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【書評】エフェクチュエーション すぐれた起業家が実践する5つの原則

【VUCA時代にうまくいく考え方が手に入る良書】

今回ご紹介するのは、エフェクチュエーションという不確実性が高い環境で活躍するために必要な思考様式に関する本です。平たくいうと熟練した起業家はどうやって結果を出し続けているのか?
複業や自分の生業を立ち上げたいすべての人におすすめの本
1つの大企業に十年以上勤めていて外に出ることが怖くなってしまったけどそれではダメと思っている人にもおすすめです

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【エフェクチュエーションがうまくいく環境、適用範囲、なぜ今?】

いわゆるSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)などの戦略立案はそこに「予測(推定)可能」なマーケットが存在しているからこそ適用できるもの。事業計画書もしかり。このような「コーゼーション(因果関係またはSoWhat/WhySo的)」で戦略を立てられる予測が機能する環境に対して、VUCAに代表される、不確か(Uncertain)で、あいまい(Ambiguous)な環境ではこの20世紀に主流の考え方はうまく行かないことが多く無理な適用で大惨事となった事例も多い。そのようなVUCA的な環境でうまくいく思考様式がエフェクチュエーションであり、このような環境下でもイキイキと活躍したい人が身につけたい行動パターンである。

個人の目標設定の観点でも、あるべき姿から「バックキャスティング」する思考法ではなく、現状から「フォワードキャスティング」していく方法も大事だよねということを伝えている本でもある

企業のライフサイクルが短くなり、様々なイノベーションが非常に短いサイクルで起こりうる今の時代にこそ読んでおきたい誰でもイノベーターになれる未来を想像させてくれる良書

【5つの原則で化学反応を起こし、不確実で曖昧な環境において活路を見出す起業家の思考法】

エフェクチュエーションの原則は、
 1) 手中の鳥(Birds in Hand)
 2) 許容可能な損失(Affordable Loss)
 3) レモネードの原則(Lemonade)
 4) クレイジーキルトの原則(Crazy Quilt)
 5) 飛行機のパイロットの原則(Pilot in the Plane)の5つである

本書より

セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングで戦略を落とし込んでいくというマーケティング戦略構築の中核的なステップは、コーゼーションの考え方に基づていて、これはそこに確かなマーケットが存在することを前提としている。コーゼーションの思考様式が適用可能で有効であるのは、企業にとって企画当初から目的が明確でありまた環境が分析に基づいて予測可能な場合に限られるという前提条件を見落とさないことはとても大切

【エフェクチュエーションは経験豊富な起業家たちの共通の思考パターン】

(とりあえず始めて、失敗にめげない人たちの思考パターン)
・経験豊富な起業家たちは、「アイデアを発想し」「意思決定を行う」段階では、最初から市場機会や明確な目的が見えなくとも、手持ちの手段または資源(Birds in Hand)を活用し、とにかく「今」「ココ」で何ができるか?、目的主導(goal-driven)ではなく手段主導(means-driven)で考える意思決定のパターンを持つ

・経験豊富な起業家たちは、次の「アイデアを実行に移す」段階では、期待できるリターンの大きさではなく、逆にうまくいかなかった場合、最悪の事態で想定される「損失が許容できるかどうか」という基準でコミットメントを行う。これは許容可能な損失の原則(Affordable Loss)と呼ばれる

・経験豊富な起業家たちは、この「手中の鳥の原則」と「許容可能な損失の原則」の2つの行動・思考の原則でにかく具体的なアイデアを発想しそれを行動に移し(MVPの立ち上げなど)、第一歩を踏み出している

(偶然のできごと、出会いを力に)
・経験豊富な起業家たちは、自身の軸となるビジョンに興味をもってくれたり、初期の顧客となってくれるといった身銭を切る事で、いわゆるコミットメントを提供してくれる可能性のあるあらゆるステークホルダーとパートナーシップの構築を模索する傾向がある。これはクレイジーキルトの原則(Crazy Quilt)と呼ばれる。この相互作用の結果として、参加したパートナーがもたらす「新たな手持ちの手段」が加わり、プロセスの出発点であった「当初の手持ちの手段」が拡張され、何ができるかがアップデートされる(いわゆるピボットなどの方向転換など)

・新たなパートナーが持ち込むものは、「手段」だけではなく「新たな目的」ももたらすこととがあり、「何ができるか」の方向性に影響を与え、当初の行動を再定義するというフィードバックループの中で、プロセスが更新されていくというスパイラルアップが形成される

