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リーダー・エフェクティブネス・トレーニング

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リーダー・エフェクティブネス・トレーニング(L.E.T)に関する記事です。コミュニケーションの向上に大変有効です。
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2024年5月の記事一覧

適切とはいえないアクティブ・リスニング(A/L)の代表例(L.E.T.より)

 リーダー・エフェクティブ・トレーニング(L.E.T.)では、アクティブ・リスニング(A/L)を多用します。A/Lは円滑なコミュニケーションを行うのに非常に有用な手段です。A/Lは、相手の言葉と感情を深く理解し、それを相手に確認する方法です。  しかし、多くの人がこの手法を誤解し、適切に実践できていないことがあります。以下に適切とはいえないA/Lの具体例とその問題点を挙げてみます。 引き出す、聞き出すことを目的とする  アクティブ・リスニングの目的は、相手の言葉を引き出し

1on1の対話を変えるーアクティブ・リスニングによる人間関係構築の術

 先般、「能動的傾聴:アクティブ・リスニングで築く信頼関係ー川上真史氏より」という記事を公開しました。  アクティブ・リスニングは、リーダー・エフェクティブ・トレーニング(L.E.T.)でも中核となっている重要な技術です。今回は、1on1ミーティングの中でのアクティブ・リスニングのあり方について考察してみたいと思います。  1on1ミーティングは、上司と部下、先輩と後輩、同僚同士など、様々な関係性の中で行われる非常に重要なコミュニケーションの機会です。このような1対1の場

能動的傾聴:アクティブ・リスニングで築く信頼関係ー川上真史氏より

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #10 アクティブ・リスニング」というテーマ。アクティブ・リスニングは、単に相手の話を一生懸命に聞くだけではなく、聞き手が能動的に質問や働きかけを行いながら、話し手の発言内容を深く理解しようとする技法です。この技法の目的は、話し手自身が今まで気づいていなかった自分の真の思いや感情、意図などに気づくことを促進することにあります。  私も時々取り上げている、リーダー・エフェクティブ・トレーニング(L.E.T

夫婦のニーズに基づく解決策の探求ー(L.E.T.)メソッドIIIを用いた具体的アプローチ事例

 L.E.T.(リーダーシップ・エフェクティブネス・トレーニング)の「No-Lose 対立解決法(メソッドIII)」は、対立を解決するための効果的な手法です。個々のニーズを尊重しながら、全員が参加する協議を通じて、共同で問題解決に取り組むプロセスです。詳細は以下に記載しています。  今回は、具体的事例として夫婦が直面している問題を明確に定義し、お互いのニーズを理解することから始めます。そして、創造的な解決策を幅広く検討し、最良の選択肢を選定します。最後に、具体的なアクション

ギアシフトーリーダーシップと対人関係のためのアクティブ・リスニング技術ーL.E.T.

 「ギアシフト」とは、リーダーシップや対人関係において、自己の意見を表明した後に相手の反応を適切に処理する技術を指します。具体的には、自分の意見を伝えた後に相手が動揺したり反対意見を示したりする場面で、アクティブ・リスニングを用いて対話を促進する方法です。このプロセスは、相手の感情や立場を理解し、尊重することを目的としています。  まず、相手の反応を慎重に聞くことから始まります。例えば、「いやいや、そうはいっても」というフレーズは、相手の意見や感情に対する反応として用いられ