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ネガティブとマイナスの違い

これは、負の値を表わす記号の”ー”の話です。ただし、英語での”ー”の話です。「そんなこと知ってるよ!」と言う人は読み飛ばしてください。

”数学”と言っても簡単な方程式を解く英語の動画を観ていた時の事でした。その解説者が、しきりに「negative(ネガティブ)」を連呼するのでした。この動画で、面白い気付きがありました。ネガティブはご存知の通り、負の値を示すときに使います。負の記号は「minus(マイナス)」じゃないのと思った人は、ここからをよく読んで下さい。

多くの日本人はネガティブという言葉は知っていて、精神的に落ち込んだような状態(負の感情)の時に使います。しかし、数学の時にはマイナスだけを使ってしまい、ネガティブは使いません。実は、これは間違いです。

『ー3ー5』を英語でどう表現するか知っていますか?。ちょっと英語を知っている人なら、”マイナス(ー) スリー(3) マイナス(ー) ファイブ(5)”と答えるでしょう。もう少し英語を知っている人なら、”サブストラクト(substract;引く) ファイブ(5) フロム(from;から) マイナス(ー) スリー(3)”と答えるかもしれません。

しかし、そのどちらも不正解です。実は”ー3”は、”ネガティブ(ー) スリー(3)”と言います。マイナスでも意味が通じるし、問題ないじゃないかと思われたかもしれませんが、ネガティブとマイナスには大きな違いがあります。この違いには、プログラムを齧った人なら理解しやすい理屈があります。

プログラミングには、数値の計算をする演算子というのがあらかじめ準備されています。a+bやa-bの”+”や”ー”がそれに相当します。これらは、二つの数の演算を表す記号なので、専門用語で『二項演算子』と言います。また、”-a”や”ーーa”のように一つの項だけに用いて結果を返す演算子があります。これを専門用語で『単項演算子』と呼びます。

ここまで読んで、頭の良い人なら気付いたと思います。そうです。ネガティブは”ー3”のような”単項演算子”を表わし、マイナスは”3-5”のように二つの数字の引き算である”二項演算子”の時に使われます。ここで最初に戻りますが、”ー3-5”を英語でいうと、”negative three minus five”となります。ネイティブスピーカーは、無意識にnagativeとminusを使い分けています。

日本人はマイナスしか使わない傾向にありますが、ネガティブを知らないからと言ってネガティブな気持ちにならないで下さい。

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