【即興芝居】 "CORE" の "O"
即興芝居を演じる上で、序盤で大切なのは "CORE" であると述べました。
今回は "CORE" の "O" についてお話しをしたいと思います。
「O」とは、objective (目的) のことを指します。
前回お話しした "Character" が持っている目的のことです。
役柄に目的を持たせる事は、
即興であろうが台本であろうが同じ事です。
役をもらった俳優が最初にしなければならない事といって
差し支えありません。
幾人ものハリウッドスターに演技を教えたイヴァナ・チャバックは
著書『THE POWER OF THE ACTORE』(白水社)の中で
「全体の目的はシンプルでベーシック、かつアクティブなものであるべき」
と述べています。
演劇でも映画でも、登場する人物(役)は例外なく
何らかの目的を持っています。
それぞれの役はその目的を達成する為に存在します。
役に目的を持たせる事で、
その物語の旅路がはっきりします。
主人公がその目的を達成できた場合はハッピーエンド、
達成できなかった場合はバッドエンドとなるわけです。
桃太郎を例に考えてみたいと思います。
桃太郎の目的は「平和に過ごすこと」だと仮定します。
(異論認めます)
その場合、障害となるのは鬼の存在です。
桃太郎は「平和に過ごす」という目的を達成する為に
鬼ヶ島へ鬼退治に向かいます。
もしこの目的が設定されていなかった場合、
桃太郎の物語はどこがゴールかわからなくなります。
黍団子を持って旅をする理由が無くなってしまうのです。
そうなると、
観客 (物語の読み手) も何を楽しめばいいのかが
わからなくなってしまいます。
"CORE" の中に優先順位がもしあるとすれば
このObjectiveは上位1〜2位を争うほど
大切だとぼくは思います。
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