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働き方改革はスバラシイ

若い頃は仕事(研究)が大好きだったので、趣味を持たない私は休日を持て余していました。今でも仕事は好きですが、最近は考え方が変わって、休日も大好きになりました。

新型コ〇ナが蔓延して以降、リモートワークの常態化など働き方が急激に変わって来ましたが、未だに”24時間働けますか?”的なブラック企業もあるようです。ブラック企業かどうかの判断は私には出来ませんが、最近オリンピック関連の汚職で世間を騒がせている、電通という有名な会社があります。電通には『鬼十則』という”仕事の心得”があって、社員手帳・Dennoteにも記載されていました。電通の企業体質を象徴する鬼十則とは、以下の通りです。

1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきではない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けて行くことで、受け身でやるものでない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは・・・
6. 周囲を引きずり回せ、引きずると引きずられるのとでは、永い間に天地
のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい
努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚み
すらない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サー
ビスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈
未練になる。

もちろん、自分の頭を使って積極的に行動する仕事への姿勢は必要でしょう。しかし、「殺されても(仕事を)放すな」みたいな表現は行き過ぎです。私は怖がりなので、仕事で殺されそうなら簡単に手を放してしまいそうです。さすがに、現在の社員手帳には掲載されていないそうですが、2016年度までは掲載されていたようです。人気企業である電通でさえ、昭和の猛烈サラリーマン状態を推奨しているのですから、日本の働き方はチョッと異常です。

そこで政府も重い腰を上げて、『働き方改革』に取り組むようになりました。働き方改革は、”働く人々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で選択できるようにするための改革”と説明されています。ここまでの趣旨はスバラシイと思います。しかし、働き方改革が必要とされる背景を考えると、素直に頷けない気がします。

働き方改革が必要とされる背景には、大きく2つの社会的要因があるようです。ひとつは、『育児や介護との両立など働き方のニーズが多様化』です。現在、日本では共働き世帯および単身世帯の割合が増加傾向にあるそうで、1990年代中頃に共働き世帯の数が専業主婦世帯の数を逆転して以来、共働き世帯の数と専業主婦世帯の数は年々その差を広げているのだそうです。また、未婚率の増加や核家族化の影響を受け、単身世帯も増加しつつあります。そのような世帯の時代変化を受けて、家事や育児・介護などと仕事を両立できる柔軟な働き方へのニーズが高まっているのです。そうしたニーズに対応するためには、労働における時間的制約の緩和や、フルタイム以外の労働に対する処遇改善など、が必要ととされています。

もう一つの要因は、『少子高齢化による生産年齢人口(15歳以上65歳未満)の減少』です。日本国内の生産年齢人口は、1995年の国勢調査における8,726万人をピークに、年々減少を続けています。このまま減少が続くと、2029年には生産年齢人口が7,000万人を下回り、2065年には4,529万人まで減少すると推測されています。このような生産年齢人口の減少の見通しから、日本全体の生産力および国力の低下が懸念され、働き方改革の必要性が高まっているのです。こちらは、働き方改革のメインテーマである『一億総活躍社会』と密接に関連しています。

もうすぐ定年の私からすると、定年後まで働かせようとする『一億総活躍社会』には胡散臭さを感じます。もちろん、65歳を過ぎても働きたい(または働かざるを得ない)人はいるでしょうから、”個々の事情に応じた柔軟な働き方を、自分で選択できる”ことは重要でしょう。

働き方改革法の成立に伴い2019年4月1日以降、法人は従業員に対して年5日の年次有給休暇を取得させる義務が発生しました。義務に違反した際には違反者一人に対して~30万円の罰金を課せられます。これは国立大学法人でも例外ではありません。というわけで、現在私は義務化された有給法休暇の消化中です。今日と明日の2日間を有給休暇にしているので、今回は5連休です。

働き方改革、バンザイ!。ビバ、5連休!。

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