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♡恋愛で学ぶ統計学♡(No.9 構造方程式モデリング②モテの構造化)

今回も、恋愛を通して統計学を学んでいきましょう!

みなさんは、どうしたら「モテる」ようになると思いますか?

もし、モテるという現象の本質を見抜くことができたら、いままでよりも簡単にモテることができるようになるかもしれません!

モテの現象を統計学のある方法を使って一緒に解き明かしていきましょう!

でも、「モテる」なんて、ふわっとした概念を、統計という真面目な数学をつかって考えることができるの?と思われるでしょう、、!

しかし、そんなときに頼れる分析方法があるんです!

その名は、、、、、構造方程式モデリング!!!!!(^^)/

構造方程式モデリング

構造方程式モデリングは、ふわっとした概念も含めて、「回帰分析」や「相関関係」を分析したモデルをつくることができます。

例えば、こんな感じです!

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このように、「モテ度」や「コミュ力」といった、定義しにくい、ふわっとした概念をも含めた、モデルをつくれます。

このモデルでは「相関係数」は両側矢印で、「標準回帰係数」が片側矢印であらわされています。

つまり、コミュ力とファッション(ファッションへの興味)が0.82の相関係数としてあらわされ、それ以外の片側矢印は「標準回帰係数」という矢印の先に与える影響を表しています。

では、今回は構造方程式モデリングをつかって

モテの構造を一緒に作っていきましょう!

構造方程式モデリングの流れ

では、まず構造方程式モデリングの流れを簡単にまとめますね。

①仮説を立てる

②仮説を裏付ける根拠を探す(仮説を裏付ける根拠がない場合は、探索的因子分析というものを行う:これについては、また後日。)

③仮説を確かめるための調査法を考え、実施する

④自分の仮説モデルを統計処理ソフトでつくる

⑤統計処理をして、その結果を考察する

です。

どんな調査も、その調査を行う人が、なにかの仮説をもっていたり、明確な目的をもっていたりしないと調査する意味はありません、、、、!

今回の場合、モテの構造を解き明かしたいという目的がありますね!

そして、これからモテに影響する要素を考え、どのような構造かを仮説だてていこうと思います!

①仮説を立てる

みなさんは、モテに影響する要素は何があると思いますか?

これから私が考える要素を書いていきます。

もちろん、この要素は考える人によって違うはずです!

ですので、まずは私の仮説を聞いていただき、納得できなかったとしても1度受け入れていただきたいです!(^^)

では、その要素は

「お金持ちか」、「頭の良さ」、「清潔感」、「コミュニケーション力」の4つだと思います!

そして、それらの4つが「モテる」ために影響を与えるのではないかと仮説を立てます。

つまり、こんなモデルを想定します。

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それでは、この仮説を裏付ける根拠を探しましょう!

②仮説を裏付ける根拠を探す

よく研究者は、先行研究といって、先に行われている研究を調べます。

では、私たちも、モテを研究するものとして、先行研究がないかを調べましょう!よく私が使うのはGoogle先生です(笑)

(本当にgoogle scholarという研究論文を集めた特別なサイトがあります!ほかにも心理系であれば、心理学研究 - J-STAGEなんていうサイトもあります。興味がある方は、ぜひ一度見てみてください!)

では、さっそくgoogle scholarと心理学研究 - J-STAGEで

「モテる 構造」で検索っと!

うーん、ドンピシャで同じ研究はありませんね、、、

でもこれは嬉しい情報でもあります。わたしたちがやろうとしていることは、まだだれもやっていないということです!先駆者・パイオニアになれるということです!うれしいですねー!恋愛研究の第一人者になれますね!

では、似たような研究がないかを調べてみます!

たとえば、こんな2つの記事が、心理学研究 - J-STAGEで見つかりました!

1)親密性をめぐる 「新たな不安」 雑誌記事における 「モテる」「モテない」 格差の説明原理

2)き ょ うだ い 構成 と対 人 関 係 ーどの よ うな き ょ うだ い 構 成が モ テ る の か ?ー

1) https://www.jstage.jst.go.jp/article/soshioroji/52/3/52_155/_pdf

2) https://www.jstage.jst.go.jp/article/pamjaep/53/0/53_148/_pdf

この研究のなかでは、「コミュニケーション能力」はモテに関係しそうだという示唆を与えてくれています。ほかにも「外見」についてや「経済力」もかかわっているのではないかとも、ほのめかされています!

そして、仮説の根拠は論文だけでなく書籍でも根拠になります!

例えば、「モテる構造: 男と女の社会学」なんていうドンピシャの本を見つけてしまいました。怠惰で、貧乏な私は、この本を読んでいませんが、その要約文を紹介したサイトがあったのでそれを見てみます。

うーん、要約を見た感じ、、、モテるための要素について書いているわけではなさそう、、、あっ、でもよいアンケート調査を行ってますね!

