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インターンシップを通じた優秀人材の確保 2026年卒採用の最新動向ー日経ビジネス記事より

 日経ビジネス2024/7/2の記事に『インターンシップ、43%が参加企業に入社 今や新卒採用の生命線』が掲載されていました。

 2026年卒向けのインターンシップは、前年比110%増の2万1000社が参加し、過去最大規模となったとのこと。これは、新型コロナウイルス感染拡大前の2021年と比較しても123%増という驚異的な伸びを示しています。企業の採用意欲の高まりが背景にあり、特に6月や7月にインターンシップを実施する企業が前年比でそれぞれ171%、135%と大幅に増加しています。これは、学生との早期接触を図り、優秀な人材を確保したいという企業側の戦略が反映された結果といえます。

 実施日数については、「1日」が前年比116%増と最も多く、手軽に参加できる点が学生に支持されていると考えられます。一方、「1週間」のインターンシップも前年比144%増と大幅に増加しています。これは、2022年のルール改正により、一定の条件を満たせばインターンシップでの情報を採用選考に活用できるようになったことが要因として挙げられます。
 例えば、インターンシップ参加者に採用選考への案内を送付したり、参加者の評価を参考に選考プロセスを一部省略したりすることが可能になったのです。企業にとっては、より深く学生を理解し、自社に合った人材を採用できるメリットがあります。

 一方、学生側の視点では、インターンシップへの参加目的が企業選びに大きく影響しています。志望度の高い企業に対しては、直接社員や職場の雰囲気に触れられるリアルでの参加を希望する傾向が強いです。一方、まだ志望企業が明確でない学生は、オンラインで効率的に情報収集したいと考えています。例えば、オンライン説明会やWebセミナーを活用して、幅広い業界や企業を知ることを優先するでしょう。

 企業は、これらの学生のニーズを踏まえ、自社の魅力を最大限に伝えられるインターンシップの形式を選択する必要があります。知名度が高く、学生からの注目度が高い企業であれば、リアルなインターンシップで直接学生と交流することで、より深い理解と共感を得られる可能性があります。一方、知名度が低い企業や、特定のスキルや経験を持つ学生にアプローチしたい場合は、オンライン形式で効率的に情報発信を行う方が効果的かもしれません。

 このように、インターンシップは企業と学生の双方にとって重要な機会となっています。企業は自社の採用戦略に合わせて最適なインターンシップを設計し、学生は自身のキャリアプランに基づいて積極的に参加することで、互いにとって有益な結果を得ることができるでしょう。

人事目線で採用戦略をさらに考える

 2026年卒のインターンシップは、採用戦略において非常に重要な位置を占めています。

 まず、インターンシップの活況は、採用市場における競争激化を意味します。優秀な学生を獲得するためには、他の企業よりも魅力的なインターンシッププログラムを企画・実施する必要があります。そのためには、自社の強みや特徴を活かしたプログラム内容にするだけでなく、学生のニーズに合わせた実施時期や形式(オンライン/オフライン)を選択することが重要です。

 次に、ルール改正によりインターンシップが採用活動に直結しやすくなったことを踏まえ、インターンシップを単なる広報活動としてではなく、採用選考の初期段階として捉える必要があります。インターンシップを通じて学生の能力や適性を見極め、自社に合った人材を早期に選考フローに乗せることが可能です。そのためには、インターンシップ参加者の評価制度を確立し、その後の採用選考に活用するための仕組みを整えることが求められます。

 さらに、学生のインターンシップに対する意識の変化にも注意が必要です。志望度の高い企業にはリアルでの参加を希望する一方で、そうでない企業にはオンラインでの効率的な情報収集を望む傾向があります。そのため、自社のブランドイメージや学生からの認知度を客観的に評価し、適切なインターンシップ形式を選択する必要があります。

 また、インターンシップは学生だけでなく、企業にとっても貴重な機会です。インターンシップを通じて自社の魅力を効果的にアピールすることで、企業ブランディングや優秀な人材の確保に繋がる可能性があります。そのためには、インターンシップの目的を明確にし、学生にどのような経験を提供できるのかを具体的に示すことが重要です。

 最後に、インターンシップのルール改正について学生への周知徹底も人事の重要な役割でしょう。学生がインターンシップの意義や目的を正しく理解し、自身のキャリアプランに合ったプログラムを選択できるよう、大学との連携や情報発信を積極的に行う必要があります。

 このように、人事の視点から考えると、2026年卒のインターンシップは、採用戦略全体を見据えた上で、多角的な取り組みが求められる重要な局面といえるでしょう。「その他大勢」から抜け出せるか、です。

採用のインターンシップの場面を描いています。若いプロフェッショナルたちが明るくモダンなオフィスで集まり、活発に議論を交わしています。窓からは自然光が差し込み、植物が緑のアクセントを加えています。机の上にはノートパソコンやノート、コーヒーカップが散らばり、生産的で協力的な環境が伺えます。みんながスマートカジュアルな服装をしており、空気には興奮と友情が満ち溢れています。

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