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物理探査学会参加(4) 3日目(最終日)

今日は学会の最終日。今日も一般講演はなく、物理探査の「防災への応用」や「土木分野への応用」についての話がありました。

なかなか興味深い話があったのですが、”技術者間のコミュニケーションの難しさ”が心に残りました。物理探査の技術者は、自分たちのことを”物探屋ぶったんや”と呼びます。また土木分野の技術者は、自分たちのことを”土木屋どぼくや”と呼びます。さらに、地質関連の技術者は、自分たちのことを”地質屋ちしつや”と呼びます。

この、物探屋さん・土木屋さん・地質屋さんたちの話す言葉は、英語・ドイツ語・フランス語のように大きく違うのです。また同じものを見ても、何に関心を持つのかが全く違います。

例えば、山の中に崖を発見したとします。地質屋さんは、その崖の土壌や岩石、すなわち地層の状況が気になります。これに対して、土木屋さんなら崖の力学的な特性、つまり崖を構成する岩石の強度などが気になります。物探屋さんは何が気になるかというと、崖の岩石が持つ物理的な特性、例えば弾性波速度や比抵抗などが気になります。

このように、同じものを見ていても、頭の中では全く違うことを考えています。なので、同じ日本人なのにお互いのコミュニケーションがうまくいかないのです。

ビジネスの基本はコミュニケーションですが、このコミュニケーションが難しいため、これまでいろいろな誤解がありました。学問が細分化されると、専門用語が全く違います。そろそろ、”エスペラント語のような”地球科学の共通言語が必要なのかもしれません。

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