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仕事=趣味 となって思うこと

先日、趣味は?と聞かれ、パンを作ることと答えた。
私の仕事はパンを作り、それをお客様に届けることだが、それがほぼ趣味だということに、自分で口にして改めて実感した。

エンジニアとして働いているとき、趣味はパソコンを作ることとか、自宅サーバの構築・運用とか、時間があればプログラムを書いたり、技術書を読むという人をたくさん見てきた。
私はプライベートでパソコンを触ったり、勉強のために本を読むことはあっても、休みの日までそれで何かしようという人、お金をかけて自宅にサーバを構築する人の気持ちは、正直、意味がわからなかった。仕事は仕事、趣味は趣味派。

それが今、パンを作ることは仕事であり、同時に趣味でもある。それは仕事のために技術を高めたいというわけではなく、ただただ好き。趣味だから。

私の中で、「食を仕事にする人」、特に料理をする人は、「料理が好き」からその道を目指すものというイメージだった。
しかし、料理はあくまでも仕事であって、家ではやらないという人も多くいることを、パン屋で働いた人たち、同業界の人と話す中で知った。
それは、私のエンジニアのときと同じで、どの業界も変わらなかった。

どちらが良いとかではないと思う。
ただ、働く当事者の立場で言うと、私はエンジニアとして働いているときは、そういう人たちが少し羨ましかった。ずっと好きなことに関われるなんて!と。
今自分がそうなってみて、楽しいことばかりではないし、悩みも尽きないが、それもまた幸せだなと、ふとしたときに思う。

ユーザの立場からすれば、リリースされたサービスが便利であればそれでいいし、料理が美味しければそれでいい。しっかりとしたクオリティがそこにあれば、どういう人が作ったか、どういう気持ちで作ったかは関係ないというのが、大多数だと思う。
でも個人的には、好きで好きでたまらなくて、四六時中そのこと考えている人が作ったものを食べたいと思う。

私は趣味としてパン作りを楽しむ。その一方で仕事として恥じないパンを、手に取っていただく方に満足してもらえるようなパンを作るよう努める。
それがいつかに憧れた、仕事も日々の暮らしも含めた、生き方を楽しむということに繋がると思うから。

とはいえ、パンはパン。それでいいです。

読んでいただきありがとうございます。