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「モービウス」の感想。終わってるパーティー。

薄暗くて埃が舞っててなんか臭い、参加者達はみんな死んだ顔のクソほど滑ってるパーティー会場に、「ようこそスパイダーマン!」ってかかれた幕だけがかけられている。スパイダーマンはまだ来ていない。
地獄だろこれ。

基本的には「しょうもねーww」って楽しんで見てたけど、ミッドクレジットシーンで一気に許せなくなってしまった。

映画の感想。

「自身を使った実験によってコウモリ人間になっちゃいました」ってスパイダーマンに出てくる悪役みたいなオリジンだなと思っていたら、実際スパイダーマンの敵役だったらしい。
まじで自分を実験材料にしてる奴らばっかで笑える。

残像出しまくり(というか空気の震えが見えてる?)のハイスピードコウモリバトルは楽しかった。

でもストーリーはかなり微妙。
主人公がマイロを止める理屈に納得がいかなかった。「お前が化け物として生きるのは見てられない!」みたいなことを言っていたけど、死ぬよりは全然良くね?と思ってしまう。
一応主人公の理屈に説得力を持たせるために、コウモリ人間の不自由な生活をしっかり尺を使って描いていたけど、それでも死ぬよりはマシだろと思ってしまった。

そもそもの問題として、マイロが暴走する理由とそれに対する主人公の返答が噛み合っていない。
マイロは「俺は死の苦しみを味わったんだから、みんなに同じ苦しみを与える権利がある」みたいなことをハイになって言っていた。
マイロには少年の頃の理不尽な経験から、健康な人間への復讐心があって、主人公が指摘するべきはそこであるはずなのに、なぜかコウモリ人間として生きるか否かが問題になってしまっている。

主人公のこの理屈は、友人の性格が普通に悪いだけという事実から目を背けて、存在しない問題を持ち出しているようにしか見えない。

マイロの主張も、それを止めようとする主人公の主張も的外れで、泥酔したおっさん達の喧嘩を見ているような不毛さがある。

そもそも少年時代の2人が仲良くなる過程もおざなりで、こいつら2人がどうなろうとマジでどうでもいいなと思いながら見ていた。

しかし泥酔したおっさん達の喧嘩はそれはそれで結構な見ものであって、お互いに意味不明なことを口走りながら街中を高速で飛び回る2人の喧嘩は滑稽で面白かった。(主人公がノーベル賞をとるくらいの天才であるという設定も良い前フリになっている)

おまけ映像の感想。ふざけるなよ。

ヴェノム2のときにもエンドクレジット前後のおまけシーンにうんざりしたけど、今回は流石にラインを超えていた。

本編に魅力がないのにエンドクレジットで助っ人を呼んできて、他の映画の魅力で少しでも嵩を増そうという根性が意地汚いのはまあ置いておく。

NWHも他の映画から呼びまくっとるやろがい、というのも無視する。あれは助っ人参戦というよりもスパイダーマン3シリーズ全ての総括という面が強いので。

それよりも、バルチャーという人選に引っかかってしまう。ホームカミングの悪役バルチャーの重要な個性として、ヒロインの父親であるということがある。
ピーターは好きな女の子の父親と戦わなければならないということで葛藤していたし、ヴィランとしての顔の他に父親としての顔も持つことで、バルチャーというキャラクターが面白くなっていたのは間違いない。
そんな彼から父親としての側面を奪い、ただの飛べるおっさんにしてしまった罪は重い。雑な招聘してんじゃねーよ。

アベンジャーズ1で、チタウリ(エイリアン)の襲撃があったことを前提とするMCU世界の技術によって作られたはずの羽が、なぜこの世界でも作成可能だったのか等、設定面からしても腑に落ちないことはある。

世界を移動したときの彼の態度には唖然としてしまった。
MCU世界からSSU世界に飛ばされたということは、娘と離れ離れになってしまったということだ。
しかし彼はそれについて全く気にすることなく「しめしめ、これでまた悪いことできるぞ〜」くらいのテンションでいる。
誰だよお前は。こんな安い悪役知らねーよ俺は。

SSUとかいうアレ。

ヴェノム、ヴェノム2、そしてこのモービウス。SSU、今のところ全部おもんないけど大丈夫か?
まだ本格始動はしてないっぽいけど、かりにクロスオーバーが本格化しても面白くなる気が1ミリもしない。死産コンテンツとしか思えない。
まあヴェノムにもモービウスにも特に思い入れはないので、こいつらが勝手にすべってる分にはどうでもいいんだけど、これからこのクソ溜まりにトムホスパイダーマンがぶち込まれると思うと悲しくて仕方がない。

「スパイダーマンが来るまで耐えろおおお」みたいなただでさえ志の低いコンテンツが、それにすら失敗している様は本当に見るに耐えないので、SSU?でしたっけ?もう終わらせませんか?

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