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【work】 赤い糸の指輪

過去の作品から、赤い糸を封じ込めたレジン製の指輪を紹介します。

運命の赤い糸って、誰でも一度は信じたくなった経験があるんじゃないでしょうか。 僕も大概ロマンチストなので、そういうものが人を引き合わせることってあるんだろうなと思っています。 レジン工作でアクセサリーを作ることを楽しんでいた頃、この運命の赤い糸をモチーフにしたピンキーリングを作りました。 すごく大変だったのでよく覚えています。 まずは写真を。

赤い糸のピンキーリング1
赤い糸のピンキーリング2

輪っかにした赤い糸をクリアレジンの中に封入した指輪です。 と、言葉にすると簡単だけど、めちゃめちゃ面倒で手間暇のかかる工程で作っていました。 工程も紹介しますね。

赤い糸のピンキーリング 工程1

まず、クリアレジンを容器に流し込みます。 半硬化状態のときに更に重ねて流し込み、赤い糸で作った輪を配置していきますが、このとき丸くきれいな形に封入するのがとても難しい。 このとき封入する糸の輪のサイズで出来上がりの指輪サイズが決まりますが、切削加工後のサイズから逆算して輪を作るのがまた難しい。

赤い糸のピンキーリング 工程2

レジンが硬化したら指輪に加工するために切り出します。 糸が封入された板の状態にしたらあとは仕上がりサイズに穴を開けて、形状を削り出すだけなんだけど、なるべく糸と指が離れず糸が露出しないように加工するため、これもすごく難しい。

赤い糸のピンキーリング 工程3

ここまでで同時に作業を進めていたもののうち無事にきれいな状態で糸が封入されているものを選別し、仕上げに入ります。 多分完成まで残るものは1割程度だったと記憶してる。 仕上げ工程は研磨です。

赤い糸のピンキーリング 完成1
赤い糸のピンキーリング 完成2

フラットな面を残したものと曲面に仕上げたもの、どちらもそれぞれの魅力がありますね! フラットな方は平らな面とエッジがあるのでシャープな印象と不思議な存在感があり、曲面の方はレンズ効果で糸の存在が際立ちます。

こうして振り返ると、こんなに手間暇がかかって面倒な工作をよくやってたなぁと我ながら感心したり呆れています。シリコン型使えばかんたんに作れるのに何故こんなことをしていたのかというと、運命の赤い糸なんてそんなに簡単に手に入るものじゃないだろうと考えていたから、この工程があってこそ赤い糸の指輪としての意味をもたせることができたんです。

この指輪は、完成品をイベントなどの対面販売のみで扱っていました。 数ある赤い糸の中から自分にピッタリのサイズが見つかったらそれこそ運命感じちゃうでしょう? オンラインストアではオーダーメイドのみ提供していました。

これを作っていた頃だったか後だったか、台湾のクリエイターだったと思うんだけど赤い糸の指輪を作っていた人がいて、それは芯にワイヤーが入っているものでとても綺麗だなぁと感心したのを思い出しました。 今検索してみたらそれは見つからなかったんだけど、同じモチーフの商品がたくさん見つかりました。貴金属と糸を組み合わせたものがたくさんありますね。 中には僕が作っていたのと同じクリアレジンを使ったものもあった! あれはシリコンの指輪型を使っているのかな。 でないと1500円とかで販売できないもの。 世界にロマンチックなモノがたくさんあることを知れたので、今回の記事を書いてよかったなぁ。 こういうモノが好きな方はぜひ検索してみてくださいね。

サポートしてくれる人が増えると、新しい作品を作る余裕も出てきます。余裕は新たな可能性を見出す機会をもたらしてくれますね。新たな可能性からは今までと違った視点も生まれるかもしれません。