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『はじめの一歩 物理探査学入門』のタイトルロゴについて

 拙著『はじめの一歩 物理探査学入門』の表紙の図は、私が考案・作成しました。この本は、文章の校正や印刷は出版元である『九州大学出版会』のお世話になりましたが、それ以外は全て自力で作りました。表紙のレイアウトも例外ではありません。白黒を基調にしたシンプルな図柄にしたかったので、グレイスケールのピクトグラムにすることにしました。ピクトグラム(pictgram)と言うのは、ある意味の概念を単純化したシンボルで表したものです。日常的によく見るピクトグラムは、下のような”非常口”のシンボルです。

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 物理探査で重要なのは、それぞれの探査法が持っている物理的な特徴(物性)なので、その物性が想像できるようなロゴにしたつもりです。本職はグラフィックデザイナーではないので、プロの目から見れば稚拙かもしれませんが、個人的には”うまく出来た”と思っています。表紙には、このロゴを地球を表わすピクトグラムの周囲に配置しています。このタイトル図には、ロゴの下に英語表記を加えているので、各ロゴがどの探査法に対応するかがわかると思います。

 専門書は、表紙が固い”ハードカバー”が多いのですが、持ち運びを考慮して柔らかい”ソフトカバー”にしました。また、調べたい探査法の項目が見つけやすいように、章ごとの標も入れました。これは、『九州大学出版会』のアイデアを採用させて頂きました。ほぼ、思い通りに出来上がった拙著ですが、一点だけ心残りがあります。それがタイトル文字の飾りです。

 実は当初、『はじめの一歩 物理探査学入門』のカバーの題字は、”金属光沢の青字”にしたいと考えていました。このアイディアは出版元に伝えましたが、印刷経費の増加という経済的な理由で、”即座に却下”されました。良くて数千部しか売れない理工学書には、お金はかけられません。残念ですが、無理は言えませんでした。

 私の個人的な”多くの思い”を詰め込んだ拙著です。もし書店で見かけたら、購入しないまでも中身を覗いてみて下さい。あなたの知的好奇心をくすぐる面白い発見が、きっとあるはずです。

 

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