・経験豊富な起業家たちは、良くも悪くも偶然もたらされるものを受け入れ、それを「手持ちの手段(資源)の拡張機会」とすべくポジティブにリフレーミングする行動パターンが見られる。レモネードの原則(Lemonade)つまり、予期せずして出会うパートナー、突然の外的環境変化による不運、失敗や思った通りに進まない現実も学習機会と捉え、新たな行動を生み出すための「手持ちの手段(資源)の拡張機会」として活用しようとする。

(今に集中して対処、手持ちの資源をわらしべ長者のように増やしていく)
・経験豊富な起業家たちは、高い 不確実性に対処するために、このように最適なアプローチを事前に計画・管理・予測しようとするのではなく、自分自身が 対処可能な要素にのみ行動を集中させることで管理や予測ではなく、対処によって望ましい結果を生み出そうとする。この思考様式を飛行機のパイロットの原則(Pilot in the Plane)という(計画的に線路を引き電車を走らせるかわりに、自分でハンドルを握りドライブする)

(参考事例)
コーゼーションで発見できる市場機会:
音に拘る音楽愛好家のニーズを確認した上で製品化されたWM1シリーズのウォークマン(こだわりの音楽愛好家のための30万円のウォークマン)

エフェクチュエーションで創造される事業機会:
音楽は室内で聞くものでなく外でも聞きたいという新しい生活習慣を提供するために再生だけに機能を絞った世界で最初の携帯音楽プレーヤーWALKMAN

最初のウォークマンが普及するまでは、音楽は室内で聞くことが当たり前であり、仮にマーケティングリサーチを実施したところでニーズ は存在しないと判断されていた可能性もある。実際にウォークマンの販売を検討した際のソニー 社内でも絶対に売れないという声はあった。初代ウォークマンの成功は消費者のニーズのような市場機会を発見できたことにあったのではなくむしろ製品だけでなく、それを必要とする人々の生活様式まで想像したことにあった。このような新しい生活様式を予測することはほぼ不可能である。
他にも、T型フォードを発明したヘンリーフォードは、もし人々に何が欲しいか尋ねたら彼らは「より早い馬がほしい」と答えただろうと言っているし、スティーブジョブズ もインタビューで、多くの場合、「人々はそれを見せるまで自分が何を望んでいるのかわからない」という言葉を残している

【5つの"原則"を深掘り】

1) 手中の鳥(Birds in Hand)

・「手中の鳥」の原則は思考様式の1つであり、経験豊富な起業家たちは不確実な資源を追い求めるのではなく、自分が「すでに手に」している手段を活用し、「今すぐに」「具体的な」行動を取ること。

【手持ちの手段の3つの種類+1】
・1つ目は、「私は誰か」(Who I am?)で、特性や興味、能力や性格などその起業家のアイデンティティの構成要素である。 
・2つ目は、私は何を知っているか(What I know)で、起業家が活用できる知識を指す。これには、スキルだけにとどまらず、趣味、様々な知識、人生経験を通じて獲得した経験則や信念も具体的な行動につながる基盤となる。
・3つ目は、「私は誰を知っているか」(Whom I know)で起業家が頼ることのできる人とのつながりや社会的ネットワーク。 
・これに加え、余剰資源(Slack)をうまく活用することも大切な観点

本書より

組織や社会が所有するものの必ずしも現時点で必要とはされていないモノであり、無駄や非効率とみなされるが活用することで資源となるもの。例えば、エスティーローダーは、創業期に良いクリームを売りたくても売るための広告費も店舗もない中で、無料でハンドクリーム試供の機会として、「ニューヨークの美容室に集まる裕福な顧客の女性たちの時間」という余剰資産を見つけ活用した。
・不確実性の高い環境では、行動の結果として期待した通りの結果が得られるとは限らないが、そうした中でも実際に行動を起こすことが求められます。だからこそ結果が保証されなくても、あなた自身がそれに取り組むことに意味を見いだせるのか、行動すること自体にワクワクすることができるのかという基準でアイデアの良し悪しを考える必要がある 

2) 許容可能な損失(Affordable Loss)

経験豊富な起業家たちは命がけのジャンプをしたりはしない
・経験豊富な起業家たちは、リターンの可能性を予測するために、特別な努力を払ったり、それに基づいて投資水準を決めたりはしていなかった
・ 失うことを許容できる範囲においてのみ、資金を使おうとする傾向や出費をできるだけ抑えようとする傾向が見られた
許容可能な損失の原則(Affordable Loss)も思考様式の1つで、経験豊富な起業家たちは予期せぬ事態は避けられないことを前提とした上で、最悪の事態が起こった場合に起こり得る損失をあらかじめ見積もり、それが許容できるならば実行すればいいという基準で意思決定を行っている。 

