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人事・経営支援関連

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私の経営・人事支援関連の記事です。
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#採用

「人事課題を解決したい」企業の方に対し、私がお尋ねする観点

 私は、地方企業様の人事課題の解決支援の活動をしています。その際、経営者の方、担当の方とも多くのコミュニケーションをさせていただいています。その際、話題として、人事関係(制度等)の話はもちろんですが、基本的な経営の状況の話もさせていただいています。  最近でこそ、「人事は経営の根幹の一つ」という経営者の方も多くなってきました。総論としては理解されているものの、なかなか深く突っ込んで議論をするのは苦労します。とはいえ、最初から「サーベイシート」のような、こと細かい資料を使って

組織の未来を形作るー効果的な採用・雇用戦略の構築

 採用・雇用戦略の重要性について語る際、組織の持続可能な成長と競争力を維持するためには、適切な人材の獲得と管理が不可欠です。この場合、、採用活動だけでなく、人件費の管理、従業員のモチベーション維持、スキルセットの現代化など、組織内の人材に関するあらゆる側面が重要になります。以下に、これらの要素を詳細に掘り下げてみます。 人材の獲得と配置採用戦略の重要性  組織が成功するためには、そのビジョンと文化に合った優秀な人材を獲得することが必要です。採用プロセスは、ただ人材を獲得す

組織と個人の共鳴ー信頼関係を築く面接プロセス

 人事として多くの経験をしてきましたが、採用プロセス、特に面接が組織と応募者双方にとって非常に重要な意味を持っていると感じています。面接は、応募者の技術的スキルや経験を超えた、その人の性格、価値観、動機づけ、そして潜在能力を理解するための絶好の機会です。このプロセスを通じて、企業は自組織に最適な人材を確保することができ、応募者は自身のキャリアを発展させるためのステップを見つけることが可能になります。 応募者理解の深化  応募者の全人的理解を深めるためには、技術的スキルや過

『求人のAmazon』へ進化する新プラットフォーム発表 にどう対応するか

 日経オンライン2024/04/15の記事に『インディード「求人のAmazon」に 求職者と企業を集結』が掲載されていました。求人のAmazonとは、求人情報サービスにおいて、米アマゾン・ドット・コムが展開するEコマースプラットフォームのような、ワンストップの求人マーケットプレイスを構築する動きを指しています。  リクルートHD傘下の米Indeedは、求人業界に新たな風を吹き込むべく、従来の求人検索エンジンから、求職者と企業が集う包括的なマーケットプレイスへと進化を遂げよう

採用と離職防止のシナジーー持続可能な人材戦略の構築

 「採用と離職防止を一緒にして考える」というのは単純そうですが、実はとても重要な戦略です。求める人材を正確に理解し、彼らが魅力を感じる職場環境を作ることが大切です。これは、従業員が会社の文化や働き方に惹かれるようにするためです。長く働き続ける環境は、採用成功にもつながり、組織の成長と安定に寄与します。結果、離職防止にも寄与するでしょう。 採用基準と離職防止戦略  採用においては、候補者の経験やスキルが重要視されますが、離職を防ぐためには、安定した職場環境や昇進の機会の提供

求職者と企業の間の理解を深めるー期待のミスマッチを解消するための具体的対策

 現代の雇用市場における求職者と企業間の期待のミスマッチは、多くの職業領域において顕著に見られる問題です。この問題の解決には、双方が互いの期待とニーズを正確に理解し、適切に調整することが求められます。以下では、双方の視点から深掘りし、具体的な対策を検討してみます。 求職者側の詳細な視点と対策自己の価値と市場とのマッチング  求職者は、自身のスキルと経験が市場においてどのような価値を持つのかを深く理解する必要があります。これには、業界のトレンドを追跡し、継続的な学習と自己研

新時代の労働力: 2050年代、日本の就職市場と若者のキャリア形成

 2024/03/31の日本経済新聞の記事『2050年に2割減る新入社員、「金の卵」は入社後すぐ部長』を拝読しました。自身も含め、採用の担当者は大変苦労しているものと思います。しかし、2050年に向け、その傾向は変わらず、企業としてもさらに考えていかなければならないことが分かります。  2050年代に向けての日本の新入社員数は、現在と比べて約2割減少し、38万人程度になることが予測されています。この大幅な減少は、少子化の影響や労働市場の変化によるもので、新卒一括採用の減少や

新時代の新卒採用戦略ー変化を受け入れ、革新を追求する企業の姿

 日経ビジネス2024/03/29の記事に『日立はもう「ガクチカ」を聞かず 新卒ミスマッチ防止へ採用の常識がらり』が掲載されていました。この記事は、新卒採用の風景が過去数年で劇的に変化してきたことを生々しく描き出し、その変化の本質に迫っているもので、私にとっても大変興味深いものでした。  注目すべきは、日立製作所が従来の「ガクチカ」を全面的に排除し、学生一人ひとりのプレゼンテーション力を重視する選考プロセスを導入したこと、ベンチャー企業のカヤックが伝統的な大企業とは一線を画

中途採用の新潮流ーリファラルとアルムナイ採用戦略の革新

 中途採用市場の拡大に伴い、従来の採用方法に変革を求める動きが活発化しています。特に、リファラル採用やアルムナイ採用といった新しい形式の採用戦略が、企業と求職者双方の間で高い評価を受けています。これらの戦略は、人材の質の向上、採用コストの削減、組織への迅速な適応といった複数の利点があります。日経ビジネスの2024/03/29の記事『富士通、社員の仲介で400人採用 「ネオ縁故」はコスト低く定着率向上』を読み、改めてその重要性を認識したところです。 リファラル採用の進化と実践

企業理解を深めるー座談会と企業説明を活用した採用アプローチ

 応募者が企業の「社風や現場のリアル」を知りたがっていることは、私も採用の実務を長くやっていてよく分かります。非常に重要なポイントです。これまでの人事経験を踏まえて、このようなニーズに応えるための具体的なアプローチを整理します。  まず、応募者が社風や現場の実情を理解する上で、社員との座談会は非常に有効な手段です。座談会を通じて、応募者は社員の「生の声」を聞くことができ、企業文化や職場環境についてのリアルな情報を得ることが可能になります。これにより、応募者は自身がその企業で

未来を見据えた人事政策ー若者のニーズに応える企業の役割(金間大介さん)

 The21 2024年4月号「普通のサラリーマンが定年までに「お金の自由」を手に入れる方法」の中で、金沢大学教授の金間大介さんの「「静かに退職する若者たち」が考えていること」の記事は、自身の人事の立場からも大変突き刺さるものでした。  若者が会社を辞める理由としては、以下の4つが挙げられるとのことです。まず1つ目は、「想定と現実のギャップ」です。多くの若者が仕事を始める際には、「普通の職場環境」「普通の待遇」「普通の上司」といった平均的な条件を想定しています。しかし、実際

企業文化強化とリスク管理ー倫理とコンプライアンスを重視した人材採用の重要性

 採用プロセスは、企業が直面する複雑で多様な課題に対応する上で、根幹をなす活動です。その中でも、倫理観とコンプライアンス意識を持つ人材の選抜は、企業の持続可能な成長、社会的責任の遂行、そして競争力の維持に不可欠です。この重要性を踏まえ、倫理観とコンプライアンス意識を中心に据えた採用戦略の実施が、企業にとってなぜ重要なのか、さらにその具体的な実践方法について深く掘り下げます。 企業文化とコンプライアンスの重要性  企業文化は、企業の基本的な信念、行動様式、対内外のコミュニケ