小学生だと、女の子は相手の頭の良さを気にするみたいですね!

こうなると「学力」もモテの構造の要素として考慮してもいいかもしれませんね!

さて、私の仮説の根拠を示すために要した時間は、わずか、、1時間!

ということで、ボロボロですが、一応、仮説の根拠を示せました。

本当なら、もっと時間をかけて、より確証のある根拠を見つけるべきです!が、、、お許しください(;^ω^)

では、私の仮説を調べるための調査方法を考えていきます!

③仮説を確かめるための調査法を考え、実施する

では、調査法を考えます。今回はアンケートを質問紙をもちいておこないたいと思います。そのために、アンケート項目を考えます!

「お金持ちか」、「頭の良さ」、「清潔感」、「コミュニケーション力」の4つを調べたいのです。ですが、ただ「あなたはお金持ちですか?」ときくのは、めちゃくちゃですね(笑)

この調べたいものを測れるような上手い質問をつくることも調査では大切ですね!では、どんな質問をつくっていこうか、、、まず!

「お金持ちか」→「たくさん稼いでいたらお金持ち!」ということで「月収」をきくことにします!そして、「ブランドものをいくつ持っているか」をきくことで、「お金持ちか」を測りたいと思います。

「頭の良さ」→「頭のよい学校を卒業したかどうか」ということで「最終学歴の学校の偏差値」を聞くことにします。そして、「1か月にどのくらい本を読むか」をきくことで「頭の良さ」を測りたいと思います。

「清潔感」→「ファッションにどの程度気をつかっているか」ということで「1か月に髪型や服に払う代金」、「もっているファッション雑誌の数」、「一日に、鏡などで自分の姿を何回みるか」によって、「清潔感」を測りたいと思います。

「コミュニケーション力」→「たくさん人と交流するか」ということで「SNSでのフォロワーや友達の数」、「人と話すことが好きか(7段階評価)」、「人の話を聞くことが好きか(7段階評価)」によって、「コミュニケーション力」を測りたいと思います。

「モテる」→「異性から魅力的だと思われる」ということで「何人と付き合ったことがあるか」、「今年のバレンタインで異性から何個チョコをもらったか」によって、「モテる」という状況を測りたいと思います。

「人と話すことが好きか(7段階評価)」、「人の話を聞くことが好きか(7段階評価)」の項目以外は、感覚的なものではなく、数えられるもので質問をしています。可能であれば、このような数えられる(定量)ものが望ましいでしょう。しかし、それが難しい場合は「好き、やや好き、、、」のように段階に分けて評価してもらえばよいです!

そして、この質問だけでは、勘のいい回答者が、これは、、、モテるためにどんな要素があるかを測ろうとしているな、、、と思わないように、全然関係ない質問も混ぜて質問しましょう!

では、データを集めましょう!

④自分の仮説モデルを統計処理ソフトでつくる

では、集めたデータをもとにモデルを作成していきます。

構造方程式モデリングを扱えるソフトはかなり増えてきています。

無料ソフト

1.HAD (https://norimune.net/1887)

2.RのOpenMx 

有料ソフト

1.Mplus

2.AMOS SPSS

個人的には、HADが一番初心者には使いやすいと思います。何より、無料でほとんどの統計処理ができてしまうところがすごいです、、、、作成者の清水先生に感謝です、、、(リンクを貼ってあるので、ぜひ先生のサイトへ)

また、有料ソフトならMplusがおすすめです。

では、ここではHADを使っていきます。詳しい使い方も含めて、清水先生のサイトにありますのでそちらを参照ください!

⑤統計処理をして、その結果を考察する

では、データを入力し、モデルを作れたら分析の開始です!

さて、、、私の仮説は、そもそも正しいのでしょうか?分析結果を見てみます。


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こんな風になりました!

では、この結果について、解釈していこうと思います。

まず、このモデルは、、、、あまりよくできたものではありません。

注目したいのはRMSEAです。これは、モデルがよいかを調べるものなのですが、、、基本0.05以下がよいモデルとされます。このモデルは1.608、、、

残念です、、、私の仮説が正しいことは、このモデルでは示せませんでした

ですので、モデルの修正が必要です。ここで、モデルを修正するときに注意が必要です。このモデルがなぜダメだったのかや、修正する際にちゃんと納得のいく説明をする必要があります。

やたらめったらと、モデルを後で書き換えることは、基本ダメ!です。

その修正に関する考えかたや、修正しなくてもよいモデルをつくるための1つの方法として探索的因子分析を行うということを次の記事で書きます!

それにしても、、、もしこのモデルがうまくいっていたら、、、

モテには「頭のよさ」は関係なく、「お金持ち」ほど、モテなくなるという面白い結果になっていたのに。。。(;^ω^)


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