内容◆
 ●アイデアを半歩ずつ出すエクササイズ
 ●10分間のシーン (サイドコーチ有りver. / 無しver.)


以下振り返り

●アイデアを半歩ずつ出す●
前回のWS時にアイデアを半歩ずつ出す事の重要さに気づき、noteに書き記した。それを読んでくれた本日の受講者からの「note読んでもよく意味がわからんかったです」という声に応える形でその能力を磨こうという流れになった。
ぼく自身は実践可能なものの、その感覚や方法を他人に伝えるのは初めての体験。その為、手探りでワークを行なう事になった。が、受講者の反応を見ると効果的であったようで胸を撫で下ろしている。ある受講者が「すべてのインプロバイザーに必要なエクササイズ」と絶賛していた。
物語において、新しい情報は20秒に1つ程度で十分と認識できるエクササイズだ。ぼくはこのエクササイズに "20seconds (トゥエンティセカンズ)" というバチクソにダサい名前を付けた。受講者がフィードバックの際に「トゥエンティセカンズの時に…」と話し始めた時に「え、え?? とぅ、とぅ、とぅえんてぃせかんず…??え、なにそれ?」と梯子を外して楽しむ遊びが誕生した。

●掘り下げる●
出てきたアイデア等を掘り下げる時、掘り下げ方は無限にある。
指標としては「観客の琴線に触れたかどうか」。
例えば、ある1つのキーホルダー。
これの入手経路を掘り下げる事になった際、
「拾った」と「昔、縁日で祖母にゴネて買ってもらった」では後者の方が観客の心に残りやすい。
「掘り下げる」の対義語としては、「次へ次へ」行ったりとか、「プロンプ的」と表現する受講者もいる。
掘り下げなければ観客の心には何も残せない。

●本日のポイント1 / 初手から●
物語は最初のアクティビティやセリフから既に始まっている。
相手からの「おはよう」というセリフに対し、「おはよう」と返す。これは何も間違いではない。自然さすらある。
しかし一瞬一瞬が物語を創作するチャンスだと捉えると、相手からの「おはよう」に対しての返事も無限に選択肢がある事がわかり、例えば「昨日はよく眠れた?」と返す事もできる。この返しの場合、
 ・相手役が昨夜自分の家に泊まりにきた
 ・今日が何かのイベントの本番
 ・昨夜大きめの地震が起きた
などといった可能性が生まれる。
が、これは難易度としては高いと思うので初級コースで伝える事ではなかったかもしれないと少し反省。ごめん。

●本日のポイント2 / リアクション●
「リアクション」と「POV」という言葉を分けて使った方がいいのかもしれないとここ最近感じている。
「POV」という言葉より「リアクション」の方が受講者にとってしっくり来る場合が時と場合に依ってある。
ここでは「リアクション」の話。
リアクションを取る時、言語は先に出ない。まず筋肉や感情が先に動く。
これを差し置いて言語が先に出てしまうと、観客は一瞬でそれが嘘だと気付く。日常生活では自然にそうなのに舞台上ではそれができなくなる不思議さ。

●本日のポイント3 / 対立とテーマ●
本日のWS参加者は全員がすでに中級コースへの進級が確定していたので、少し専門的な話に移った。
「対立 / 葛藤」と「テーマ」について。
物語において「対立 / 葛藤」は必須。
冒頭でセットアップを終えた後、この対立が開始する。
そして対立を通して物語のテーマが顕れてくる。

●まとめ●
今日は非常に興味深いシーンが多く生まれ、楽しみながら学ばせてもらった。毎回、ぼくにとってもワークショップで学びがある。これは本当にありがたい事である。
師・今井純氏の著書『キース・ジョンストンのインプロ』を最近読み直している。
「もっとうまくやろうとしないほうがいいと、私は思います。自分がどういう状態になっているのかを知れば、自然にうまくなっていくと思います」
という言葉が非常に印象的であった。
確かに「今あなたの現状はこうなってますよ」と伝えただけなのに、各参加者が自発的に自身の壁や障害を乗り越えようとしているように思える。キースすごい。

●まとめ2●
ぼくは自分の事を、口が裂けても "演技コーチ" や "インプロコーチ" などとは言えない。それは自分はいちプレーヤーだという想いが強いからだし、そもそもおこがましい。
ぼく自身が、お客様と2人で行なう即興芝居『why me?』をより良いものにしようと今なお試行錯誤を繰り返している。正直、わからない事だらけだ。
それでも仮説と検証を繰り返し、これまでの自身の学びと照らし合わせながら「多分こうやったらおもろくなる」と現時点での正解の形を更新し続けているだけだ。
それゆえにWSの形は常に手探りだし、良いやり方が見つかれば古い方は捨て去られていく。が、それはもうそれとしてご理解いただければ幸いである。

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