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地震予知はできますか?

 今日は防災の日です。9月1日の関東大震災を忘れないために、この日が設定されました。例年なら、大規模な防災訓練などが行なわれていましたが、非常事態宣言が多くの地域で出されているので、今年は大規模な訓練は予定されていないようです。地震以外でも、大雨による水害が最近多発しています。1年に1回でも、様々な災害に意識を向けるだけでも意味があると思います。

 地震予知は可能か、不可能か。中々難しい問題です。まずは、地震予知の定義をはっきりさせないと、この手の議論は出来ません。地震予知が短期(数日程度)の予測を意味しているなら、現在の技術ではできません。また、地震予知が長期(数年~数十年)の予測を意味しているのなら、誰でも予測が可能です。何故なら、日本は地震大国ですから、年間に多くの地震がどこかで起こっているからです。

 地震予知は可能だと考える研究者がいる一方で、地震予知は不可能だと考える研究者がいます。皮肉なことに、地震を研究している地震学者の多くは地震予知に消極的で、それ以外の地球電磁気学や測地学などの研究者には地震予知に積極的な人がいます。私は門外漢なのでどちらにも組しないのですが、”不可能ではないのでは・・・?”と根拠のない希望を持っています。”地震予知は不可能だ”と言って、可能性を完全に消してしまうのは勿体ないと思うのです。

 日本で「2、3日以内に大地震が発生する恐れがある」と宣言する予知の体制がとられたのは、東海地震だけです。気象庁が東海地域に限って地震予知を始めた発端は1976年に発表された駿河湾地震説でした。東海地震説として知られるようになるこの学説は、静岡県の駿河湾を震源とするプレート境界の巨大地震が切迫していると警告するもので、急速に広い支持を得ました。1980年代は「地震の規模に比例して前兆現象が出てくる」と考えられていて、『予知はきっとできる』と思われていました。しかし、東海地震を予知して国民に警戒を呼びかける国の体制は、2017年に終了しました。

 2011年の東日本大震災以降は、確度の高い予測は困難と判断され、国も予知前提の防災対策を見直し、国の業務としての地震予知は終了しました。私の専門分野は地震予知とは直接関係ありませんが、個人的な興味はあります。地震予知や地震に関連する書籍も結構持っています。地震予知の研究は玉石混合です。最近では、地震予知情報(?)を有料で配信するサービスもあるようです。誰もが納得できて、再現性のある科学的根拠があれば良いのですが、そうでなければ世間を混乱させるだけです。

 私には出来そうもありませんが、いつか画期的な地震予知のアイデアが出てきて、地震予知を実用化して欲しいと思います。今日は防災の日なので、色々と妄想(暴走?)してみました。

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