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世界”物探”遺産の旅#4 チチュルブ隕石孔

チチュルブクレーターは、メキシコのユカタン半島にある巨大クレーターです。このクレータは、白亜紀末の6550万年前に、直径10~15キロメートルの小惑星が秒速20キロメートルで衝突した跡と考えられています。地名であるChicxulubは、現地での発音は”チチュルブ”に近いそうですが、その綴りから”チクシュルーブ”とも呼ばれます。

このクレーターの原因となったい隕石の衝突によって、マグニチュード11以上の大地震が起こり、高さ300mもの大津波が周辺に押し寄せ、大気中に舞い上がった大量の硝酸塩や煤すすが長期間にわたって太陽光を遮ったと考えられています。このため、急激な環境変化が起こり、恐竜絶滅の原因となったと結論づけられました。

隕石衝突の瞬間?

チチュルブクレーターは、世界三大隕石孔の1つに数えられ、残りの2つは、南アフリカのフレデフォートクレーターと、カナダのサドベリークレーターです。

フレデフォートクレーターは、その中央部が大きなドーム状の形状をしているので、フレデフォート・ドームとも呼ばれています。このクレーターは、ヨハネスブルグの南西120kmの位置にあり、隕石の衝突跡の直径は約190kmと世界最大です。隕石の衝突跡は、中央のドーム(直径約50km)とそれを取り囲む外輪山(リング)から構成されています。このクレーターは、2005年にユネスコにより世界遺産の自然遺産として登録されました。

サドベリークレーターは、カナダのオンタリオ州南東部にある隕石孔です。約18億年前の形成当初の直径は約200キロメートル程度ありましたが、造山運動と浸食により、現在では北東・南西方向に延びた長軸約60キロメートルの楕円形になり、サドベリー盆地となっています。この衝突で、マグマが噴出し、ニッケル・銅・コバルトを産する鉱山群が形成されたと考えられ、この盆地中には鉱山都市サドベリーが存在しています。

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