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トリアタマは馬鹿にできません!

鳥頭とりあたまは、物忘れの激しいこと、あるいは記憶力の弱いことの喩えで、そのような忘れっぽい人を揶揄うときに使います。これは、「三歩で忘れる鳥頭」や「鶏は三歩歩けば忘れる」という諺が元ネタになっています。あまり聞かない言葉ですが、鳥の三足とりのみあしという言い方もあるようです。

しかし、いわゆる”鳥頭”の字義に当てはまる鳥はダチョウなどの少数の鳥だけらしいのです。実際の鳥類には道具を使う鳥や声真似をする鳥もいて、脳の大きさの割には賢い鳥が多いようです。カラスなども、そのような賢い鳥の代表です。

昨日読んだ科学雑誌に、面白い記事がありました。”賢い鳥頭”を説明するかのように、「鳥の脳はニューロン密度が高い」と書いてありました。つまり、鳥の脳には、単位体積あたりのニューロン(神経細胞)の数が多いのです。このことは、小さなな脳でも、それより大きな脳を持つ動物と比べても、遜色ない機能を発揮できることを意味しています。しかも、鳥の脳は省エネなのだそうです。

人間の脳は、体重の約2~2.5%くらいの重さしかありませんが、1日に消費するエネルギーの20%を脳で使うそうです。これは体重の2%ほどに過ぎない脳の重さから考えると、大変なエネルギー消費量です。つまり、脳は燃費がとても悪いのです。しかし、鳥の脳は同じ重量で比較すると、エネルギー消費量が哺乳類などに比べて少ないそうなのです。

鳥頭といって、鳥(や人間)をからかってはいけません。実は鳥の脳は高機能なのです。まだ詳しいことは分かっていないみたいですが、”鳥頭”を研究することで、新しい脳研究の切り口が見つかるかもしれません。

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