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本屋の息子あるある

全国に「本屋の息子(娘)」が
何人いるかは分からないが、
思いつくままに書いてみよう。

①店番
 父が配達、母が買い物の時が出番だ。
 自然と、どこにどんな本があるのか覚えた。

②アダルトな本
 近づいてはならないコーナーがあった。
 ビニールに入った、
 いわゆる“ビニ本”が置いてある。
 町内会長から
「あまり激しいのはちょっと…」
 とクレームがあったらしい。

③気まずかった話
 ある日店番してると、
 感じの良い夫婦が
「実は娘が映画に出たんですよ」
 と微笑みながら
 エロ映画月刊誌をレジに持ってきた。
 表紙はソフトだったが、
 中は超ハード(←なぜ知ってる?)
「そ、それは良かったですね」
 と応対したものの、
 気まずかった。

④発売前日に読める
 ジャンプは日曜4時に届いた。
 前日の夜に読めたのだ。
 そして翌日は、
 学校で“ネタバレ”君となる。

⑤コンビニへ偵察
 発売日の午前0時に発売していないか、
 偵察に行かされたことがある。
 発売はしていなかったが、
 そのまま立ち読みモードに入ってしまい、
 ミイラとりがミイラになった。

⑥店内の漫画を読み尽くす
 少年漫画、例えば
 ジャンプ、
 サンデー、
 マガジン、
 キング←渋い
 チャンピオンを読み尽くし、
 ついには少女漫画へ。
 マーガレット、
 花とゆめ、
 フレンド…
 ボーダレスだったなぁ。

本という利幅の小さい商品を、
地道にコツコツ売り続け、
僕を私立中高一貫に通わせてくれた両親。

2人とも学歴は中卒だ。

心臓に障害があり、
高校進学を諦めた母。

両親を早くに亡くし、
姉兄弟3人で生きて行くために、
中卒で働くしかなかった父。

2人の
「勉強したかった」
という思いが、
僕の背中を押してくれた。

なのに勘違いした僕は、
「自分は両親より偉い」と、
思い上がった時期もあった。

被爆後から40年もの間、
広島市内で
本屋を経営してきたことが、
どんなに凄いことか、
今なら分かる。


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