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深海9801メートル

夕方のニュースで、有人潜水船が小笠原海溝の最深部付近9801mの深海底に到達したことを知りました。この有人潜水船の写真には、TRITON(トリトン)と書かれていたので、おそらくトリトン号と言う名称なのでしょう。トリトンは日本の潜水艇ではないので、たぶんレンタルしたのでしょう。日本周辺には深さ6000mを超える超深海があって、小笠原海溝はその中でも最も深い場所です。今回の潜航では、日本人による有人の最深潜航記録を、60年ぶりに256m更新しました。日本で最も深いとされる小笠原海溝は、これまで9780mと考えられていましたが、さらに20mほど深いことが今回の潜航で判明しました。

一般的に深海とは、200m以深の海域帯を指します。地球の海の平均水深は 3,729mで、深海は海面面積の約80%を占めています。21世紀の現在でも、非常に高い水圧に阻まれて深海探査は容易ではありません。大深度潜水が可能な有人や無人の潜水艇や探査船を保有する国は数少ないなどから、深海のほとんどは未踏の領域となっています。

最近、新たな月面有人飛行を目指したアルテミス計画がニュースで取りあげられていました。月までは380,000kmも距離がありますが、人間が到達可能です。しかし、海底は10,000mですら難しいのです。人類未踏の地は、皮肉なことに、我々の足元にある深海底地底なのです。

私はこのニュースを見て、『9801』と言う数字に目が行きました。これは、かつて日本のPC市場を席巻したコンピュータ・PC98の型番です。日本最初のパーソナルな16ビットコンピュータは、NECのPC9801でした。私のようなオジサン世代には、とても懐かしい数字です。ちなみに私は、PC9801Eというコンピュータを使っていました。たしか、CPUはインテルの8086で、駆動クロックは8MHzでした。

今のPCのクロックはGHzオーダーですから、単純に考えても数1000倍ほど高速化しています。9801の時代は、今から考えれば何ともスローな演算速度でしたが、当時は最速でした。

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