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人工無脳と人工知能

人工無脳は、人工知能や人工頭脳をモジったネットスラングで、脳と同じほどの高度な処理は行われていないまでも、見掛け上、それに近いような処理が可能な”人工知能もどき”のことを指します。人工無能という言葉には、”人間の知能には程遠い”という皮肉が込められています。 入力したテキストや音声に対して、それらしい返答を返すチャットボットやSiriなどは、人工無脳の一種と考えられています。

人工無脳の多くは、インターネット上から収集した文章(テキスト)からキーワードを抽出し、内部のデータベースとマッチングして応答する手法を採用しています。つまり、『テキストの構文解析』+『データベース探索』 が人工無脳の主要なアルゴリズムです。要するに、人間の思考プロセスとは大きく異なるので、ぶっちゃけて言えば、データベースに含まれていないものには答えが出せません。

人工無脳の中にも、かなり人工知能に近いような振る舞いをすることができるものが現れてきました。そのようなアプリケーションが、2022年11月にOpenAI社から公開されたChatGPT(チャットジーピーティー)と呼ばれるチャットボットです。OpenAI社は、人工知能を研究する民間の研究所です。そこで開発されたこのアプリケーションは、AI学習の基本手法である『教師あり学習』と『強化学習』の両方の手法を使って、膨大なインターネット上の文章を学習しています。

ChatGPTは、その回答が自然(人間)に近いことで一気に注目を集めました。例えば、「妻へのプレゼントは何が良い?」と聞けば、数十秒後に「ジュエリー、バッグ、シューズ」などを列挙し、最後には「彼女のことを考えて選びましょう」とアドバイスまでしてくれるそうです。また、「ネコを主人公にした子供向けのお話を500字ぐらいで作って」とお願いすれば、数十秒後にはネコが主人公の物語を創作してくれるそうです。さらには、設定を詳細に指定すればプログラムまで作ってくれるそうです!?。人工無脳ながら、かなりのことまで出来るようになってきたみたいです。AIの進歩は著しいです。

しかしChatGPTも完璧ではなく、回答がインターネット上の大量のデータに依存しているため、データが必ずしも正確だとは限らないのだそうです。ChatGPTは、既に私の言語能力を凌駕していますが、データの正確性で言えば、まだまだのようです。

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