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起業について 『困りごと』を解決!

 九州大学には、ベンチャービジネスを支援する『ギャップファンド』という独自の支援プログラムがあります。そのプログラムの一環として、毎年10件ほどのプロジェクトが採択されて、ベンチャービジネスのシーズとなる研究を助成しています。1件当たり最大250万円程度の研究費が支給されるので、数年前に応募して”最下位で採択”されました。

 このプロジェクトに採択されると、研究費が頂けるのですが、それなりの義務があります。この支援事業は、起業を促進するための支援プロジェクトですから、起業のための講演会(セミナー)への参加が義務付けられています。私も講演会に参加し、ベンチャー企業の話を聞いたり、その後の懇親会でベンチャーキャピタルの方々の話も聞きました。

 知的好奇心を刺激する面白い話が多かったのですが、やはり実際の起業となると躊躇します。中小企業庁が公表しているデータでは、創業した中小企業が5年後に残っている生存率は約40%とされていますが、ベンチャー企業になればさらに厳しくなります。ベンチャー企業の創業から5年後の生存率は15%10年後6.3%20年後はたったの0.3%です。その講演会で話をしていた優良そうなベンチャー企業でさえ、起業後5年でまだ黒字化していないとのことでした。

 起業家を支援している人の話も聞く機会がありましたが、キーワードは『ペインをゲインに!』ということでした。簡単に言えば、”人々の困り事”を解決できれば、事業化できる可能性が高いということでした。この言葉は、起業のような大げさなことではなくても、副業などにも当てはまります。

 これまでにない技術を利用して起業することは、夢がある話ですが、実際のベンチャー企業の話を聞けば聞くほど、”起業は難しい”と思うようになりました。『No Risk, No Return』という言葉がありますが、リターン(利益)のためには、危険を冒す(お金を損する)リスクが必要です。このリスクの覚悟がなければ、ベンチャーの起業は無理でしょう。

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