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#森信三

【書籍】『致知』2024年7月号(特集「師資相承」)読後感

 致知2024年7月号(特集「師資相承」)における自身の読後感を紹介します。なお、すべてを網羅するものでなく、今後の読み返し状況によって、追記・変更する可能性があります。 「師資相承」とは?  今月号のテーマである、師資相承(ししそうしょう)とは、師匠が弟子に教えや技術、学問などを伝え、弟子がそれを受け継いでいくことを意味します。これは単なる知識や技能の伝達にとどまらず、師匠の人格や精神、価値観なども含めた総合的な「教え」の継承を指します。  特に、日本の伝統芸能や武道

【書籍】一本のロウソクのようにー森信三と田中繁男の教育哲学

 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)のp128「4月7日:それで、あなたは何をしましたか(田中繁男さん 実践人の家副理事長)」を取り上げたいと思います。  田中繁男氏が教育現場で直面した挑戦と、その対応について語っています。学校は生徒の不良行為に悩まされていましたが、田中氏は生徒たちを理解し、彼らの心に寄り添うことで状況を改善しました。森信三先生は、田中氏の取り組みを現代の宗教と称賛し、教育の現場における行動の重要性を強調しまし

【書籍】師と歩む人生の旅ー森信三による人物理解のアプローチ

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp100「6月15日:人物を知る五つの標準:森信三(哲学者)」を取り上げたいと思います。  森信三氏は、人間を知るための五つの基準を提唱しています。これらは、個人の師匠、人生の目標、過去の経歴、愛読書、そして友人関係という要素から成り立っています。これらの基準を通じて、人の性質や将来の方向性を大まかに推測できると森は考えています。  しかし、森はこれらの要素が最終的には「師」という一つの根

【書籍】人間の成長を促進する組織ー森信三の教えと現代人事の挑戦

『一生学べる仕事力大全』(致知出版社、2023年)のp770「わが言葉の人間学ー哲学は本来、生きる力になるべき(森信三)」を取り上げたいと思います。  森信三という哲学者の考え方や言葉について述べたものです。森氏は、人間がどのように生きるべきかを深く追求し、その答えを学問と実践の融合に求めた人物です。彼は、年長者の苦労を理解し、想像力を使って経験の限界を超えることが叡智の表れであるとしています。この叡智は、学問や教育においても非常に重要とされています。私も、森氏の著作を繰り

【書籍】内なる力と「ひそかなる決意」ー日々の挑戦に打ち勝つ心構えー『続・修身教授録』(森信三)

『続・修身教授録』(森信三、致知出版社、2022年)のp166「第24講 ひそかなる決意」を取り上げたいと思います。  ここでは、個人が直面する困難に対処する方法として、精神の鍛錬と自己決意の重要性を掘り下げています。森氏は、冬将軍や風邪の神といった比喩を用いて、人生の試練に打ち勝つための心構えと具体的な行動について語ります。風邪を引きやすい状況からの脱却を例に挙げ、物理的な対策(手袋の使用をやめ、外套の外で手を出して歩く)だけでなく、精神的な覚悟(「今年は断じて風邪をひく

【書籍】『致知』2024年3月号(特集「丹田常充実」)読後感

 致知2024年3月号(特集「丹田常充実」)における自身の読後感を紹介します。なお、すべてを網羅するものでなく、今後の読み返し状況によって、追記・変更する可能性があります。 「丹田常充実(たんでんじょうじゅうじつ)」とは  「丹田常充実」ということばは、中国の伝統的な気功や武術における重要な概念に関連しています。丹田とは、体の中心部、特におへその下約三寸(約7.5cm)の位置にあるとされるエネルギーの中心を指します。このエネルギーの中心を通じて、身体の内部エネルギー(気)

【書籍】「読書」についての一考察-森信三『修身教授録』より

 森信三氏の『修身教授録』は私の大好きな書籍の一つです。この書籍は、いろいろな局面で読む度に新しい気づきを与えてくれます。  2023年7月号の『致知』では、「学を為す故に書を読む」が取り上げられました。これは、江戸時代後期の陽明学者・佐藤一斎の『言志四録』にある言葉です。「読書は学問のための手段である」ということです。これについては、以下の記事で取り上げました。  実は、『修身教授録』の中にも、「読書」について述べた章があります。今回、ここを取り上げて少し深掘りしたいと