許容可能な損失をどう決める?
1) 許容可能な損失の範囲で行動するために「本当に必要な資源はどれくらいか」を考える
 ・新たな資源投入を必要としない行動から着手する
 ・何らかの 避けられない投資が発生する場合は、
  できるだけ一歩の幅を小さくする
 ・新たな資源投入が必要となるタイミングを延期する

許容可能な損失の範囲で行動するためのもう一つの重要なポイントは、
2)「自分は何を失っても大丈夫か」「逆に何を失うことを危険だと思うのか」を自覚した上で、失うことを共有できない資源をなるべく危険にさらさないように物事に着手する
 ・ 許容可能な損失の最大値は、自身や動機の強さに連動する
 ・ パートナーシップを形成できれば、異なった許容可能な損失を
   持ち寄ることで損失可能な範囲を拡大
することができる

本書より


手中の鳥と許容可能な損失に基づいた行動は成功にも結びつきやすい
 ・第一に、起業家にとって小さくても行動を起こすことで
  初めて得られる成功や失敗の経験が重要な学習機会となるため
 ・第二に、許容可能な損失を意識することで手持ちの手段の
  創造的な活用を促し無駄を減らすことができるため
 ・第三に、許容可能な損失に基づく意思決定は成功するかどうかや
  儲かるかどうかという利益以外の基準で本当に自分にとって重要
  な取り組みを選択
することを可能にする

3) レモネードの原則(Lemonade)

・ コーゼーションは不確実性の削減を重視するが、偶発性の活用を重視するのがエフェクチュエーション
・ 起業家は自らを取り巻く環境の確実性の高さを自覚した上で、それが分析や予測によっては十分に削減できないものであることも認識している。
レモネードの原則は思考様式の1つで、起業家の意思決定において、予期せぬ自体は不可避的に起こると考え、起こってしまった事態を前向きにリフレーミングし、テコ(新たな手中の鳥)として活用できないかという視点を持っていること
・ 不確実性には、あらかじめ期待値がわかるもの、 何度か試行することによってある程度期待値を予測できるようになるもの、 予測することが不可能で期待値がわからないタイプのもの
・ 起業家は、予期せぬ事態を自らの手持ちの手段の拡張機会と捉え、予期せぬ出会いは「誰を知っているか」、予期せぬ情報や出来事は「何を知っているか」に加えることで、新しく「何ができるか」を常に発想しようとする

偶然(セレンディピティ)を活用するための4つのステップ
1)  予期せぬ事態に気づく
2)  同じ現実に対する見方を変えるリフレーミング
3)  予期せぬ事態をきっかけに手持ちの手段(資源)を拡張する
4)  拡張した手持ちの手段を活用して新たに何ができるかを発想する

本書より

このステップをうまく行うために極めて重要なことは、あなた自身がその取り組みを意義あるものと考え、自分で決めて行動することが大前提である。自分で何とか形にしたいと考えている取り組みだからこそ、思ってみなかった結果や失敗に直面した際にも不都合な経験を受け入れた上で、何か新しくできる行動はないかを模索する態度が生まれる。
私たちは理想的な手持ちの手段から始めることも、未来を完全に見通すこともできないかもしれませんが、偶然に与えられたものを活用することで意味のある行動を作り出すことができるのです

4) クレイジーキルトの原則(Crazy Quilt)

アイデア発想の時点では、それが優れたアイディアか判断する必要はなく、むしろ、あなた自身がそのアイデアに実行する意味を見いだせることが重要
・ アイデアの時点で、その価値を評価することが重要でないのは、アイデアが本当に有望な事業機会となりうるかどうかはそこに何らかの「コミットメント」を提供してくれる「パートナー」が獲得できて初めて明らかになることであり、例えばあなたが提供しようとする製品のアイデアに賛同して、実際にその製品を購入するという形で身銭を切るという「コミットメント」を提供する誰かが現れるならば、それは顧客という「パートナー」が獲得されたということ
「パートナー」 という表現には多様な関係性が含まれ、「コミットメント」にも様々な種類の主体的協力が想定される。どのような「コミットメント」であれ、それを提供してくれる「パートナー」と呼びうる人々との関係が構築できることでアイデアはその実効性を高め、有望な事業機会へと近づいていく。 
クレイジーキルトの原則は思考様式の1つで、今の市場が存在しない新規の事業であるならば、起業家たちは誰が顧客で、誰が競合になるかは、事後的にしか分かりようがないと考えるため、出会うことができる交渉可能な人たちとは積極的なパートナーシップを求めようと初期顧客獲得も含むネットワーキング活動を行う

