履歴書の書き方~転職エージェント&採用担当がお伝えする、印象が良くなるポイント~
転職活動で必要となる、履歴書。
一部の大手転職エージェントでは、その会社独自の「キャリアシート」でまかなえるケースもありますが、まだまだ作成が必要な書類となっています。
履歴書の書き方も、様々なところで【書き方】【見本】【サンプル】として紹介されていますが、どこで紹介されている書き方が一番正しいのか?と悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私自身、転職エージェントとして9年、また現職では採用担当も兼任している経験から、様々な方々の履歴書を見てきました。履歴書の作り方についても、当然教わってきています。
その中で、私は履歴書の書き方については、
・書き方の正解は、いくつもある
・というよりは、最低限やらない方が良いことを押えること
・履歴書は、パッと見た時に”きちんと書かれている”と思われればOK
であると思っています。
この記事では、「絶対にこう書かなければいけない」という視点ではなく、書き方の正解はいくつもある、という前提の中で、
どこを押えれば、採用側から見て、見た目の印象が良くなるか?
という視点で、私自身の経験も交えながら、下記のサンプルを基にして、履歴書の書き方について解説いたします。
① ”きちんと書かれて”いればOK
私が転職エージェント(=推薦する立場)と、採用担当(=応募を受け付ける立場)の両方の視点で履歴書を見る場合、大きなポイントとして考えているのが、
きちんとしているか
です。
”きちんと”というのは、
・誤字脱字がない
・年月日などの数字の抜け漏れがない
・読みやすく書かれている
などです。
職務経歴書は、事実に基づき経歴をいかにPRしていくか、がポイントとなります。
それに対して、履歴書は、入社した方も入社に至らなかった方も、会社としては一定期間保存をしておく、個人情報の基本的な書類という位置づけになります。
パッと見て、まずきれいで読みやすく、必要な情報が正確に分かりやすく書いてあると、基本書類としての信頼性が高まります。
どう書けばいいかを考えるとき、私は”きちんとしているか”に沿っているかどうかで判断しています。
② 名前、連絡先、写真
2-1 氏名
苗字と名前の間は1文字空けます。
ふりがなも同様に、苗字と名前の間を空けると読みやすくなります。
また、名前は他の項目よりも少し大きめの文字にします。
2-2 住所
都道府県は書かなくても間違いではありません。
市区町村名によっては、どの都道府県かわかりにくくなる可能性もある為、都道府県からはじめると、より親切です。
ふりがなは、数字も書かれている方がいらっしゃいますが、数字にふりがな(またはそのまま数字を書く)はなくてもOK。
また、都道府県、市区町村、番地等の句切れは半角位で構いませんので、明けてあげるとより読みやすくなります(つなげてもNGではありません)
2-3 性別
性別欄の記載はもともと必須項目でしたが、新しいJIS規格の履歴書(2021年4月より)からは、必須項目ではなくなっています。記載はしてもしなくてもOKです。
この件についての詳細は、厚生労働省の報道発表資料もご覧ください↓↓
2-4 電話
スマートフォン、携帯電話をお持ちでしたら、この番号を。固定電話のみの方は、固定電話を記載します。
両方持っている場合は、万が一の緊急連絡のことを考えて、両方記載した方がより親切です(必須ではありません)。
2-5 写真
4×3のサイズで撮ります。また、できれば、写真屋さんできちんと撮っていただくのがベスト(実際、やっぱり綺麗です)です。
ただ、よく駅前やスーパーの側などにある写真撮影ボックスも、最近では画質がかなり良くなっています。
あごが出すぎたり、逆に引きすぎたりしてしないようにし、一定の笑顔が出せれば、写真撮影ボックスでも良いでしょう。
写真を撮る時は、男性はジャケットにネクタイ着用、女性もジャケット着用が良いでしょう。男性は、最近はノーネクタイも一般的にはなってきましたが、業種によってはまだまだラフな印象を与えてしまいかねないため、写真を撮る時だけは我慢して、ネクタイをつけましょう。
尚、スマホを使った自撮りでの撮影は、背景に影が出てしまったり、画質がいまひとつなスマホもあり、難易度はかなり高いです。避けた方が良いでしょう。
③ 学歴、職歴欄
記載内容(文字数)が多くなる箇所にもなるため、読みやすいレイアウトにしましょう。
3-1 学歴
「学歴」の文字は、真ん中にあるとレイアウト的により見やすくなります。
学歴はどこからのものを記載するかですが、最低限でいうと、最終学歴のみ書いてあればOKです。
