見出し画像

シカの"銅像"@猿沢池

最近のニュースで、ある地域で鹿が増え過ぎて、森林への被害が増大しているという話を聞きました。野生の鹿の生息数は少ないのでしょうが、少し増えるとこんなニュースが増えてきます。野生動物の適正な数は、人間の数とのバランスで決まるので、とても難しい問題です。

鹿と言って連想するのは、ずばり奈良です。奈良の鹿の存在は有名なので、私も小さい頃から知識としては知っていました。ただし、奈良の鹿とのファーストコンタクトは、中学生の時に修学旅行で行った奈良公園でした。鹿がいるのは事前に知っていましたが、あんなに普通にいるとは想像できませんでした。

これは、大人になって鹿に遭遇した話です。ある年に、遺跡探査に関する学会に参加するため、奈良に出張しました。ホテルは、猿沢池近くのビジネスホテルでした。散歩も兼ねて、近鉄奈良駅から歩いていくことにしました。猿沢池を目印に歩いていたら、池の近くまで辿り着きました。池の周辺は、公園のようになっていて、ベンチがありました。ベンチの近くには、実物大の座っている姿の鹿の銅像が置いてありました。

「さすがは奈良、公園の銅像も鹿なんだ!」と感心しながら、その銅像の脇を通ろうとしたら、その”鹿の銅像”がムックリと起き上がりました。最初は、何が起きたかわからずに慌てました。しかし、落ち着いて考えると、それは鹿の銅像ではなく、”本物の鹿”でした。猿沢池を歩いていた時は夕方近くで、公園内が薄暗かったことも見間違えた要因でした。

奈良には鹿がいることは知っていましたが、それは”奈良公園内の限られた場所”だと認識していました。しかし、そうではなかったのです。鹿は普通の場所にもいました。その後、何度か奈良に行っていますが、奈良公園以外で鹿に遭遇したのは、その時だけでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?