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思い出に残ってる探究学習のテーマ

イエナプラン教育の探究学習
“ワールドオリエンテーション”

その概要は、こちら。


ワールドオリエンテーションで扱う題材は
多岐にわたる。


世界を学んでいくのだから
そこには
自然もあり
科学もあり
文学もある。


その分野の専門性
教師がもっているに
越したことはない。


取り扱う題材の専門家を
いつも招くことができれば
いいけれど


学びの展開が
即興的に進んでいく部分もあるし


予算と時間は限られているから
難しい時もある。


また
始める前から
教師があれこれ用意しすぎると
そのレールに乗せてしまいたくなる。


子どもたちは
そういう大人の都合を
敏感に感じ取るから
準備しすぎるのも
あまり好ましくない。




そうなると
どう転がってもいいように
教師自身も扱うテーマの知識を
それなりに仕入れておく必要がある。




でもただでさえ多忙な中で
あらゆる学問を
学ぶのは無理。



教師といえども
得手不得手がある。


教師それぞれに
得意なテーマがいくつかあれば
それでいいと思う。




<思い出のテーマ①>

ワールドオリエンテーションで扱ったテーマで
思い出に残っているのは2つ。

1つは「台風19号」



2019年に長野県に
甚大な被害をもたらした
大きな台風。


私が働いていた学校でも
子どもたちの家が流されたり
休校になったりした。


近所には
悲惨な光景もあったし
軽率に扱うわけにはいかない。


でも、
クラスの全員が
経験した大きな出来事



これこそが
暮らしの中の
“ホンモノから学ぶ”

ということ



休校明けすぐに
「台風19号」をテーマにした
ワールドオリエンテーションをやってみた。


それぞれの
住んでいる地域で起こったことを
みんなで共有して


私たちの身に
何が起こったのか

整理していった。


そしてみんなで映画を見た。



映画のタイトルは
『不都合な真実Ⅱ』



休校中、
事前に見ておいて



字幕版しかなくて
長いし
難しいかなと思ったから



2日間に分けてみた。



言葉ではなく
映像の力に助けられたと思う。



教室で子どもたちと
一緒に映画を見ながら
私は、この先の
ゴールを考えた。



環境問題って
思っている以上に深刻で


もう取り返しのつかないところまで
来ていると言われている。



最先端の研究者が
その事態の酷さを知って
うつになる人もいるとか。



そんな大きな問題を
小学生がどうやって
考えることができるのだろうか。



「電気をこまめに消そう」
「ゴミを減らそう」



お題目のような
つまらない言葉を
並べるだけで
終わらせたくはなかったけど



でも結局
私の発想力がなく、
それで終わってしまったようなもの。



ただ
少しでも子どもたちの中に
あの台風と
あの映画の記憶が残っていて


問い続けること
できていれば
幸いだと思う。




<思い出のテーマ②>

2つ目は、
「新型コロナウイルス」



2020年2月28日
緊急事態宣言が出された。



突然のことだったけど
数日前から
その可能性があることは分かってた。



最後の日の前日。
「新型コロナウィルス」をテーマにした
ワールドオリエンテーションを
半日だけやった。



今、社会で何が起こっているのか。
なぜ、学校がお休みになるのか。
私たちがするべきことはなんなのか。



限られた情報を
みんなで調べて、
まとめる時間を
作った。



探究というより
ただの調べ学習だったと思う。



でも、
誰にとっても
自分ごとになる学びだった。





<時事>

こうやって思い返してみると


私が好きなテーマは
“時事”だと思う。



その時、社会で
リアルタイムに起こっていること。



それを
教室の中に持ち込むこと
好きだった。



少しでも
学校と社会の隔たりを
なくしたかったからだと
思う。




<終わりはない>

どちらも
探究かと言われると
そうじゃないかもしれない。


ただ他のテーマでも
何度も繰り返すうちに


ワールドオリエンテーションには
終わりがないと
改めて感じた。


頭と心の片隅に入れておいて
それをずっと考えたり
探ったりしていくものだなと。


人生そのもの
ワールドオリエンテーションみたいなものだ。


いつも
現在進行形。

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