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良い会社を見極める手がかり

転職活動をする中で、誰しも「良い会社」「ホワイトな会社」に行きたいと思うでしょう。

では、良い会社の条件とは、どのようなものでしょうか?

  • 年商

  • ビジネスモデル

  • 業界シェア

  • 知名度

  • 経営者方針

  • 経営者の人柄

  • 職場風土

  • 安定性

様々な条件があると思います。
上記のような情報は、ネット情報や四季報、ビジネス誌、業界誌などで得られる、外部に公開されている情報になります(経営者の人柄などは、TVや雑誌などのインタビュー記事などから)。

私自身、転職エージェント、再就職支援と併せて12年間転職支援をする中で、こうした外部に公開されている情報を何度も参考にしながら、求人企業の開拓をし、求職者の紹介をしてきました。

私自身、良い会社を見極める手がかりとして大切にしているのは、

 企業側と実際に会った時の印象

になります。

勿論、この「会った時の印象」で、良いと思っていた会社が実はそこまででもなかったり、良いと思えなかった会社が実はとても良い会社であった、など、ハズレてしまった経験も何度もしてきています。

とはいえ、これまでを振り返ってみると、少なくとも会った時の節々で何らかの違和感を感じた会社は、だいたい何らかの問題があったり、顧客としてお付き合いさせていただく中で問題が起こったりしてきました。

この記事では、私自身の経験も踏まえた上で、良い会社を見極める上で手がかりとしていることについて、転職活動をしている求職者の目線から、解説をさせていただきます。

良い会社への転職を目指している方に、ひとつでも参考になれば何よりです。

また、良い会社といえども100%ではなく、何らかの課題は持っていたり、逆に問題のある会社であっても、何らかの良い部分があったりします。

ここで取り上げる内容については、ひとつの「手がかり」としてとらえて頂ければと思いますし、他に「こういうのもある」というものがありましたら、コメントなどで教えて頂ければ有難いです。


① 面接前に分かる手がかり ~会社に来社する時のたたずまい~

その企業の面接本番の前、つまり来社(最近はWEB面接も多いが)した時の社内のたたずまい、従業員の対応などが手がかりとなります。

1-1 屋内外が綺麗

建物の入口回り、受付回り、通路、通された部屋などが整理整頓されていて、清掃が行き届いている事。
自分たちが普段から使う場所をきれいにし整理整頓するのは、純粋に清潔であるだけでなく、

  • 自分たちが効率よく仕事をしやすいよう整えている

  • 他の人たちが気持ちよく使えるよう配慮している

  • 建物や備品などモノを大切にしている

  • 清掃、整理整頓という身近で小さなことを大切にできている(小さな事も十分にできないのに、大きな仕事を任せるのは難しい)

  • 整理整頓は、従業員教育ができてはじめて行われる

等を感じさせます。

また、ここでは建物が古い=ダメ、という事ではないことも付け加えておきます。

確かに、あまりにも建物が古く、屋内全体が暗いようなところは、それだけで職場の空気もどんよりしてしまいますし、従業員の安全の問題から、耐震上課題があるならば、新しい建屋を検討しなくてはいけないでしょう。

ただ、建物自体が古くても清潔にしてあれば、それだけモノを大切にしている事がうかがえます。
古いながらも綺麗にしてあるものは、やはり綺麗で清々しいものです。

1-2 来客対応が丁寧

来客対応が丁寧であることは、他人に対して配慮や気配りができる(たとえ飛び込み営業のような方であっても)ことをうかがわせます。

面接に来た方に、雑な対応をする会社を探す方が難しいかもしれませんが、丁寧であればそれだけ外部の人たちへの対応について教育がなされているということは言えると思います。

1-3 従業員が挨拶をきちんとする

建屋に向かう会社の敷地内や、屋内で通路を歩いている途中にすれ違う従業員の方々が「こんにちは」など挨拶をする所は、それだけ従業員教育が行き届いていることをうかがわせます。

単に会釈をするだけの方もいらっしゃいますが、それだけでも何もしないよりかは、かなり違うと思います。

② 面接中に分かる手がかり ~面接官とのやり取り~

面接官が部屋に入ってきて挨拶をする時から、面接中のやり取り、面接が終わって求職者が会社を出る時までの対応にも、随所に手がかりがあります。

2-1 面接官が挨拶をする

採用は、採る側(企業)と採られる側(求職者)という関係性ではなく、対等なもの。挨拶はコミュニケーションの基本であり、相手の存在を承認する基本的なサインとなります。

部屋に面接官が入室した時、きちんとした名前を名乗って挨拶ができている面接官の会社は、差別区別なく人と関わっている姿、それを教育できている姿が想像できます(より丁寧な会社であれば、名刺を出す会社もありますが、なくても名前がきちんと伝われば良いでしょう)。

2-2 話しやすい雰囲気を作っている

上述の通り、面接の場はお互い対等です。

面接の場と言えども、会話を通じてお互いの理解を深める場であることに変わりはなく、それをするために話しやすい雰囲気を作ることは、ごく自然に行うことでもあり、大切なことです。

面接官の方から自然とそういうかかわりができているのは、見る見られるの枠組みではない、いつもの信頼関係構築をしようとする姿勢の表れと思います。

2-3 役員クラスが早くから面接に出てくる会社

会社によっては、部課長ではなく役員クラスの人間が1次面接の段階から出てくる会社があります。
また、中には1次面接から社長が出てきて、その後の面接でも同席、というパターンもあります。

