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「第2章 弾性波探査」の扉

 童謡「アイアイ」でお馴染みのアイアイは,その学名からもわかるようにマダガスカルに生息する動物です.歌詞の“かわいいお猿さん”のイメージとはほど遠く,実物は結構グロテスクな姿をしています.特に手の指が異常に長く,この長い中指で木の表面を叩(たた)くタッピングを行ないます.この行動でアイアイは木の内部の音を聞き分け,餌となる虫を見つけ出します.アイアイは人類誕生以前から,音による探査を使っている弾性波探査の先輩です.

 先輩のアイアイには負けるかもしれませんが,人間も同じように物を叩いてその内部を調べることがあります.八百屋さんはスイカを叩いて熟れ具合を判断したり,大工さんは壁を叩いて内部の梁の存在がわかるそうです.最近知りましたが,お医者さんは胸部を叩いて調べる打診で,心臓の大きさや肺の空気の入り具合を調べているそうです.


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