#1 LOOP BLAKE 序章 運命の揺籠の日

1947年　ソビエト社会主義共和国連邦しゃかいしゅぎきょうわこくれんぽう　チュミカン

　雪ゆきが降ふりしきる草原そうげんの中なかで100m上空じょうくうから赤あかく強つよい光ひかりを放はなつカプセルの様ようなものが地上ちじょうに落おちてきた。

　その光ひかりを見みた8人はちにんの目撃者もくげきしゃは光ひかりを目印めじるしに落下地点らっかちてんに駆かけ寄よってきた。観光かんこうに来きた者もの、不法入国ふほうにゅうこくしてきた者もの、仕事しごとの関係かんけいで出張しゅっちょうできていた者もの、それぞれの事情じじょうでこの田舎いなかに来きていたが、その天てんから落おちてきた不思議ふしぎな光ひかりに誘さそわれたのは奇妙きみょうな好奇心こうきしんだった。

　その光ひかりの落下地点らっかちてんには血ちのように紅あかく染そまっている樹木じゅもくの様ような物ものがリンドウ色いろの炎ほのおに包つつまれて燃もえていた。その周辺しゅうへんにはカプセルの破片はへんの様ようなものが散ちらばっており、このカプセルから出でてきた物ものがその樹木じゅもくの様ような物ものであることがうかがえた。

　リンドウ色いろの炎ほのおから放はなたれる光ひかりは8人はちにんの人間にんげんたちを怪あやしく照てらしている。

　その光ひかりは10分ぷんほどで消きえ、後あとには灰はいしか残のこらなかった。

　そして光ひかりを浴あびた者ものたちの掌てのひらには見みたことのない、丸まるい紋章もんしょうの様ようなものが知しらぬうちに浮うかび上あがっていた。

　1947年、第ニ次世界大戦だいにじせかいたいせんから2年後ねんごにロシアで起おきたこの出来事できごとが世界せかいの運命うんめいを大おおきく変かえ、歴史上れきしじょう人類じんるいの大おおきな転換点てんかんてんとなった。

人ひとはこれを「運命の揺籠の日デスティニー・デイ」と呼よんだ。

To Be Continued