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温泉法と謎の水柱

『謎の水柱』の第三段の記事です。たぶん、これが最後になると思います。

ついに、北海道長万部町で噴き出した巨大な水柱の正体が判明しました。町の調査では、この水が温泉水であることが分かりました。長万部町のホームページでは、”水柱の水質検査結果について低温泉水と推定されるとのことです”と書かれています。検査機関の成分分析の結果、長万部町は水温21.5℃の温泉水と推定されました。温泉水には微量のヒ素が含まれるものの、人体には影響ないそうです。

温泉の定義は、温泉法に定められています。簡単に言うと、温泉の条件には温度または化学成分の二つの条件があって、どちらかを満たせば、法律上は温泉となります。温度なら25℃以上が温泉の条件です。また、温泉法の条文に書かれた、硫黄分や鉄分などの基準値を一つ以上でもクリアしていれば、温泉となります。今回の水柱の水は、21.5℃と25℃の基準をクリアしていないので、温度での条件は満たしていません。ただし、塩分が基準値以上なので”食塩泉”と認定されたようです。

温度が25℃未満の水が湧き出す鉱泉のことを、特に冷泉と言います。大分県の九重町には”かんの地獄”と呼ばれる冷泉があります。ここの冷泉の温度は13-14℃なので、夏ならかなり冷たく感じるでしょう。

噴出している水の正体は温泉だとわかりましたが、噴出のメカニズムはまだわかっていません。今後は、騒音とともに出てくる厄介な温泉水の防止方法が焦点になりそうです。

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