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2.日本の円と世界のお金 為替 


円安?円高?


『さらなる円安 152円の攻防』(日本経済新聞11/3)
『円売り急ブレーキ 147円台前半、2ヶ月ぶり高値』(日本経済新聞11/22)
など、新聞やテレビなどのニュース報道では、これらの文字を見ない・聞かない日はないぐらい、連日連夜円安だ、円高だと、メディアを賑わせています。
この円安、円高という言葉は、円の何が高い、低いと言っているのでしょうか。

日本の中央銀行であるに日本銀行では以下のように説明されています。
円高とは、円の他通貨に対する相対的価値、言い換えると、円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に多い状態のことです。逆に、円安とは、円の他通貨に対する相対的価値(円1単位で交換できる他通貨の単位数)が相対的に少ない状態のことです。

どうですか?
ちょっと難しいですね。
なるべく簡単に言うと、他通貨と比べて価値が低いのが円安、その逆が円高です。
例えば、他通貨ということで言うと、日本人にとって一番馴染みがある外国通貨であるアメリカドルとの交換レートにおいては、1ドル=150円などと言うように表現されます。
馴染みのない人だと、たまに勘違いしてしまいがちですが、この金額が大きいと円高、金額が小さいと円安、ではありません。
事実はその逆です。

1ドル=150円で円安、と表現されると以前は1ドル=150円未満(ここでは分かりやすくするために140円とします)であったため、それよりも円安となった、と言うことになります。
つまり、1ドルに交換するのに、以前は140円で済んだのに、今は150円出さないと  1ドルを手にすることはできない、と言うことはどう言うことかと言うと、日本円の価値が安くなったために、より多くの日本円を積まないとドルに交換できない、と言うことになるのです。
いわば円でドルを買うのに、いくらかかるかと考えれば良いと思います。

ドルを円で買う、というイメージで


もしかすると通貨同士なので分かりずらいかも知れません。
ということで、ドルをモノに例えて説明してみます。

例えばペットボトルのお茶が以前は140円で買えていたのに、値上がりで150円になってしまったとします。
この場合、以前より多くのお金を払わないとペットボトルのお茶は買えません。
つまり、物価(ドル)が上がり、お金の価値(円)が下がった状況です。
なんだかインフレに似ていますね。

これと同じで、ドルを手にするために日本円を以前より多く支払わなければいけないことを円安と言い、以前より支払う円が少なければ円高というのです。
ドルが値上がりするのを円安、ドルが値下がりするのを円高、と考えるとより分かりやすいのではないでしょうか。

以前、あるお子様がとても的を得た例えをしてくれたので、ここでシェアさせていただきます。
ドルは、ゲームセンターのコインと同じ考えです。
ゲームセンターの両替機でコインに交換しますよね。
1000円でコイン何枚、というように交換できるわけですが、その交換したコインを使ってゲームセンターの中で遊べます。
つまり、ゲームセンターは国、コインはその国の通貨です。
時期によって、交換できるコインの枚数が変わったりするかどうかはゲームセンターの事情にもよるでしょうが、お金をコインに交換する考えは、円をドルに交換するという考えと同じです。

大人の皆さんにとっては、パチンコやスロット、といえば、さらに分かりやすいでしょうか。

世界の通貨


ところで、少し想像してみて欲しいのですが、世界には何種類のお金があるでしょうか。
いわゆる「通貨」というものです。
世界の通貨は、現在約180種類あると言われています。
世界のあちこちの国や地域で、自分の国だけで通じるお金を使っているのです。

その中でも世界三大通貨といえば、米国のドル、欧州のユーロ、そして日本の円です。
この3つの通貨は、世界で一番信用されている通貨トップ3です。
信用されているということは、それだけ多くのお金が流通されているということになります。
国際的なお金のやり取りなどには、信用ある数少ない種類の通貨しか使われていないのが現実で、前述の三大通貨に他の通貨を強いて加えるとしても、英国のポンドと中国の元ぐらいになります。

ドルと同様、ユーロやポンドを手にする時も、円を使って交換する必要があり、他国通貨に関しても円安、円高があります。
また、国によっては自国通貨と米国ドルを併用しているところや、国内通貨ではなく米国ドルのみを使っている国もあります。
お金として信用できないお金は、いくら同国の通貨だと言っても、誰も使いたくはないし、受け取りたくもないですよね。

そう考えると、世界でもお金として信用が高い通貨が我が国日本の円だということは、同じ日本国民として誇り高いとさえ思います。

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