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人事・経営支援関連

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私の経営・人事支援関連の記事です。
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#キャリア

「人事課題を解決したい」企業の方に対し、私がお尋ねする観点

 私は、地方企業様の人事課題の解決支援の活動をしています。その際、経営者の方、担当の方とも多くのコミュニケーションをさせていただいています。その際、話題として、人事関係(制度等)の話はもちろんですが、基本的な経営の状況の話もさせていただいています。  最近でこそ、「人事は経営の根幹の一つ」という経営者の方も多くなってきました。総論としては理解されているものの、なかなか深く突っ込んで議論をするのは苦労します。とはいえ、最初から「サーベイシート」のような、こと細かい資料を使って

採用と離職防止のシナジーー持続可能な人材戦略の構築

 「採用と離職防止を一緒にして考える」というのは単純そうですが、実はとても重要な戦略です。求める人材を正確に理解し、彼らが魅力を感じる職場環境を作ることが大切です。これは、従業員が会社の文化や働き方に惹かれるようにするためです。長く働き続ける環境は、採用成功にもつながり、組織の成長と安定に寄与します。結果、離職防止にも寄与するでしょう。 採用基準と離職防止戦略  採用においては、候補者の経験やスキルが重要視されますが、離職を防ぐためには、安定した職場環境や昇進の機会の提供

従業員エンゲージメントの向上ーSNSで繋がるロールモデルの力

 昨今、「ロールモデル」(他の従業員の手本となる人物)を見つけることが難しいと言われています。一方WebやSNSを通じてロールモデルを見つけることは、現代のキャリア形成において革新的な変化をもたらしています。このアプローチは、従業員が自らのキャリアパスを形成し、個人の成長と発展を促進するための豊富な情報源とインスピレーションを提供します。人事の立場から見ると、このプロセスは従業員のエンゲージメントと満足度を高め、組織のパフォーマンス向上にもつながるため、非常に価値が高いと言え

「定年前と定年後の働き方」を考えるー石山恒貴氏

 Aoba-BBTのAirSearch「定年前と定年後の働き方」を聴講しました。この番組は、昨年2023年に石山氏より発刊された、『定年前と定年後の働き方』(光文社新書)をベースにつくられています。私も同書を拝読し、以下に読後感を執筆しています。改めてその重要性を認識したところです。 1.シニアの働き方の概要 ここでは、シニア世代の働き方や生活に関する概要を紹介し、定年前後の人々が直面する課題と機会について詳細に掘り下げています。石山によってまとめられたこの内容は、シニア世

キャリア自律を目指す人事戦略ー高橋俊介氏『キャリア論』再訪

 BBTの番組・高橋俊介氏による「組織人事ライブ#702 」を視聴しました。その内容から考えること、人事企画にどのように活かすかを考えてみたいと思います。  当内容は、高橋俊介氏が2003年に出版した『キャリア論―個人のキャリア自律のために会社は何をすべきなのか』の内容を、現在の視点から再訪するというものです。本書は、慶應義塾大学SFC研究所のキャリア・リソース・ラボラトリーが主催し、14社もの大手企業に参加していただいた研究会を通じて行われた数多くのキャリアインタビューと

新時代の労働力: 2050年代、日本の就職市場と若者のキャリア形成

 2024/03/31の日本経済新聞の記事『2050年に2割減る新入社員、「金の卵」は入社後すぐ部長』を拝読しました。自身も含め、採用の担当者は大変苦労しているものと思います。しかし、2050年に向け、その傾向は変わらず、企業としてもさらに考えていかなければならないことが分かります。  2050年代に向けての日本の新入社員数は、現在と比べて約2割減少し、38万人程度になることが予測されています。この大幅な減少は、少子化の影響や労働市場の変化によるもので、新卒一括採用の減少や

従業員の可能性を最大限に引き出すー多角的な育成戦略

 個々の従業員の可能性とその育成についての考えを深めるには、多角的なアプローチが必要不可欠です。これまでの経験から得た教訓、導入した新しい制度、そして成功事例をもとに、従業員一人ひとりの能力開発と組織全体の成長を促進するための包括的な戦略を詳細に検討していきたいと思います。 従業員の潜在能力の発見と育成  従業員の潜在能力を発掘し、それを伸ばしていくためのアプローチは、組織の持続的な発展において極めて重要な役割を果たします。単に業績評価の枠組みにとどまらず、従業員が自身の強

未知を探検するーキャリア形成旅行者のためのガイド

 人生の旅とキャリアのパスは、未知と不確実性の霧に包まれていることが多く、その中を進むには内なる羅針盤と外的なツールが必要になります。キャリア形成における重要な要素を理解し、それぞれの要素がどのようにして霧の中を進む旅人を導くかをみてみます。 懐中電灯:価値観と信念  キャリアにおける懐中電灯は、個人の価値観や信念です。これらは、厳しい環境や不確実性の中で、自分自身を照らし出し、安全な足元を確保する役割を果たします。価値観と信念は、個人が直面する挑戦や選択の中で一貫性を持

未来を見据えた人事政策ー若者のニーズに応える企業の役割(金間大介さん)

 The21 2024年4月号「普通のサラリーマンが定年までに「お金の自由」を手に入れる方法」の中で、金沢大学教授の金間大介さんの「「静かに退職する若者たち」が考えていること」の記事は、自身の人事の立場からも大変突き刺さるものでした。  若者が会社を辞める理由としては、以下の4つが挙げられるとのことです。まず1つ目は、「想定と現実のギャップ」です。多くの若者が仕事を始める際には、「普通の職場環境」「普通の待遇」「普通の上司」といった平均的な条件を想定しています。しかし、実際

リスキリング→複業への船出-ライフシフトラボからの支援を得て実践したこと

キャリアの迷い(40歳代前半)  私は、以後のキャリアで迷った40歳代の前半、リスキリングの必要性を強く感じていました。そこで、社会人大学院の門を叩き、MBAを取得しました。普段の生活、業務から離れた場所での学びで、貴重な体験ができ、また、問題解決手法など、本当に多くのものを得ることができました。まさに、人生が変わったような体験をさせていただきました。業務にも、私生活にも役に経っております。詳細は以下に記載しております。  ただ、それでも物足りない感がありました。本当にこ