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TEDx文書:2. 開催プロセス

こちらにかかれているTEDxイベントを開催するにあたってのプロセスについての内容の要約です。テーマの決定から、選考委員会の組成、スピーカーの招聘など、開催に至るまでのタスクについて学ぶことができます。


ライセンス申請:

・申請のレビューには8週間かかる

・ライセンス取得後12ヶ月の準備期間がかかる

・3つのアイデア(仮説)を提出する必要がある
(もちろん最終的に変更があっても構わない)


TEDx Talkへの理解:

・誰もが今まで聞いたことがない新しいアイデアや着想

・聞いたことがあるアイデアや着想だが、通念や見方を変える議論を巻き起こすもの

Big:Trust, Prideなど非常に強く重要なポイントを持つテーマ
The tech demo:新しい発明についてデモを行う
The performance:音楽、ダンス、人形劇等のパフォーマンス
The artist’s statement:作品を見せながら、その背景にあるプロセスを説明する
The “dazzle with wonder”:科学の不思議・驚きを共有
The small idea:世界を変えるようなアイデアではないが、面白いテーマ
The "issue” talk:あまり知られていない課題をつきつける


テーマ、トピック、アイデアの定義:

それぞれの違い:

・テーマ:イベントのタイトルとタグライン

・トピック:イベントでカバーしたい主題領域

・アイデア:スピーカーそれぞれの概念や気付き


テーマ:

・概念の要約であり、通訳。トピック、スピーカーを納めるに十分な抽象度を持つ

・例:The Substance of Things Not Seen"

An artist who creates microscopic sculptures
A politician talking about the un-seen poor
An astrophysicist explaining the existence of black holes, even though we cannot see them.


・テーマには多様性が必要, Talk同士の繋がりが明示的にはっきり見えては”いけない”

・パティシパントに自らテーマの繋がりを考える機会を与える


トピック:

・大きなカテゴリーごとに考える
(テック、エンタメ、デザイン、ビジネス、科学等)

・今まで多くの人が思い至らなかったもの

・イベントを実施するローカルコミュニティ独自のもの

・ローカルコミュニティが世界に普遍的に訴えかけられるもの


選考委員会の組成:

・オーガナイザーが選出

・エグゼクティブスタッフとしての位置づけ、もしくは外部ブレインとしての位置づけ

・オーガナイザーが、テーマ(何故ここでテーマ?)とスピーカーを選出するためのガイドラインを作成

・選考委員の人数には気をつける。少なすぎると思考の幅が狭くなり、多すぎると妥協が多くなる

完全民主主義:民主主義で決める(大人数だと厳しい)
分野での分割:分野で決定権を分割(大人数向き)
絶対的権力:提案チームと意思決定チームを分ける(考え方がぶれない)


スピーカーの選択:

・その人ではなく、その人が持つアイデアを探す

・TEDxスピーカーは、”そこそこのアイデアを話す面白い人”ではない

・探すべきアイデア:

当該コミュニティで始まった新しいアイデアで、まだ広く知られていないもの
護られるべきアイデア、自己完結しておらず、興味深い議論を引き起こし、敵対者がいるもの(要確認[ ] )
TEDで語られていないもの
視点を変えるもの(蛙に対する見方を変える科学的発明など)


・スピーカーチェックリスト:

だれもが殆ど聞いたことが無い、その地域の声を代弁する人であること
その分野に新しい光を与えられる人であること
世界のTEDコミュニティがまだアクセスしたことが無い視点を持つ人
デモグラフィック、哲学、背景、トピックについて多様性がある人


・そのスピーカーのアイデアが”Ideas Worth Spreading”であるかどうかが分からない時は?

