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即興芝居WS 20220623

【本日の内容】
◆演者2名で1時間の即興芝居を行なう為のワークショップ初級編season2
◆回数(全15回):11/15回目
◆参加者:♂1 ♀3 計4名


●「サイドコーチ」なるポジションがある。舞台上で演じている役者に対して「◯◯を△△して」などと指示する役割、いわゆる演出家である。サイドコーチをやる事で、どうすれば興味深い物語を創る事ができるかに気づいてほしいという狙いだ。しかしこのサイドコーチも慣れるまでは難しい。なんせ、舞台上ではどんどん話しが進んでいくのだ。「どうすればいいんだろう…」と悩んでいては遅い。そこで今日は初めての試みとして、「サイド・サイドコーチ」を導入。サイドコーチの隣にぼくが座り、サイドコーチのコーチを役割をするわけだ。「なんか違和感あるし物語も興味深くないけど、どうすればいいかが判らない」という状況に陥ったサイドコーチが、隣にいる長澤に「ストップ」という事で、ではどうすれば改善できるかというのを一緒に考えられるシステムである。これが非常に好評であった。

●自分が出したアイデアだろうが他人が出したアイデアだろうがすべて有効活用する。有効活用できる能力はわりと誰にでも備わっていてじゃあどこで差がつくのかというと、出てきたアイデアにちゃんと気づいているかどうか。相手役が何気なく発した一言や、自分が意図せず行なったアクションにヒントがある。観客は当然それに気づいている。気づいてないのは演者側だけだったりする。「次どうしよう」「次何しよう」と焦っているから気づけない。演者のジレンマ。
相手役から放たれた衝撃的な一言にノーリアクションだと観客はガッカリする。

●CORE (※前記事参照)
のうち Objectives(目的) を持ちながら演じるととても楽
何をすればいいか自分で把握できるから。
観客もどのポイントを観ればいいか解るから親切。

●2人のキャラが登場する場合、その2名の間に歴史が無いとなかなか葛藤が生まれない。初対面の人同士では相手の存在が失われてもノーリスク

●人間が会話をする理由は主に2つ。
 ・情報の交換
 ・共感を求める

情報のやり取りだけに終始しては観客は退屈する。
感情が動くやりとりをするとそれだけで面白い時もある。
まずはPOVが大事(後述)。

●全てを掘り下げる感覚大事。
掘り下げるのはCOREを創造するため

●「予想のサークル」という概念がある。
とある言葉等が出た時、そこから連想できる範囲を指す。
例えば「りんご」という言葉が出た時、大きく下記の3つに分類できる。
 1.「りんご」から連想しやすいもの (例:種、実、パイなど)=サークル内
 2.「りんご」から連想しにくいもの(例:織田信長、トリプルアクセル、鍾乳洞など)=サークル外
 3. 簡単には出てこないけれど言われてみれば「あぁなるほど」となるもの(例:ニュートン、ウィリアムテル、アダム&イブなど)
  =サークル内の外側ギリギリ
相手役が出してきたアイデアが自分にとって予想のサークル外だった時、一瞬躊躇はするが、それに乗っかるor使いきる方が自分の殻を破れる。自分の器が大きくなる。
観客も「そのアイデアをそんな風に調理するの!?」と楽しく見てくれる。
想定外の事が起きた時にどう対応するかが即興である事の醍醐味だし、表現者としての質を問われる。そして想定外を面白がれる人が一番強い気がする。

●「POV」=「Point Of View (視点)」 ※前記事参照
には瞬発力が求められる。
「怒ろう」と思って怒る人はいないし
「喜ぼう」と思って喜ぶ人はいない。
その瞬間に生じた自分の衝動に乗っかる。
正解は無い。喜んでもいいし怒ってもいい。
それを正当化すればいいだけ。
考える事で頭でっかちな役者が観客を満足させる事はない。

●一つ一つのやりとりを丁寧にするのと同時に大局を見る。今、観客がどこを知りたいと思っているのかを感じる。

●優柔不断なキャラであっても目的はしっかりと持つべき。

●説明台詞を避けたい気持ちはよく理解できるが、今はあまり考えなくていい。中級編で徹底的に省く。

●ぼく自身、最近 "アイデア" というものについて考えている。
即興芝居(=インプロ)を習い始める場合、だいたい
「アイデアは何でもいいんだよ」
と教わる。
自分のアイデアを出す事に抵抗のある初心者にとって、そのハードルを下げる為の言葉だ。
「どのアイデアが正解なんだろう」と探して頭でっかちになるぐらいなら何でもいいからアイデア出しちゃいなよ、という事を示唆しており、ぼく自身もその考えには賛同している。
しかしこれはあくまで初心者に向けた言葉だとぼく個人的には感じていて、
人様からお金を頂いて上演するのであればこの言葉はとても危険である。

ぼくの考えはこうだ。
「アイデアは何でもいいけど、betterは常に存在する

ではどうすればアイデアを出す力が育まれるのだろうか。

ぼくの最近読んだ本の中に
「アイデアの質は量によって決まる」
という記述があり、なるほどと思った。
本に書いてあった通りに
「アイデアを100個絞り出す事で自分のアイデア出す力鍛えられるよ!」とWS受講生に伝えると、誰にもピンと来てない事がすぐにわかったので早々に話題を切り替えた。すごい恥ずかしかった。


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