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撮影のコツ③カメラよりも写真を考える

良い機材=良い写真・・・?

写真を撮っていると言うと,よく聞かれるのは

「どこのカメラを使っていますか?」

です。

果たして,その質問には意味があるのでしょうか。


どこのメーカーでも似たようなスペックのカメラを販売していますし,ライカなどエンジンによって多少写りは違いますが,シャッターボタンを押せば写真は撮影できます。


私はソニーのα7ⅲを使っています。


スペック確認もしていますが,最終的にはシャッター音や持ったときの握りやすさなどカタログには載っていない直感や感性の部分が購入の決め手でした。

例えば,以前初代フォルクスワーゲンのトゥアレグという車に乗っていました。目立って速くもなく燃費は街乗りで4km/L程度などエコではありません。それでも10年ほど乗ったのは,見た目が好きで乗り心地もよく,ドアを閉めたときの音が好きなど,カタログスペックより感性で選んだ結果だと思います。


カメラは毎年のように新商品が発表されていて,その都度追いかけて購入するのは限られた人しかできませんし,毎回スペックを調べて買うかどうか悩むことに時間を費やすよりは,1枚でも多くの写真を撮っているほうが楽しいです。


撮影テクニックの行き着く先

カメラの本といえば,「撮影方法」「構図」「ライティング」「〇〇の撮り方」「製品マニュアル」「Photoshop」「Lightroom」などが販売ランキングに多い文言ではないでしょうか。

構図について何冊か買って読んだことがありますが,それで写真がよくなったかというと,そうでもなかったと思います。

本を真似すれば,誰でもある程度のテクニックを得ることができると思います。でも,ある程度で留まります。


カメラが進化して優秀なオートモードが付き,誰もが同じテクニックを本やインターネットで学ぶことが容易になっているということは,それだけで技術の均質化がなされています。

テクニックは被写体を引き立てる手段であって目的ではありません。

それでも写真家の写真がよく見えるのは何故でしょうか。

何故その写真を撮るのか,シャッターボタンを押すまでに写真とどう向き合うかで写真は変わると思います。

これはテクニックでは表現できない,その場の空気や感情など感性が生み出すのではないでしょうか。


良い写真とは

高画質・高解像度の写真が良い時もあれば,逆に曖昧さのある甘いピントやブレた写真が評価されることもあります。

良い写真とは被写体に合わせた写真であったり,ニーズに合った写真であったり,ケースバイケースです。



正解のない「写真」に終わりはなく,奥が深い・・・哲学的だと私は思います。

少し勉強したからといって満足するのではなく,良い写真を追求しましょう!

まさに努力の金太郎飴。

(とはいえ,最低限の技術は必要なのでnoteに記していきます)


書籍紹介

哲学的な写真の考え方に関連して,読んでいて非常に共感できた書籍を紹介します。

嵐田大志 著「カメラじゃなく、写真の話をしよう」


高橋伸哉 著「写真からドラマを生み出すにはどう撮るのか?」


山内 宏泰 著「写真を読む夜 13人の写真家たちの撮影哲学」



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