採用は、事業の存続、組織作りなどの面から会社にとって非常に重要な業務です。
ましてや、優秀な人材の獲り合いになっている現代において、経営陣が率先して採用にかかわっていく(採用担当に任せない、というのとは違う)ことは、それだけ採用と重要事項として経営陣が捉えている証拠です。

面接官として、早い段階から役員クラスが出てくるのは、採用に対する本気度の表れでもあります。

採用を真剣に考えている会社には、やはり良い人が集まるようになってきます。

2-4 経営方針が見えてくる

これは、面接で求職者が何らかの言い方で質問をしないと出てこない内容です(面接官から先に話しをしてくれることもなくはないが)。

会社のビジネスモデルや、今後の事業展開、目下の事業戦略などから、会社としてどういう在り方、理念が基になっているのか?

それが見えてくる会社は、会社としての在り方を大切にしていて、その在り方を事業にしていることがうかがえます。

もっと言えば、経営理念通りに事業をしている、という事になります。

この辺りは、ビジネスモデルなどの話になった時、どうしてそういう戦略を取っているのか?という質問をすることで見えてきます。

2-5 会社が苦しい時に人材育成をしている

これも、面接で求職者が何らかの言い方で質問をしないと出てこない内容です。

企業は人という意識が強く、会社経営において何よりも人が欠かせないと考える会社は、苦しい時にこそ人を解雇などせず人材教育に投資し、人を育てることで難局を乗り切っています。

分かりやすいのは、2008年のリーマンショックの時、2011年の東日本大震災の時、直近のコロナ禍など。
こうした苦しい時期にどのような取り組みをしたかを質問することで、人材育成をどのようにしたのかが見える可能性があります。

③ 面接後に分かる手がかり ~面接後の企業側の対応~

面接が終わってからの企業側の対応からも、色々な手がかりがあります。

3-1 求職者が建屋を出るときの見送り方

面接時の評価にかかわらず、求職者が建屋を出るときの見送り方が丁寧で、姿が見えなくなるまで礼をするような会社は、誰に対してもきちんとかかわる、そうした従業員教育がなされていることが見えてきます。

逆に、さっさと面接官が事務所に引き上げていくような応対からは、相手が下と判断して雑な対応をしてくる、というのを私は想像してしまいます。

3-2 選考結果の連絡が早い

この連絡が早いのは、面接が終わってすぐにどうするかを決める決断力の早さ、そもそもの行動の速さを表しており、採用を重要視している姿勢も見えてきます(大手企業になると、組織が大きいため中小企業より遅くなる傾向はあります。そこは差し引いて考えるべきでしょう)。

スピードは誠意、という言葉もありますが、人に対してスピード感を持って対応する姿勢は、採用に限らず大切な在り方と思います。

④ その他

4-1 企業ホームページが整備されている

スマホが普及し、デジタルネイティブ世代が主役となっている現代において、Webサイトを整備することは、それだけ現代社会の情勢に敏感で、現代の人たちのことを意識した対応の表れだと感じています。

変化が激しい現代において、こうした対応ひとつにも、企業が変化に対応できているか否かが表れているとも言えます。

個人的には、そのWebサイトがスマホ対応になっていると、さらに好感を持ちます。今の情報収集はPCからではなく、スマホが主流になっているからです。

自分たちのことを知ってもらいたいのならば、スマホ対応をした上で発信をしていく姿勢はチェックした方が良いでしょう。

4-2 お見送り連絡の方法

面接で採用見送りになった場合は、残念ながらそこの会社で仕事をする機会は無くなりますが、念のため補足します。

お見送り連絡は、いわゆる「お祈りメール」が届くケースが多いのですが、そのメールも「○○会社 採用担当」ではなく、「○○会社 田中太郎」のように、きちんと名前を名乗っているメールは、求職者にきちんと向き合った対応をしようとする姿勢の表れだと、私は思います。

お見送り連絡のような内容は、妙なクレーム等を避けたいという心理から、名前を名乗らないケースが目立ちます。

その中でも名前を名乗る方には、自分の発言に責任を持つ、正面から向き合っている姿勢が表れています。

逆に、面接を組むまでの連絡ではきちんと名乗っていたのに、お見送り連絡の時は名前ではなく、急に「採用担当」となる会社は、私はいかがなものかと思います。

お見送りとなり、いわば企業的にはもう用がないとなった時に、急にこうした対応をするのは、用が無くなれば後はどうでもいい、と言っている、後始末の雑な姿と思います。

面接でお見送りになっても、その会社と先々仕事で接点を持つ可能性も出てきます。
その時、後始末がきちんとしていた会社だったのか、そうではなかったかのか?
先々の関係性も考えられる会社でありたいものです。

⑤ まとめ

会社は、どんなに大きな会社であっても、一人一人の人が集まって作られています。
そして、会社は経営者の在り方ひとつで大きく変わります。

公にされている外部の情報を一つのきっかけとして企業を探し、選考を通じて実際に企業の考え方、在り方に触れること。そうした部分にアンテナを立てて臨むことで、良い会社の手がかりを集めていけると思います。

最後までお読みいただきまして有難うございました。

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