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導体 半導体 絶縁体

半導体と言えば、タイトル図の様に集積回路(IC)を想像する人が多いと思いますが、元々は”電気を良く流す導体”と”電気を全く流さない絶縁体”の中間の性質を持つ電気的性質のことを指します。

導体は、金・銀・銅などの金属のことで、比抵抗(抵抗率)が小さく、電気を流しやすい性質を持っています。そのため、電柱の電線には銅線が使われていますし、先程のICでは配線として細い金線が使われています。導体の比抵抗は小さいですが、ゼロではありません。しかし、完全にゼロになる状態があって、その状態を超電導状態と呼びます。

絶縁体は、ゴム・ガラス・陶器などのように電気を流さないものの総称です。実は空気も絶縁体です。絶縁体は、その性質を利用して電気配線やケーブルの被覆ひふくに使われています。私の専門は電気探査/電磁探査なので、導体と絶縁体を組み合わせたビニール線や多芯ケーブル、LANケーブルなどにお世話になっています。大掛かりな電気探査では、200万円分のビニール線を購入したこともありました。

導体の比抵抗値は10のマイナス6乗[Ωm]以下で、絶縁体の比抵抗値は10の8乗[Ωm]以上です。半導体の比抵抗値は子の範囲に挟まれた10のマイナス6乗~10の8乗[Ωm]になります。つまり、半導体の比抵抗値は範囲がとても広いのです。

私の研究対象である”地下”は、導体でもなく絶縁体でもない”半導体”です。そのため、地下の岩石/土壌の比抵抗の範囲が広く、測定には大変苦労します。


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