エフェクチュエーションに基づくパートナーシップ の3つの特徴
第一の特徴は、自発的な参加者を重視すること。 何らかの報酬や強制によって参加するのでなくパートナーが自ら選んでコミットメントを提供する関係性が大切だが これはエフェクチュエーションが前提とする不確実性の高い状況では当初の期待通りに進まないという結果がしばしば起こるため

第二の特徴は、 あるパートナーが果たす役割は一つではなく"可変"である。実際には同じ人が複数の異なる種類のコミットメントを提供することも起こりうる。 つまり、最初は顧客や取引先という形のパートナーであった人々が出資者になったり、別の顧客を紹介してくれたり、共同経営者として組織に参加したりといった 別の重要な役割を担うようになることは、スタートアップ や 新たな事業の立ち上げ時期では決して珍しいことではない

第三の特徴は、パートナーは資源だけではなくビジョンももたらすという点。 当初は、起業家自身の手持ちの手段から始まったエフェクチュエーションのプロセスは、新たなパートナーシップが構築されるために何ができるかが更新されて最適化をくりかえすスパイラルアップのサイクルが回り出す

本書より

・パートナーが自発的に参加するのは、彼ら自身の成し遂げたい思いやビジョン・目的があるためで、このようなパートナーは資源とビジョンの両方を新たにもたらすことで、エフェクチュエーションのプロセス全体の方向性に大きな影響を与え、その未来を起業家と共創していく役割を担う
偶発的なパートナーとの出会いを通じて、新しい資源とビジョンがもたらされることを繰り返し、最終的には思ってもいなかった結末を迎えるという展開は私たちにもなじみ深い昔話である、わらしべ長者の物語にも似ている。

(スティーブ・ジョブズも受話器を手に取り電話かけてみた)
・ 未来は不確実で予測できないため、当初を思い描いてた通りには進まないことが多い。一方で、何気ないパートナーとの相互作用が想像もしなかった 展開へとつながる可能性もまた未来が不確実であるからこそ起こりうると考えることができる。 受話器を手に取って実際に電話をかけることが大事で、スティーブジョブズは自分が作りたい機械の部品をどうしても手に入れたかったので、ヒューレットパッカードの創業者の一人に電話し部品を入手すると、そのコネを利用し、インターンの機会もを得た。その後、ヒューレットパッカートでのインターシップの中で、スティーブウォズニアックに出会っている。 偶発的な出会い、クレイジーキルトの作成はこのようなまずは行動を起こすことから始まる。
※ちなみに、孫さんも、まだまだ無名の頃にシャープの佐々木さんに連絡してみたり、マクドナルドの藤田田さんに連絡してみたり。

パートナーシップ 形成のための問いかけには、コーゼーションに基づく売り込み(Selling)とエフェクチュエーションに基づく問いかけ(Asking)の2つがある
・資源獲得のの成功/失敗に焦点を合わせる売り込みとは異なり、問いかけによって他者の多様なコミットメントを獲得できれば、事前の予測が不可能な状況下でも取り組みの実効性をパートナーとともに高めて実際に優れた起業家的成果に結びつけられる
・ 相手が求めるものや一緒に取り組めることをオープンに模索するようなアプローチすなわち 競争的な関係を構築する問いかけの手法は起業家が経験または訓練を積むことで強化することができる
・パートナー獲得のために他者に問いかける行動は、うまくいったかどうかの結果のフィードバックを得ながら繰り返し練習可能でありまた学習や支援を得ながら工夫することですぐにはできないことも一人でできるようになっていくという意味では目的を持った練習に当てはまる

参考:目的を持った練習:purposeful practice・意図的な学習)
Keyword: Delibarate / Proximal
・ 活動が目的とするパフォーマンスに有意味に関連したタスクに
     分解または変換されていること
・ 活動を繰り返し練習することができること
・ 練習はパフォーマンスを向上させるという大きな目的によって
     動機付けられていること(モチベーションが維持できている)
・ パフォーマンスに関するフィードバックが利用可能であること
     (どこを重点的にやるべきかのメリハリ発掘)
・ 練習の活動は、パフォーマンスの現在のスキルレベルを
     考慮したものでなければならないこと
・ 活動は 熟達の蓄積に関連した 最近接発達領域内のもので
     なければならないこと
上記に加えて、「意図的な学習」には以下が加わる
・ 練習は目的とするパフォーマンスを達成するために、
     他の人をうまく訓練したことのある教師によって監督され
     設計されていること

