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アンサング偉人伝#14 遺伝法則を発見したメンデル

 グレゴール・ヨハン・メンデル(Gregor Johann Mendel)は、オーストリア帝国・ブリュン(現在のチェコ・ブルノ)の司祭(牧師)でした。生物で遺伝を習ったことがあるなら、メンデルの名前は聞いたことがあるはずです。メンデルは、司祭の傍ら植物学(エンドウ豆)の研究を行ない、『メンデルの法則』と呼ばれる遺伝に関する重要な法則を発見しました。この業績によって、メンデルは”遺伝学の祖”と呼ばれています。

 しかし1884年に死去したメンデルの生前には、彼の研究成果が認められることはありませんでした。メンデルが発見した法則は、1900年に3人の学者、ユーゴー・ド・フリース、カール・エーリヒ・コレンス、エーリヒ・フォン・チェルマクらによりそれぞれ独自に再発見されるまで埋もれていました。再発見された”遺伝の法則”は、すでにメンデルが半世紀前に研究して発表していたことが明らかになり、メンデルの研究成果は死後に承認される形となりました。

 メンデルが研究を始めた当時、”子が親に似る”という遺伝現象は知られていましたが、遺伝形質は交雑とともに液体のように混じりあっていくものと考えられていました。しかし、メンデルはこれを否定し、遺伝形質は”遺伝粒子”によって受け継がれるという”粒子遺伝”を提唱しました。これは現在の遺伝子につながる考え方でした。

 メンデルは、ライフ誌が1999年に選定した、『この1000年でもっとも重要な100人』に入っています。それだけ、メンデルの業績は素晴しいものでした。メンデルは天国で、ほくそ笑んでいるかもしれませんね。

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