算数は暗記科目?(筆算の割り算の事例)
最近は、中学受験に向けては大手塾などは小学校3年生からの受験準備を進めます。特に算数は進度が早いため、3年生からはじめないと5年生からではついてこれなくなりますよという言い方。結局、算数だけは受験対策講座を取ってみたのですが、解説があまりにも「How」、つまりとにかくこう解けば良いというノリで、個人的には違和感しか感じませんでした。私がおかしいのかもしれませんが、問題提起してみたいと思います。
筆算の割り算は手順通りに解けばいい??
以下は、私が引っかかってしまったところです。はじめて割り算の筆算を習う時の「考え方」です。
手順1:わられる数の一番上の位7と、わる数3をくらべる。7÷3=2あまり1。だから、わられる数の十の位の上に2をたてる
手順2:3と2をかける
手順3:7から6をひく
ひねくれ者の私は、とにかくこうやれと言われても、「なぜ」一番上からわっていくのか?気になるんです。この「考え方」はそんな「なぜ」はかんがえなくていいから、とにかくルール通りに効率よく解きましょうねと言っているとしか思えません。(小学校でもこういう教え方なのでしょうか?)
算数を通じて、なぜ?を考えて思考力を磨くのでは?
なぜ、一番上の位(この場合、十の位)から解いていくの?と子供に聞かれたらなんと答えればいいんでしょうか?
私なりに考えてみました。
これは、そもそもなぜ筆算の形にすると上手くいくのか?と無関係ではないと思います。
手順1:わられる数の一番上の位7と、わる数3をくらべる。7÷3=2あまり1。だから、わられる数の十の位の上に2をたてる
これは、1) 3✕10=30、2) 3✕20=60、3)3✕30=90とやってみて、70(+9)は2)と3)の間にある数で70-60=10、2を十の位で計算して十のくらいに数字を書くというのはそういう意味があるんだよね。だから、手順1で上手くいく
次に、残りのかずをどう処理していく考えると
79=60+19で、19残っているのでこれを19=3✕6とあまり 1にする
結果、79は、60と19に分けられるんだけども、 60=20+20+20と3つに分けられて19=6+6+6+1と3つに分けられる。79を同じかずで3つにわけるためには、20+6=26が3つとあまり1 26 ✕ 3 + 1 = 79だと分かる
この時、位の位置を上手く使って上の図のように計算していくと上手くいくので昔の人はこういう方法、書き方を編み出したんじゃないかな?
こういうのをこどもが不思議におもって考えていく、または、「一緒に考えることが大切」で、「とにかくこう解けばいい」んですというのは違うのではないかと思います。
私は、小さい頃から、なぜ?なぜ?となってしまい実はこういう新しいコンセプトを習う時ものすごく時間がかかってしまうことがありました。だから実は、親のおかげで中学受験で上手く私立に入れたのですが、その後は算数と理科の問題ばっかり解いていました(他の科目はひどい成績でした)。それでも、旧帝大に合格し、海外留学し(英検1級も取り)、2つ目の大学院でミネルバ大学に合格・卒業できたのはこういう考える力があったからで、算数を通じて、「なぜ?」と考えるのはとても大切だと思うのです
他に方法はないの?世界の筆算は???
突然、奥義のようにこの筆算のやり方が教科書(塾のテキスト)に出てくるわけでは、それだけが筆算のやり方なんでしょうか?他に「インド人もびっくり」のやり方があったりするのかしないのか?(興味湧きません??)
今の時代、ググると出てくるんですねぇ。。。すごい時代だと思いません?これ30年前に調べようと思ったらどうでしたかね?
例えば、ブログ記事の割り算の筆算、世界の書き方(その2)~小学5年生 によると、
スペイン、イタリア、ポルトガル、ルーマニア、トルコ、ギリシャ、ベルギー、ロシアなどの国々の場合
オランダは、、、
メキシコは、、、
色々ありますねぇ、、、どれがいいんだろう???って気になりません?私は気になります。
大手塾の(中学受験用)教材はどこがおかしいのか?
たとえば「世界の筆算の違い」に興味を持つと、算数を通じて、(算数の筆算が「早く」できる・できない=受験のものさしとは全く関係ないですが)そうか、世界には違う国があって違うやり方もあるのか!日本の筆算のやり方「だけ」じゃないんだ!と気づきます。なぜ、今メタ認知スキルが大切かと言われるかといえばこういう観点をもって、1つのことを多角的に学ぶことが大切だからではないでしょうか?そういった中でこそ、問題解決能力・論理的思考力が磨かれていくのではないでしょうか?
電卓が0.01秒以下で計算するであろうことを、点数だけに(何問多く正確に解けるか?という基準に引っ張られて)振り切ってしまい、算数を暗記科目にしてしまうのはあまりにも滑稽ではないでしょうか?その教材の中に、「思考力」なる教材が追加されているわけです。されに、こどもに「思考力」もやったらどうですか?とオススメされる。「思考力」のような1段上の高次のスキルは、「算数」または「プログラミング」どれでもいいんですが、1つの科目の中から知的好奇心をスタートに学んでいくことで身についていくものだと思うのです。
21世紀を見据えて、未来を見据えて、今、こどもたちと一緒に学ぶべきこと、あるべき学び方って何が良いのでしょうか?答えがないからこそ親子で一緒に考えないといけないと強く感じます
サポートを検討いただきありがとうございます。サポートいただけるとより質の高い創作活動への意欲が高まります。ご支援はモチベーションに変えてアウトプットの質をさらに高めていきたいと考えています