5) 飛行機のパイロットの原則(Pilot in the Plane)

飛行機のパイロットの原則は経験豊富な起業家の行動様式で、不確実な未来であっても、未来は人間の行為によって作られるものだと考え、自分たちが今・ココで対処可能な要素にのみ集中して働きかけることで、未来の環境の一部をとにかく創造してみることに集中し、それを望ましい結果に帰結させようと努力すること 
・対処可能な範囲で新たな行動を生み出すとそれは起業家が直接・間接的に相互作用を行う人々、例えば周囲 2メートルにいるような局所的な他者に対して影響を与える。 これらの他社から得られた新たな反応やフィードバックによって起業家 自身の環境への対処可能性は高まっていくことになる

飛行機のパイロットの原則が有効に機能する問題空間は3つの特徴
1つは未来の結果に関する「確率の計算が不可能」である、ナイトの不確実性(Knightian uncertainty)を持っていること。
2つ目は選好が所有ではないもしくは必要だっていない「目的の曖昧性」(Goal ambiguity)が存在していること。
3つ目はどの環境要素に注目すべきかあるいは無視すべきかが不明瞭である「環境の等方性」(Isotropy)を持っていること

本書より

・コーゼーションとエフェクチュエーションで適用すべき行動様式は異なるが、個人としては、環境を見極めた上で、うまく使い分けることが好ましく、意図的に切り替えられる能力が重要である
不確実性を伴うチャレンジでは、環境の変化から目を離すことなく、自ら操縦桿を握って 対処し続けることが重要であり、それによって起業家は熟練したパイロットのようにどのような不測の事態でも対処でき、望ましい結果へと導いていけるようになる(子育てってこれに近い?)

私の小さなエフェクチュエーション(英会話ビジネス立ち上げ期)

1) Birds in Hand: 外コン首になって暇あり。雑誌を読んだらフィリピンのBPOは米系銀行のコールセンター業務もと聞き実際にみたくなる(好奇心)、できるならオンライン英会話学校やってみたいなぁ
2) Affordable Loss:フィリピンいくなら外コン首になったリフレッシュにもなるし、旅費+調査費(委託分)ぐらい
3) Lemonade: マニラとセブに行く。マニラの方は調査サポートした方が微妙でほぼ成果ゼロ。セブは意気投合、韓国系オンライン英会話学校で先生を時間貸ししてもらうことを交渉、システム周りを調査協力してくれた方が得意だとわかる
4) Crazy Quilt: システム周りを現地のエンジニア・講師を取りまとめて対応してくれるパートナー&講師を供給してくれるパートナー
5) Pilot in the Plane: まずは実際にフィリピンへ、うまくお願いしオンライン学校のMVPに必要な要素を集める
⇒英会話学校を立ち上げ、3ヶ月後には初回入金、感動。

(その後のわらしべ長者的=Lemonadeの変遷、ゆっくりだけど)
⇒所々要因あり低空飛行も、10年で英検1級2次対策のシェア〜10%レベルになり、英会話教授の品質で一定度の評価を得る
⇒子供向けのマジックキーを立ち上げる(現在順調に成長中)
⇒多ブランド展開で、2万人子どもたちに良質の英語習得カリキュラムを届けるべく新しい挑戦に着手(2023年)

※わらしべ長者的なエフェクチュエーションのスパイラルアップサイクルのイメージ
※ココには書いてないけど、様々な乱気流あり
※この期間中のLemonade的なのは、先生の採用品質(英語教授力)にこだわり過ぎて、高品質だけど単価高すぎというフィードバックもあり、途中、定額受け放題(所謂ジム会員モデル)にながれそうになる。。。しかし、これは顧客が練習しないほど単価があがるという利益相反がある側面もありうけいられなかったのでこれにこだわっていたら、高品質だから日本最難関の英語試験の1級で実績が出るようになり、単価が高いから先生の給与も良いので良い人材が集まる、英検1級合格に感謝してくれた人たちが推してくれるようになるというサイクル形成につなげることができ、結果ニッチマーケットで強みを構築ができた。

【書庫:参考資料等】


サポートを検討いただきありがとうございます。サポートいただけるとより質の高い創作活動への意欲が高まります。ご支援はモチベーションに変えてアウトプットの質をさらに高めていきたいと考えています