専門家筋(大学、研究者、データベースなど)で検索する
ジャーナリストに意見を聞く
それでも判断できなければ、TEDへ問い合わせる


パフォーマーの選択:

・詩の朗読

・音楽・演奏

・現代ダンス

・コメディアン

・一般的に、最大でも3, 4パフォーマンスとする


オーガナイズリストの作成:

・トピックごとにスピーカーリストを整理

・トピックごとにスピーカーの第一、第二、第三選択肢を記録


イベントホストの決定:

・MCを決める
(MCはオーガナイザーでは無い方が良い。MCは外の顔としての存在)

・経験者

・地元のコミュニティに属していること(理解が速い)

・TED, TEDxの理念を深く理解していること


スピーカー、パフォマーの招待

・Emailでなぜスピーカー、パフォーマーを招待しているのかを誠実に説明する(例文

・招待が拒絶される可能性もあるため、Emailは候補者の優先順位に応じてフェーズ分けして送る

・招待が受け入れられた際に説明すべきスピーカー、パフォーマーとして期待される活動:

スクリプトやスライドを書き起こす必要がある
イベントの前段階で頻繁に連絡を取り合い、一緒に活動をする(伴走)
イベントの数週間、数ヶ月先立って、Talkの練習を行う(最低でも1度:ドレス・リハーサル)


・スピーカーが”アイデア”を創出する際のアドバイス:

聴衆が理解することになる”争点”は何ですか?
解消したい”誤解”は何ですか?
何故そのアイデアが重要ですか?誰にとって重要ですか?
あなたに同意しない人は誰ですか?それは何故ですか?
自分の仕事・活動の中でそのアイデアは何故湧き上がったのですか?
あなたの新しいプロジェクトの背後にある大きなアイデアは何ですか?そのアイデアをファウンダーやパートナーにどのようにして売り込んだのですか?


スピーカー、パフォーマーに求められる準備:

・長いので別紙()へ:


イベントプログラムの作成:

・TEDのエッセンス:

Start strong:オープニングは力強く、聴衆の関心を惹きつける
Mix it up:途中でデモンストレーションやパフォーマンスを導入
End with emotion:最も聴衆を惹きつけるスピーカーを最後に温存、最後に聴衆がアクションを起こすくらいのところまで


・プログラムセッション、スケジュール

多いのは90分(18分 ✕ 4 Talk)のプログラム(但し、これはオーガナイザーが自由に決めて良い)
フル・デイイベントは最小で4つのセッションが必要、”Conversation Break”とランチが含まれる
ハーフ・デイイベントは最小で2つのセッションが必要、”Post-event Gathering”をしても良い
18分のTalkの他に、もう少し短めのTalkを混ぜ込んで変化をつけても良い
セッションごとに15分を翻訳や紹介などの時間に使って良い
TEDxイベントの始まりには、公式ビデオイントロダクションの放映が必須


・スピーカーとパフォーマー:

18分まで
パフォーマンスは、深刻過ぎる雰囲気を醸し出したり、遅れたりしたTalkの緩衝材としても考えられる


・TED Talks:

フル・デイイベントでは4つのTalkに1度(25%の分量)は、TED Talkを差し挟むことが必須
ハーフ・デイイベントでは、少なくとも2回のTED Talkを差し挟むことが必須
TEDx Talkと緩やかに繋がりを連想させるTED Talkビデオを流す(強すぎてはならない)
全てのTED Talkビデオは、スピーカーのTalkと同様にホストによって紹介されなくてはならない


・ブレイク:

ブレイクを入れることは必須(イベントの長さに関わらず)
軽食、飲み物等を用意する
ポータブルなアクティビティを用意する(トピックや地元ならではの話題などにからめて)
聴衆、体験を意識する(


・セッションの合間:

1セッションあたり15分の合間を活用可能
導入や簡単な会話、ショートビデオ上映、パフォーマンスなどをして構わない
立ち上がってのストレッチなどをしても構わない


ホストに求められる役割の確認:

・イントロダクション:

スピーカー登壇、Talkビデオ放送の前に短いイントロダクションを参加者に向けて行う。30秒程度
イントロはTease([ ] )であるべきで、Reveal([ ] )であるべきではない


・タイムキープ:

ホストはスピーカーが制限時間を守るようにガイドしていく役割を持つ
移行時間などについては調整をしていく


・トラブルシュート:

技術的な問題や、時間の遅延などについてその場で瞬時の対応を行う
また、スピーカーにとっての技術的な問題について速やかな解決に向けた支援を行う


・コネクション:

イベントのテーマとの関係性を常にキープするための手段を講じる(ステージ上での会話等)


・視聴者の参加促進:

視聴者がスピーカーとエンゲージするための手段を講じる。拍手やスマイルなど
ポジティブ・フィードバックループがかかるように気をつける


以上

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