ただ、採用側からすると、それより下(サンプルで言うと、高校、中学)の情報も結構重要です。中学、高校の情報から、面接の時に話題が色々と広がって、お互いの理解が深まったり、評価されるポイントが増えたりします。
面倒でなければ、中学と高校の学歴も記載してあると良いでしょう。
年月欄の「年」は、西暦、和暦どちらでもOKですが、生年月日の記載に揃えるようにします(例:生年月日が西暦で書いた場合は、西暦で記載する)。
学校名と学部、学科は、全て正式名称で最後まで書きます。
入学、卒業と各場合は、同じ学校名を2度書くため、「同校」と書く場合もあります。よりきちんとした印象を与えるのは、省略せずに書くやり方ですが、指定はありません。
なお、学歴と職歴の間は、空けられるのであれば1行空けると、より気持ちの良いレイアウトになります。
3-2 職歴
入社と退職の書き方は、下記となります。
・一般の会社:「入社」-「退職」
・学校や病院など医療福祉関係、行政機関:「入職」-「退職」
・銀行など金融機関:「入行」-「退職」
・テレビ局:「入局」-「退職」
・公務員:「入庁」-「退職」
退職は、「退社」にすることもできますが、退社は、「一日の仕事を終えて、会社を出る」時にも使われます。
もし履歴書で使う場合は、「入社」を使う”一般の会社”にのみ使えます。
各所属の会社で、時折、部署名や役職なども列記する方がいらっしゃいますのが、職務経歴書がありますので、履歴書では記載不要です。
尚、職歴欄の締め方ですが、現在の会社を在職中であれば、「現在に至る」(左詰め) → 改行して「以上」(右詰め)。
離職中であれば、「以上」(右詰め)となります。
3-3 賞罰
賞罰のうち、「賞」は受賞歴や表彰歴。「罰」は、有罪判決を受けた”刑事罰”に該当する犯罪歴を指します。
賞罰がない場合は「賞罰なし」と記入しますが、書かない方も非常に多いため、ない場合は書かなくても問題ありません。
「賞」については、職務経歴書に自己PR、実績として書くやり方もあります。
④ 免許・資格
資格を取得し、現在も更新をしていて有効となっているものを記載します。
民間の認定資格であれば、「例:生涯学習開発財団認定 ○○」など、認定団体を記載します。
もし、更新をしていない資格だが、過去に取得したことをアピールしたい(それが応募企業に対して効果がありそうであれば)という資格を書きたい場合は、「例:2020年9月まで有効」などと付記して記載するやり方もあります。
⑤ 志望動機
5-1 自己応募(一般公募)の場合
応募する企業に合わせて個別に作成します。どの会社でも使える文章は、採用側も「ああ、この文章、使いまわしだよね」と大体感づき、悪い印象こそあれども良い印象は与えませんので、気をつけましょう。
尚、この欄で重要なのは「志望動機」です(「アピールポイント」も、志望動機の内容に取り込んで作ります)。
「特技」「好きな学科」は新卒採用の時に使われる項目で、未だに履歴書でこの記載が残っています。中途採用においてはあまり訴求効果がないので、書かなくてもOKです。
5-2 転職エージェント経由の場合
この場合は、空白でOKです。転職エージェント経由の場合は、エージェント側で推薦状(またそれに相当するコメント)を用意して、採用企業に推薦(応募)します。
志望動機やアピールポイントに相当する内容は、推薦状の中に含まれますので、書かずにエージェントの担当者に任せておけば大丈夫です。
ただし、応募企業によっては、本人の志望動機の記載を求める所も時折あります。その時はエージェント側から依頼があると思いますので、その時は自分で作成をします。
⑥ 本人希望記入欄
6-1 自己応募(一般公募)の場合
特に書かなくても問題ありません。
希望条件として、特に伝えておきたい内容があれば、ここに記載します。
求人募集の内容で、勤務地や職種が複数ある募集の場合は、どの勤務地、職種を記載しておくと、より親切でしょう。
6-2 転職エージェント経由の場合
何も書かなくてOKです。ここの内容は、全て転職エージェント側で企業側に伝えてもらえます。
⑦ まとめ
この記事では、履歴書の書き方について、私の経験とも照らし合わせて、諸説ありそうな箇所を中心に解説させていただきました。
書き方のポイントは、細かくは色々とありますが、パッと見て、きちんとしているかどうかの視点で判断されると良いでしょう。
もしご自身の判断力に自信がない場合は、他の方に見てもらうか、一番無難な解説をしている書き方に沿って書くようにすると、ハズレはないでしょう。
最後までお読みいただきまして有難うございました。
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